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NECエレ、ワイヤレスUSB実用化を促進するリファレンスキット

CardBusタイプのワイヤレスUSBホストコントローラカード

2月28日 発表



 NECエレクトロニクス株式会社は2月28日、ワイヤレスUSBのリファレンスデザインキットを発表した。

 今回のリファレンスキットはCardBus対応のワイヤレスUSBホストカードで、同社が2005年9月に発表したワイヤレスUSBホストコントローラ「μPD720170」を中心としたもの。μPD720170はPCIバスとワイヤレスUSBのMACを装備したLSIで、台湾Realtekおよび米Alereonと協業し、2社の物理層を組み合わせている。

 このCardBusアダプタと、デバイスドライバ、テスト/解析用ソフトウェアなどをソリューションとして製品ベンダーに提供し、ワイヤレスUSB製品の開発期間短縮や、早期の製品化を図る。

μPD720170 物理層を製造するRealtek、Alereonと協業。リファレンスソリューションを展開する デバイスドライバやテストツールを統合したソリューションを提供し、開発を容易に

NECエレクトロニクス株式会社 第二システム事業本部ペリフェラルシステム事業部事業部長 中沢勝彦氏

 NECエレクトロニクスは同日、都内で記者会見を開催。同社第二システム事業本部ペリフェラルシステム事業部事業部長 中沢勝彦氏が、ワイヤレスUSBの市場・技術動向や製品開発計画を紹介し、「2006年をワイヤレスUSB元年に」と意気込みを見せた。

 まずUSB全体の動向として、さまざまなデバイスの標準的なインターフェイスとなったと話し、PC以外にもデジタルTVやレコーダーなどの家電、カーナビ、携帯プレーヤーなどに採用されているとした。今後は、携帯電話、オーディオ、携帯プレーヤーなどが、直接デバイス同士で接続するようになっていくとした。

 その中で、同社はUSBに対して技術や仕様策定に大きく寄与しており、USB 2.0では世界初の製品サンプルを出荷、ホストコントローラから周辺機器まで同時提供してきたことで、大きな実績をあげてきたと話した。PCにおけるUSB機能は、チップセット内蔵のものを利用することがほとんどだが、チップセットを除いた同社の市場シェアはホストコントローラで79%、Hubで43%に達するという。

“USBの豆知識”のスライド。NECエレクトロニクスはUSB 2.0で世界初の製品をリリース PC以外の製品にも利用されるようになったUSB NECエレクトロニクスはUSBコントローラ市場において大きなシェアを誇る

 続いて、ワイヤレスUSBについて解説。ワイヤレスUSBのインターフェイスは、UWB(UltraWideBand)を利用したもので、転送速度は距離3mで現行のUSB 2.0と同じ480Mbpsになる。USB機器の無線化により、更なるUSB市場の活性化を目指す。

 ワイヤレスUSBのコントローラは、ホストコントローラ、Hub、IDEブリッジなどのファンクションに分類。ホストコントローラはPCとUSBプロトコルで通信し、無線の物理層を介してアンテナからワイヤレスUSBプロトコルで送信する。ホストコントローラの総称はWHCI(Wireless Host Controller Interface)。

 Hubは、ワイヤレスUSBプロトコルをアンテナで受信し、物理層を介してUSB Hubコントローラに渡され、通常のUSBコネクタに接続可能にするもの。名称はDWA(デジタル・ワイヤー・アダプタ)。同社はDWAチップ「μPD720180」を発表している。

ワイヤレスUSBについて。認証を得る要件などもある ワイヤレスUSBの構成要素。ホストとHub(DWA)ではチップも別になる

 無線LANとの棲み分けに関しては、無線LANがPC同士の通信、ワイヤレスUSBがPCとデバイスの接続と大きく役割が違うため、棲み分けられるとした。また、ワイヤレスUSB利用に関する法制化については、3月頃に決定する見込みで、将来的には、認定を受けたデバイスは免許が要らないようになるとの見通しを示した。ただし、2008年以降には、他の無線システムと干渉しないようサブチャネルを回避する、もしくは別周波数に移動するDAA(Detect And Avoid)を使用しなければならなくなるかもしれないとした。

 ワイヤレスUSBの今後については、当初はホストとUSBコネクタ付きのHub(DWA)で接続し、後にデバイス側でワイヤレスUSBを内蔵していく。同社が示したロードマップでは、2006年後半にCardBusやPCI拡張カードのホスト機能と、それに接続するDWAが市場に登場。2007年後半にはPCのチップセットに内蔵されるようになり、周辺機器も増加、2008年後半にはデジタルカメラ、携帯プレーヤーなどの携帯機器に展開し、2009年後半はPCを介さずデバイス同士で接続できるようになるという。

 同社の今後として、携帯デバイスに求められる低消費電力性能や、価格といった課題を徐々に解決していき、将来はMAC/PHYを統合したものを作りたいとした。市場の立ち上がり方としては、PCの拡張カードからPC内蔵、周辺機器へと展開していったUSB 2.0に似たイメージになるという。

無線LANとワイヤレスUSB。短距離と中長距離の2極化へ ワイヤレスUSB製品化のロードマップ USB 2.0市場と似た市場展開になるとの予測

 会場で行なわれたデモでは、PCIカード型のワイヤレスUSBホスト(WHCI)、Hub側にFPGA版のDWAチップを使用し、DWAに接続したUSBメモリから動画データを読み、再生させた。また、CardBus側も同様のデモを実施した。ただし、CardBusの方は免許取得が間に合わなかったため有線での実施だった。

デスクトップPCでのデモ。下のHub(DWA)に装着したUSBメモリからPCIバス用のホストを介し、動画を再生している PCIに装着されたホストコントローラ。PCI Express対応のワイヤレスUSBチップも開発していく HubにあたるDWA。今回のデモで使用されたのは大きなものだが、将来的にはもっと小型化していく
ノートPCでのデモ。なお、無線の免許がまだ取得できなかったとのことで、今回は有線で接続しているが、ワイヤレスUSBで間違いないそうだ CardBusから延びたホストコントローラ部分。PCI Express対応チップが完成すれば、ExpressCardのホストも可能になる こちらがDWA部分

□NECエレクトロニクスのホームページ
http://www.necel.com/index_j.html
□ニュースリリース
http://www.necel.com/ja/news/archive/0602/2801.html
□関連記事
【1月30日】【元麻布】期待の無線通信規格UWBの迷走
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0130/hot406.htm
【2005年9月29日】【笠原】ワイヤレスUSBデベロッパ・カンファレンスレポート
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0929/ubiq127.htm
【2005年9月20日】NECエレ、Wireless USB準拠のシステムLSI
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0920/necel.htm

(2006年2月28日)

[Reported by yamada-k@impress.co.jp]

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