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アップル、「iLife '06」の説明会を開催1月20日 開催 アップルコンピュータ株式会社は20日、11日に発表したデジタルメディアスイートの最新版「iLife '06」の説明会を同社セミナールームで開催した。 リリースによるとiLife '06の国内出荷は2月より順次と発表されているが、出荷が開始されているCore Duoを搭載するiMacにはすでにバンドルされているほか、銀座店をはじめとする直営店では、パッケージが英語表記のインターナショナル版を購入できる。iLife '06のインストールディスクは、マルチランゲージに対応する世界共通のディスクのため、日本語環境下でも利用が可能。違いはパッケージの外観が英語表記か日本語表記かという点だけなので、いち早く利用したいユーザーなら検討の余地がある。 リリースのとおり、国内価格は8,800円、5ライセンス対応のファミリーパックは10,800円。インターナショナル版も直営店では同価格で販売されている。 iLife '06のもう1つの注目点は、iLife '06を構成するすべてのアプリケーションがユニバーサル・バイナリ化されている点だ。ユニバーサル・バイナリの特徴はIntelプロセッサである「Core Duo」、そしてPowerPCの違いをユーザー側が意識することなく、まったく同一のアプリケーションが異なるプラットホームでともにネイティブ動作すること。前述したiMacにバンドルされているiLife '06も、PowerPCを搭載するMacを利用する既存のユーザーが最新版へと更新するのに利用するパッケージ版のiLife '06も、同一ディスクで同一のアプリケーションがインストールされる。
iLife '06はCore DuoとPowerPCを問わず、今後新たに出荷されるすべてのMacにバンドルされる。ただし現在店頭にある流通在庫には、旧バージョンとなる「iLife '05」がバンドルされているので、新規にMacを購入する際は確認した方がいいだろう。 iLife '06の紹介は、製品担当の川久保芳江氏によって行なわれた。同時に発表された「iWork '06」も含め、計7本のアプリケーションを1時間30分弱で紹介するため、いずれも駆け足で新機能の概要とそれぞれの簡単なデモが中心となった。 ●iPhoto 新バージョンとなる「iPhoto 6」は最大25万枚の写真を管理できるようになり、パフォーマンスが大幅に向上している。こうした大量の写真のなかから、目的とする写真を見つけやすくするため、新たにスクロールガイドが設けられた。スクロールガイドは、写真の一覧画面で、日付やユーザーが設定したロール名がシースルーで表示される。 編集機能では全画面に写真を表示しての編集が可能になったほか、最大8枚までの写真を比較する機能も追加されている。 これまでのオンラインプリントやフォトブックに加えて、カレンダーとグリーティングカードの作成がiPhoto上で可能になり、オンラインでオーダーすることができる。カレンダーは壁掛け式で、最大24カ月まで月数が選択可能。カレンダーの開始時期も、1月や4月に固定されず、任意の月を開始月に設定することができる。カレンダーの編集はテンプレートを選択して行なうことができるほか、世界各国の祝日にも対応。日付欄にも好きな写真を貼り込んだり、iCalのデータをそのまま記載することもできる。 ほかにもPodcastingのように、登録されたユーザーに対して写真を自動的に配信するする機能や、後述するiWebと連携したアルバムの共有機能などが強化されている。
●iMovie HD 6 「iMovie HD 6」では、新たにモーションテーマ(テンプレート)が追加されている。オーディオ補正ツールも新たに搭載され、ウインドノイズやカメラのモーター音をはじめ、不要な雑音のカットも可能になった。映像に追加する各種エフェクトも多数追加されたほか、リアルタイムプレビューが可能になっている。また、複数のプロジェクトを同時に編集できるようになり、プロジェクト間でのコピー&ペーストが可能になるなど、編集機能も大幅に強化されている。 またiWebと連携してビデオPodcastingの配信も可能。iMovieで直接iPod用の映像が出力できるようになったほか、内蔵のiSightカメラを使ったムービー撮影も行なえる。
●iDVD 6 「iDVD 6」はワイドスクリーンDVD作成に対応。SD、HDのいずれをソースとしても16:9のアスペクト比に対応するDVDを作成することができる。テーマは新たに10種類が追加され、いずれも4:3、16:9双方のアスペクト比に対応する。 ほかにもムービーやスライドショーの配置が的確に行なえるように、マップビューが高機能化されたほか、iPhotoのフォトブックをスライドショーとして読み込んだり、Keynoteのプロジェクトをプレゼンテーションとして読み込むことができるようになっている。 ハードウェア面では内蔵のSuperDriveだけでなく、他社製のDVDドライブにも対応。SuperDriveを含めDVD+R DL対応のドライブを利用する場合は、規格に応じた長時間のプロジェクトが制作可能になっている。
●GarageBand 3 従来バージョンとは大きく方向性が変わった機能が追加されたのが「GarageBand 3」である。これまたiPodの成功とPodcastingの普及を受けて、Podcastの制作を容易にするフィーチャーが大幅に追加されている。 従来版の音声トラックに加え、アートワークトラックが追加。音声に合わせた画像を任意に表示可能とした。著作権フリーのサウンドエフェクトは200種類以上、ジングルも100種類以上が用意されている。Macの内蔵マイクを使って、録音した音声を聞き取りやすいラジオのアナウンサー風に補正するラジオエンジニア機能や、音声トラックが重なるとBGMやサウンドエフェクトを抑制する機能など、容易にPodcasting用のファイルを制作するアイディアが追加されている。 デモされることはなかったが、iChatを使ったインタビューを直接GarageBandで録音する機能も追加された。iChat参加者の音声はそれぞれ別のトラックで録音されるので、個別に補正を加えることもできる。トラックの識別はiChatのアイコンが使用され、話し始めると同時にスナップショットが記録され、アートワークとなる仕組みだ。GaregeBand 3でも、やはりiWebと連携してPodcastingの公開が行なえる。
●iWeb iLife '06から新たに追加されたアプリケーションが「iWeb」。HTLMタグなどは一切意識することなく、あらかじめ用意された12種類のテンプレートとそれぞれ6種類のサブセットを組み合わせて、ドラッグ&ドロップで自分のWebサイトが構築できる。作成したサイトは.Macとの連携で、ボタン1つをクリックするだけで公開が可能。 コンテンツには、BlogやPodcastingなど人気のメニューが用意されている。これまで紹介したようにiPhoto、iMovie、GarageBandなどから、直接コンテンツを追加できる。 ●iWork '06 「Keynote 3」、「Pages 2」へそれぞれバージョンアップされたiWork '06。国内向けには2月からの流通が予定されているが、iLife '06と同様にインターナショナル版が直営店で入手可能だ。価格は8,800円で、5ライセンスのファミリーパックは10,800円。出荷が開始されたCore Duo搭載のiMacには、30日間の試用版が同梱されている。さらにiLife '06のパッケージにも30日間試用版が同梱される。 Keynote 3には、従来バージョン以上に充実した数々のトランジションが追加された。そのほか3Dチャート機能を新たに搭載。大理石や木材、メタルなど特徴的なテクスチャで3DグラフがKeynote上で作れる。この3Dグラフは、先日開催されたMacworldにおけるスティーブ・ジョブズCEOの基調講演でもたびたび登場していた。 ほか、iPhotoの写真をKeynote上で編集する機能や、ベジェ曲線のサポートなどが追加されている。さらにKeynoteでのカリキュレーションやプレゼンテーションには表示されないメモをスライドに残す機能や、すべてのスライドを見渡すことができるライトテーブルビューなどが追加されている。 Pages 2には、60種類の新しいテンプレートが用意されたほか、アドレスブック連動メールマージ機能や、ページサムネールの拡張や検索ビューなどが追加されている。
□アップルのホームページ (2006年1月20日) [Reported by 矢作晃]
【PC Watchホームページ】
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