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ヨドバシカメラ、マルチメディア横浜本日オープン
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旧三越を全面的に改装。改装費用だけで100億円かかったという |
11月17日 公開
●店内を報道関係者に公開
ヨドバシカメラが、18日にオープンを控えた、横浜駅西口前のヨドバシカメラマルチメディア横浜の店内を報道関係者を対象に公開した。
藤沢昭和社長が会見の挨拶で、「ゴミ捨て場のようなところをお通しして申し訳ない」と冗談を飛ばしたように、これまでの新規店舗の開店時に比べてもドタバタ状態で準備が進んでいるのは明らか。実際、17日午後5時を過ぎても、メインの入口になると見られる地下1階入口の看板を準備しているという状況。
メインの入口になると見られる地下街「ザ・ダイヤモンド」と直結する地下1階入口。開店前日夕方に看板を取り付けていた | 開店前からゴールドポイントカードの受付を地下1階と1階で実施。多くの人が申し込んでいた |
「まわりの店舗などにご迷惑が掛からないように日中の作業を少なくしたことや、9月に秋葉原の店舗をオープンしたばかりで、その後に作業を開始したこと、さらにはエスカレータやエレベータ、空調などをすべて入れ替えるという大手術をしたのも要因の1つ」(藤沢社長)と、大規模な改装を短期間に行なったのが理由のようだ。
それでも、「明日の午前9時30分の開店時には、お客様をお迎えできる体制を整えられる」と、新規店舗のオープンに意欲を見せた。
店長には、松井昭二郎取締役が就任。従業員数は約500人、売り場面積6,500坪は、秋葉原の店舗の7,500坪に続いで2番目の大きさ。大阪・梅田の店舗と同規模となる。
「秋葉原では新規出店ということもあり500億円を年間売り上げ目標としたが、横浜では23年程前から小規模店舗を出店しており、実績もある。同じく500億円を目標にする」(松井店長)とした。
ヨドバシカメラ 藤沢昭和社長 | ヨドバシカメラ マルチメディア横浜店店長 松井昭二郎氏 |
フロアは、地下2階から8階までの10フロア構成。そのうち、7階から地下1階までヨドバシカメラが入居。すべてのフロアをエスカレータで行き来できるようにするとともに、約60万アイテムの品揃えを実現しているという。
8階はレストラン街、英会話教室が入居し、12月下旬のオープン。地下2階はレストラン街として、15店舗の飲食店が入居。7階の一部には専門店フロアとして、ゴルフショップ、紳士服売り場などが入る。
7階フロアはゴルフショップなどのテナントが入居。試打コーナーもある | 同じく7階には、ネイルサロンを設置し、女性が楽しめる売り場作りも | 7階の一部はヨドバシカメラの店舗。DVD/CDソフトなどコーナーを設置 |
6階はゲーム、おもちゃのコーナー。年末に向けて品揃えを強化中 | ガシャポンも横浜一の品揃えを目指す |
ヨドバシカメラの店舗では、マルチメディアAkibaで初めて取り組んだブランド別展示も踏襲。「秋葉原の店舗で学んだことを、新店舗で生かした。マルチメディアAkibaがブランド別展示の実験的意味合いがあったが、横浜の店舗は、ブランド別展示をさらに進化させた店舗と位置づけてもいいだろう」(松井店長)と語る。
新店舗での進化とは、ブランド別展示と、商品別展示をうまく組み合わせたことだ。
「例えば、ブランド別展示では、ミニコンポやアイロンといった製品がどうしても埋もれてしまう傾向にある。ブランドを強く訴えられる製品はブランド別展示に、そうではない製品は製品別展示として、それぞれに存在感を出す」(藤沢社長)というわけだ。
横浜での取り組みが成功すれば、同様の手法を、逆に秋葉原の店舗にも持ち込むことになるという。
5階は生活家電、照明のフロア。秋葉原の店舗同様に、基本はメーカー別展示となっている | ナショナルでは、生活空間をショールームのような形で再現。家電売り場ではナショナルだけの展示方法 |
4階フロアは音と映像のフロア。ソニー、松下電器、シャープが、エスカレータまわりに、ほぼ均等にフロア面積を割いて製品を展示。各メーカーごとに製品の特性にあわせた展示を行なっている |
ミニコンポなどはブランド別展示から除外。製品別展示で訴求する | プロジェクターのコーナーも製品別展示として独立 | プロジェクター、ミニコンポ、デジタルミュージックプレーヤーは製品別展示。4階には9社のブランド別展示が行なわれている |
3階のPC周辺機器のフロア。サプライ製品の品揃えにも力を注いでいる | マザーボードなどの展示も充実させており、自作ユーザーにも注目の店舗といえる |
3階には女性向けの大型のトイレが置かれる。秋葉原の店舗よりも充実させたという。これはおむつ台 | こちらはパウダールーム。座りながら利用できる | エスカレータは秋葉原に比べると小さいが、地下3階から8階まで通じている。これも新設した |
2階のカメラ、時計フロア。現像のための薬品などもある。藤沢社長は「20年以上前から横浜に出店しており、銀塩カメラユーザーがたくさんいるため欠かせないコーナー」と語る | デジカメ売り場は、初心者向け、手ぶれに強い、プレゼントにおすすめなどのユニークな用途別展示 |
また、特徴的なのは、1階のPC売り場において、本体の展示台数を増やしていることだ。
松井店長は「本体の展示台数に関しては、2割程度多いだろう」と、PC本体に力を入れていることを示す。
この背景には、年末商戦に向けて各社から新製品が出揃ったという点もあるが、かつて松井店長自身が、PCをはじめとする情報機器の仕入れに長年関わっており、これら製品に対する思い入れが強いという点が見逃せない。
松井店長ならではのカラーが、このPC本体の展示数の増加につながっている。
1階のPC売り場。VAIOコーナーが最大規模。この展示台で5つ分をすべてVAIOとした | 「VAIO・OWNER・MADE」のコーナーも充実 | 取り扱いを開始したeMachinesのコーナーも |
PC本体の展示は、秋葉原の店舗よりも充実。PC本体の展示数量は2割ほど多い | 地下1階からの入店は約8割を占めると予測。秋葉原の店舗では1階に置かれていた携帯電話売り場を地下1階においたのは最も入店が多い場所に設置するという秋葉原の店舗と同様の考え方からである |
一方、今回の店舗では、駐車場がないという特徴があり、秋葉原、梅田の店舗とは異なる構成となっている。
横浜駅から地下街を経由して雨に濡れずに入店できる。旧三越の店舗を全面改装。地下街の案内板には、まだ三越と表示されていた |
藤沢社長は、「確かに、駐車場がない点はこれまでの店舗とは違うが、JR、私鉄、地下鉄、バスとあらゆる交通機関があり、さらに雨の日でも駅から濡れずに店舗に入れる。店舗のまわりには、狭い道や一方通行、行き止まりも多く、無理矢理駐車場を作っても、まわりに不用意に交通渋滞を招く結果になりかねない。その点も配慮して、駐車場の設置は見送った」と説明する。
松井店長も、「近隣の駐車場と契約するという手もあるが、そのあたりの対応は、実際には、店を開けてみてから判断したい」と、当面は、ターミナル性を生かした公共交通機関を生かした集客を図る考えだ。
「横浜駅で、1日195万人もの乗降客があるという。店舗への来店も1日平均10万人程度を見込みたい」(藤沢社長)としている。
商圏は神奈川県全域としているが、「町田、上大岡、川崎の各店舗もそれぞれに十分な品揃えを持っており、これら店舗への影響はほとんどないだろう」(藤沢社長)と予測している。
なお、同社は、横浜駅周辺に横浜AV・家電総合館、横浜ゲーム・ホビー館、横浜駅前店の3店舗の小規模店舗を出店していたが、全店舗とも11月15日に閉店しており、横浜駅前店のみ改装後、1階店舗だけ営業する予定。
□ヨドバシカメラのホームページ
http://www.yodobashi.com/
□ヨドバシカメラ マルチメディア横浜のホームページ
http://www.yodobashi.com/enjoy/more/yokohama/index.html
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(2005年11月18日)
[Reported by 大河原克行]