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Intelフェロー ラトナー氏、未来に向けた研究開発内容を解説

ジャスティン・ラトナー氏

11月8日 開催



 米Intelでシニア・フェロー兼コーポレート・テクノロジ統轄本部長を務め、同社の研究開発をとりまとめるジャスティン・ラトナー氏が8日来日し、10年程度以内に実現を目指す新技術について語った。

 内容は多岐に渡るが、基本的に8月に米国で行なわれたIntel Developer Forumのものを踏襲したものなので、ここではそのうちいくつかをピックアップしてお伝えする。

プラットフォームカンパニー化したIntelの研究開発の概要

 まず、ラトナー氏は、同社のプラットフォームカンパニー化について言及。1月に実施された組織改編以降、同社はプラットフォームの革新と開発を目指すことを事業の基軸にすることを繰り返し訴えているが、ラトナー氏は、これに伴い研究開発も、シリコン技術をベースとすることは変わらないが、その目標はエンドユーザーへのプラットフォームとしてのソリューションの提供に変わってきていると述べた。

 研究開発内容の1つとして語られた「メニー・コア」については、今後5~10年の間に10コア、20コア、30コアやそれ以上のコアを内蔵したCPUを実現すると説明。また、それに合わせて、複数のメモリロケーションを同時に更新する「Virtual Transaction Memory」技術を開発中で、高度にスレッド化されたアプリケーションの開発を簡易化させるとした。

 同社が行なった実験によれば、1個から64個までコアの数を増やしていった場合、異なる種類のアプリケーションにおいて、その多くはリニアに性能が伸びるが、そうでないものもあるという。

 この問題の解決法の1つとしてラトナー氏は、シングルスレッドに特化したコアとマルチスレッドに特化したコアを組み合わせて内蔵させる可能性があるだろうとした。ただし、全てのコアは同じ命令セットに対応した、「ホモジニアス(同種型)」を採用し、異なる種類のコアを混合させる「ヘテロジニアス」は採用しないとの考えを示した。

高度にスレッド化されたアプリケーションの開発を簡易化させるため、「Virtual Transaction Memory」を開発 多くのアプリケーションはコアの増加に応じて性能がリニアに上がるが、その半分程度の性能に留まるものもある

 このほか、ややPCからは離れるが、人間の行動を推論するプラットフォームの研究についても紹介された。これは、加速度、方向、音声、光、湿度、気温、温度などの各種センサーを内蔵したデバイスで、これを身体に装着することで、寝ている、歩いている、走っている、運動をしているなど15の行動を90%以上の精度で検出できたという。

 同社では介護など、新たに5つの主要事業分野の1つに据えたヘルスケア分野での応用を考えており、シリコンとセンサーの新たな用途、ビジネスとしての展開を目指す。

各種のセンサーにより、人間の行動を推論するデバイスを開発 その試作機

□Intelのホームページ(英文)
http://www.intel.com/
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(2005年11月8日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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