ナナオの21.1型液晶「FlexScan S2110W」
〜1,680×1,050ドット表示可能で10万円を切る



FlexScan S2110W

 PCのディスプレイの主役が、CRTから液晶に変わって久しい。液晶ディスプレイも、当初は14〜15型程度が中心であったが、年々大型化が進み、現在は17〜19型クラスが主力となっている。アップルコンピュータのCinema Displayシリーズのように、最大30型の大型液晶ディスプレイも登場した。現在15〜17型クラスのSXGA液晶ディスプレイを利用している人で、より大きく解像度の高い液晶ディスプレイに買い換えたいと思っている人も多いことだろう。

 そんなユーザーへの朗報が、ナナオから登場した21.1型液晶ディスプレイ「FlexScan S2110W」だ。FlexScan S2110Wは、同社の直販サイト「EIZOダイレクト」専用モデルではあるが、99,750円という低価格を実現していることが魅力だ。

 今回は、FlexScan S2110Wを試用する機会を得たので、早速レビューしていきたい。なお、今回試用したのは、正式出荷品ではないため、正式出荷品とは細部が異なる可能性がある。


●FlexScanシリーズ初のワイドフォーマット対応製品

 FlexScan S2110W(以下S2110W)は、1,680×1,050ドット表示が可能な21.1型液晶ディスプレイである。画面のアスペクト比は16:10で、FlexScanシリーズとして初めてワイドフォーマットに対応した製品となる。

 筐体は、直線を活かしたデザインで、質感も高い。円弧状のスライド機能を搭載した曲線の「ArcSwing2」と名付けられたスタンドを採用しており、高さやパネル角度(チルト角)を自由に変更できることが特徴だ。上下の昇降幅は95mm、チルト角は下5度、上60度の範囲で変更できる(上下とチルト角は連動して変わるため、別々に変えることはできない)。

FlexScan S2110Wの前面。シンプルなデザインに好感が持てる 背面の様子。背面もすっきりしたデザインだ
背面には、盗難防止用のケンジントンロック用の穴が用意されている 電源回路を内蔵しているので、ACアダプタは不要だ
側面の様子。ディスプレイを一番上に上げると、このように垂直になる ディスプレイは、円弧状にスライドさせることができる ディスプレイを一番低くした状態。ディスプレイの高さとチルト角は連動して変わる

 また、台座部分には、左右のスウィーベル機構が搭載されており、右172度、左172度の範囲で回転可能だ。ボディカラーは、「ホワイト&シルバー」と「ブラック」の2色が用意されている。

 額縁サイズも比較的狭く、21.1型液晶ディスプレイとしては設置面積も狭い。横幅は501mmなので、通常のデスクの上にも十分置ける。電源回路も内蔵されているので、ACアダプタ不要で、直接ACケーブルを接続すればよいことも嬉しい。

 入力端子としては、2系統のDVI-I端子を搭載。DVI−DVIケーブルと、D-Sub15ピン−DVIケーブルの2本のケーブルが付属しているので、DVI出力を持たないPCにも対応できる。また、2ポートのUSBハブ機能も装備しており、iPod ShuffleなどのUSBデバイスを、パネル左側面のUSBポートに直接接続することが可能だ。

台座部分は円形で、スウィーベル機構が内蔵されている 入力端子として2系統のDV-I端子を装備。デジタル出力にもアナログ出力に対応可能
DVI−DVIケーブルと、D-Sub15ピン−DVIケーブルが付属する USBハブ機能を搭載しており、パネル左側面にUSB2.0ポートを2基装備している

●コントラスト比1,000:1、輝度450cd/平方メートル、応答速度8msを実現

 まず、液晶ディスプレイとしての基本能力を見ていこう。コントラスト比は1,000:1、最大輝度は450cd/平方メートルと、いずれもトップクラスの数値を誇る。視野角は水平、垂直ともに178度と広く、色再現性も高い。内部でのデータ処理を14bitで行なっていることもあり、表示品位に関しては、十分満足できる。

 さらに、動画表示性能を高めるために、液晶TVなどに搭載されているオーバードライブ回路を装備していることも特筆できる。オーバードライブ回路は、通常よりも電圧を高め(または低め)にかけることで、液晶の応答速度を改善する技術である。S2110Wの応答速度は、8ms(中間調領域)と高速であり、DVD-Videoなどの動画再生時やアクションゲームなども残像感の少ない映像を楽しめる。

 WSXGA+表示(1,680×1,050ドット)では、XGA表示(1,024×768ドット)に比べて、一度に画面に表示できる情報量は約2.24倍になるので、複数のウィンドウを同時に開いても、快適な作業が可能だ。

 なお、ビデオカードによっては、1,680×1,050ドット出力に対応していない可能性もある。基本的に、最近のNVIDIAやATI TechnologiesのGPUを搭載した製品なら、問題なく利用できるようだが、ナナオのサイトにビデオカードの互換性情報が掲載されているので、チェックしておくとよいだろう。

 今回は、GeForce 6600 GT搭載ビデオカードでテストを行ったが、DVI出力、D-Sub15ピン(アナログRGB)出力ともに、問題なく1,680×1,050ドット表示が可能であった。

暗い部分から明るい部分まで、はっきりと表示されている 視野角も広く、斜めから見ても色度変化が小さい 1,680×1,050ドットのリアル表示。XGA表示に比べて、一度に表示できる情報量は約2.24倍にもなる

●静電容量式のタッチセンサーを採用

 S2110Wでは、ディスプレイ下部に静電容量式のタッチセンサーを8つ(電源スイッチも含む)装備しており、OSDを利用して画質などの調整が可能だ。ボタンが目立たないのはデザイン的には好ましいが、どのボタンがどの役割を果たすのか、慣れるまでやや把握しにくい。

 画質調整機能は豊富で、輝度や色温度、ガンマ、色の濃さ、色合い、ゲインなどを自由に変更できる。色温度は、4,000K〜10,000Kの範囲で500K刻みと、9,300Kの14段階に設定可能だ。また、光の3原色であるRGBとその加法色(YCM)を別々に、色相、彩度を調整できる6色独立調整機能も搭載するなど、こだわりが感じられる。

タッチセンサーを搭載しており、ボタンが目立たないデザインになっている OSDにより、画質を細かく設定することができる 輝度や色温度、色の濃さ、色合い、ゲインなどを変更可能

●アスペクト比を保ったままの拡大や実解像度表示も可能

 S2110Wは、1,680×1,050ドットのワイドフォーマットに対応しているが、ビデオカードやアプリケーションによっては、アスペクト比4:3の解像度で出力されることもあるだろう。その場合、実解像度で表示するか、アスペクト比を保ったまま拡大するか、あるいは強制的にフルスクリーンで表示するか(アスペクト比が変わるので、表示が横長に伸ばされるか)を選択できることも嬉しい。低価格な液晶ディスプレイでは、こうした選択はできず、強制的にフルスクリーン表示されてしまうことが多い。

 また、拡大表示時のエッジのスムージング強度を5段階で選択できるほか、実解像度表示やアスペクト比を保ったままでの拡大表示時の余白のグレースケール輝度も変更できるなど、いたれりつくせりだ。さらに、USB接続により、付属ユーティリティの「ScreenMangaer Pro for LCD」を用いた、PC側からの画質調整も可能だ。

拡大モードを「フルスクリーン」(アスペクト比は変わる)、「拡大」(アスペクト比は変わらない)、「ノーマル」(実解像度表示)から選択できる 拡大モードを「ノーマル」に設定して、XGA(1,024×768ドット)出力を行ったときの様子。実解像度で表示される 拡大モードを「拡大」に設定して、XGA(1,024×768ドット)出力を行ったときの様子。アスペクト比を保ったまま拡大されるので、左右に余白ができる
拡大モードを「フルスクリーン」に設定して、XGA(1,024×768ドット)出力を行ったときの様子。画面一杯に拡大されるので、表示は横長になる 余白部分のグレースケール輝度の変更も可能。この場合は輝度は低めにしている 余白部分の輝度を最大に上げた状態

●コストパフォーマンスが高く、長く使える製品

 S2110Wは、ディスプレイメーカーとして定評のあるナナオの製品だけあって、基本性能、デザイン、使い勝手ともに優秀である。解像度が同じで、実売価格も同程度のアップルコンピュータの「Cinema Display 20インチ」あたりがライバルとなるだろうが、輝度やコントラスト、応答速度といった基本スペックは、S2110Wが上回る。WSXGA+表示が可能な液晶ディスプレイとしては、トップクラスのコストパフォーマンスといえる。16:10のワイドフォーマット対応なので、DVD-Videoの再生にも最適だ。

 また、5年間の長期保証に対応していることも評価できる(液晶パネルおよびバックライトの保証期間は3年間)。これだけの解像度があれば、通常の利用で不満を感じることはまずないだろう。15〜17型クラスの液晶ディスプレイから買い換えたいという人はもちろん、新規で液晶ディスプレイを購入しようと思っている人にもお勧めだ。

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【6月29日】ナナオ、WSXGA+対応の21.1型液晶ディスプレイ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0629/nanao.htm

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(2005年8月15日)

[Reported by 石井英男]


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