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Apple、新製品開発担当者インタビュー
「多少の障壁はあってもパワーは必要」

左から、チュラニ氏、フレージャー氏、ケリス氏


 Mac Worldでの発表を受けて、国内でも開発担当者とのインタビューが行なわれた。

 今回は、テクニカルマーケティング担当ディレクターのリチャード・ケリス氏、ワールドワイドプロダクトマーケティング ポータブル担当シニアプロダクトマネージャーのリンダ・フレージャー氏、ワールドワイドプロダクトマーケティング コンシューマーデスクトップ担当シニアプロダクトマネージャーのジャイ・チュラニ氏の3氏にお話を伺った。

 担当としては、ケリス氏がソフトウェア、フレージャー氏がMacBook Pro、チュラニ氏がiMacとなる。

 まず、チュラニ氏にiMacのプレゼンテーションを受けた。プレゼンテーションの内容は、Intel Core Duo搭載による高速化が中心で、Mac OS Xがネイティブで動いていることも強調されていた。


Q「基本的なところから始めたいのですが、やはりCPUパワーというのは必要なものなんでしょうか。昨年10月に発表されたiMac G5はかなり完成度の高い製品だったと思うのですが、CPUプラットフォームの乗り換えという代償を伴ってまでもCPUパワーが必要だという判断の理由を教えてください」

A「何年も前のように、Webブラウザやワープロを使っているのであれば、ある程度のCPUパワーで満足できますが、すでにコンピュータの使い方は大きく変わっています。たとえば、ビデオや写真の視聴や加工、DVDのライティングなど、CPUパワーはいくらでも必要です。

 また、私たちは常に最速を求めていますし、ベストのパーソナルコンピュータを求めているのです。

 バイナリの変更というは、確かに負担ではありますが、さきほどプレゼンテーションでもお見せしたように、新しいiMacは代表的なベンチマークで2倍、アプリケーションによる比較でも50〜250%の高速化を実現しました。これは、多少の代償を考えても十分に満足の行く結果だと思っています」

Intel Core Duoの採用により性能が向上 新iMacの主な特徴と価格 発表会場に展示されていた新iMac

Q「CPUの仕様の表記にはクロックスピードを使っていて、Intelが使っているプロセッサナンバによる表記を使っていませんが、これは理由があるのですが」

A「クロックスピードは、シンプルな数字であり、ユーザーに直接伝わります。私たちが常に考えていることは、ユーザーが求めていることを考え、それに対してきちんと応えることです。クロックスピードの方がシンプルでわかりやすいでしょう」

Q「CPUについてはクロックスピードまで公開されていますが、チップセットについては公開されておらず、ブロック図などでもコントローラとのみ表記されています。たぶん、Intel製だと思うのですが、これは非公開ですか」

A「チップセットは、Intelの945 Expressです、別に非公開ではありませんが、チップセットの情報を必要とする人は少ないので公開していません。CPUクロックやアプリケーションの内容などの方が関心を寄せる人は多いのです」

Q「昨年の10月というiMac G5の発表時期からすると、今回の製品はインターバルが短く、悔しい思いをしているユーザーもいると思います。ちょっと短すぎませんか」

A「それは、我々がハードワークをこなしたという証拠です(笑)。短期間によりよいものを作るためにたいへんなハードワークをこなしました」


 続いてフレージャー氏にMacBook Proのプレゼンテーションを受けた。Intel Core Duoのブロック図などiMacと類似した図が多く、両者の近さを感じた。また、Apple Remoteについては、プレゼンテーション操作をリモコンで行なうという用途が示された。

Q「MacBook ProもチップセットはIntel 945 Expressですよね」

A「そうです。Intel Core Duo搭載をはじめとして、共通点も多くあります。ただ、異なっているのはMacBook Proがポータブルな製品だということであり、薄型軽量なボディにすてきな機能を詰め込んでいます。Intel CPUになって、速度は一般的なベンチマークソフトでG4の4倍、アプリケーションでも1.7〜4.1倍向上しました」

Q「外観上は従来のPowerBookのイメージを受け継いでいますね」

A「この製品のテーマは“New body, New Processor, Same Soul”です、使いやすさと機能性を考えれば形は自ずから決まるものです」

Q「液晶が明るくなってますね」

A「液晶は従来比で67%も明るくなりました。これは多くユーザーから要望を受けていたところです」

新MacBook Proの主なスペック MacBook Proの主な特徴と価格 発表会場に展示されていたMacBook Pro

Q「バッテリと駆動時間について教えてください」

A「バッテリは60W/hのリチウムポリマーです、駆動時間についてはテスト中で、まだ正式な数字は出ていません」

Q「HDDは2.5インチですか、インターフェイスがシリアルATAの2.5インチHDDはまだ珍しいですね」

A「はい、2.5インチです、HDDについては同じ100GBでも5,400rpmと7,200rpmのものが選べるなど、用途と容量によって選択肢を広げています。また、独自の保護機構と新しく採用されたMagSafeコネクタの組み合わせでHDD内のデータの安全性を高めています」

Q「インターフェイスについてはFireWire 800がなくなるなど、すこし変わっていますね」

A「私たちがいつも考えているのは、ユーザーが何を求め、どう使っているかです。FireWire 800については今回は外しましたが、FireWireのコネクタはきちんとありますし、FireWire 800の製品をつなぐこともできます。

 インターフェイスについては、光デジタルオーディオの入力と出力を両方備えていますし、DVIによるシネマディスプレイへの接続など、とても充実した製品だと思います」

Q「無線LANですが、IEEE 802.11aに対応する予定はありますか。また、12インチと17インチのMacBook Proも当然出てきますよね」

A「すみません、未発表製品や未来の技術についてはコメントできません。ごめんなさい」

Q「iSightカメラの内蔵はいいですね」

A「iMacにもついていますが、ポータブルなMacBook Pro本体だけで、いつでもビデオチャットができるのは、とても新鮮な体験です、ぜひ試してみてください」


 最後にケリス氏がプレゼンテーションを行ないながら質問に答えてくれた。

 プレゼンテーションはiWorkからはじまったが、特にiPhotoとiMovieについて丁寧に説明された。iPhotoはCPUの強化も相まって、スクロール速度が大幅に向上している。また、画像の全画面表示ができるようになった。ちょっと、使ってみたいと思わせる仕上がりだ。

Q「このカレンダーやカードのプリントアウトサービスは、日本でも、もうやっているんですか。納期どれぐらいかかるんでしょう」

A「ええ、やってますよ。納期は(ちょっと確認して)2週間ぐらいですね。カレンダーとかの写真もきれいな仕上がりでしょう。デジカメは使ってますか」

Q「ええ、使ってますよ。いま手元にある画像は5年分で42,000枚ぐらいですね」

iLife '06に含まれるiPhoto

A「ああ、それなら今度のバージョンなら、十分に管理できますよ。上限は25万枚になりましたから」

Q「このiPhotoの入っているiLife '06は、Universalマークがついていて、PowerPCとIntel Coreの両方に対応していますが、これは昔のFat Binaryみたいに1つのファイルに2つのバイナリが入っているんですか、それともインストール時にCPUを見分けて対応のバイナリだけ入れているんですか」

A「えーと、どちらかというと後者だね。両方のバイナリがいつも入っているわけではない」

Q「ちなみにPowerPC用のアプリを動かしているRosetta(ロゼッタ)は、エミュレータじゃないですよね」

A「Rosettaはエミュレーションではなくて、トランスコードだ。ネイティブなバイナリに変換するので、アプリケーションが実用的な速度で使える。また、アプリの使い方も、従来通りクリックして起動するだけで、特別な操作を覚えることなく、これまで通りのイメージで使える。ぜひ、試してください」


 Rosettaを始めとするPowerMac用のバイナリについては、筆者の技術力不足もあって、あまりつっこんだ質問ができず悔いが残る。ジョブズCEOの基調講演では、Photoshopを起動する際に、やや待たされる様子ながらも「プロの仕事には向かないが、ときどき使うぐらいなら、十分に使用できる」と語っていた。

 予想よりも早い時期に登場したIntelプラットフォームのMacintoshだが、特にMacBook Proについては、かなり魅力的な製品に仕上がっている。2月に予定されている出荷開始時に、潤沢に製品が出回ることを期待したい。

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【1月11日】アップル、Intel Core Duo搭載の「MacBook Pro」
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0111/apple2.htm
【2005年6月15日】【海外】PCとゲーム機で鍵となるバイナリ変換技術とエンディアン変換
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0615/kaigai190.htm

(2006年1月11日)

[Reported by date@impress.co.jp]

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