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綜合警備保障、屋内警備用ロボット「ガードロボD1」
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6月23日発表
6月23日、綜合警備保障株式会社は、人間と連携して警備にあたる巡回警備ロボット「ガードロボD1」を開発したと発表し、記者発表会でデモを行なった。
「ガードロボD1」は高さ約1m8cm、重量90kg。30cm/secで移動。車イス用のスロープなどを登ることができる。登坂角度は±5度程度。90Wのモーターをもち、バッテリはDC24Vリチウムイオン電池。充電は接点接触式で、ロボットが自動で行なう。連続稼働時間は1.5時間。バッテリ交換にも対応する。外装はFRP。
あらかじめセットしたルートに沿って巡回警備を行なうことが主たる用途で、レーザーレンジセンサー、超音波センサーなどで人体検出を行なうほか、火災や漏水などの検知センサーを持つ。カメラ画像を内蔵レコーダーに録画するだけではなく、警備センターに無線LANを使って送信することができる。またエレベーター乗降時にも無線LANを使用して命令を送る。
ALOSKガードロボD1 | カメラはパン/チルトできる | 一番下の切り込み部分がレーザーレンジセンサー。後ろにもある |
人間と比べるとだいぶ小さい | ガードマンを連想させる外装が目を引く背面 |
ガードロボD1は、本来そこにないはずのモノや人がいればそれを「異常」と判断する。ただし「異常」の判断はロボット単体だけではなく、警備センター側で人間の警備員がロボットから送られてきた情報を見て判断、必用に応じて行動する仕組み。従来の人間による警備、センサーや固定カメラを使った機械警備を補う形で運用される。
繰り返し作業や客観的記録能力はロボットのほうが高いが、人間は変化する状況に対しフレキシブルに対応できる。同社では両者を連携させることで警備業務を充実させることを狙う。
オプションとして、RFIDリーダーや消火器などを搭載することもできる。記者発表会では、不審人物や不審物を発見したり屋内備品を確認するデモのほか、オプションの消火ユニットを使って初期消火活動を行なう様子が披露された。
【動画】警備を開始するガードロボD1。本来誰もいないはずの時間・場所に人間を発見をすると不審人物と見なされる | ロボットは人間を追跡する。移動しながら人物を発見し追いかけることができるようになったのは技術的進歩だという | 消火器を確認する。あるはずのものを確認することも警備業務の1つ |
不審物を発見する | ロボットの撮影した画像は一覧して見ることができる | 作業が終了すると自分で充電しに戻る |
屋外での消火デモの様子。オプションの消火ユニットを背負ったガードロボD1 | 消火ユニットの中身は普通の消火器が2本収められている | 腕は曲げられる |
デモの様子。なお、デモは遠隔操作で行なわれた | 【動画】狙いはやや外れてしまっている。カメラ画像越しに人間が狙いをつけるのは難しいようだ | 消火器噴霧直後。報道陣も逃げ出すほど周囲は真っ白けになるが、ロボットの後ろに立った綜合警備保障のガードマンは微動だにしない |
ALSOKは23年前、'82年からロボット開発を始めた企業。前機種「ガードロボC4」は2002年から販売開始され、警備以外に案内、受付業務をこなすことができた。また現在開催中の愛・地球博(愛知万博)では計6台の「ガードロボi(アイ)」を実装運用中だ。今回発表のガードロボD1は、屋内警備だけに特化したものとなっている。
警備は、現場に人がいることで抑止力になる。だが常駐警備は労働集約性が高く、警備員の負担やコストも高い。いっぽう、常駐警備は巡回など繰り返し業務が多く、状況も特定しやすいためロボットの適用には向いている。
綜合警備保障 常務執行役員 警備運用副本部長 萩原宏樹氏 |
なお、通常の常駐警備で警備員が行なっている業務は、侵入者検知、漏水検知、火災検知、不審物検知、施錠確認、階段巡回の6つ。このうち施錠確認と階段巡回はロボットにはできないが、綜合警備保障では、ロボット導入によって、警備員の負担軽減と無警備時間帯の補完ができるとしている。
1年以内にALSOK警備インフラの一部としての導入を目指すが、まだ販売は考えていないという。将来的には大人数での警備を行なっている場所、超高層ビル、テナントビル、ホテル関係などへの導入を目指す。開発コストを除けば、人に置き換えるだけのコストメリットはあるという。
同社の萩原宏樹 常務執行役員は、「人とロボットがそれぞれの持ち味を生かしながら新しい常駐警備の形を作っていきたい。世の中の治安が悪化している現在、セキュリティニーズは高まっている。社会のニーズに応えていきたい」と述べた。
□綜合警備保障のホームページ
http://www.alsok.co.jp/
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0722/secom.htm
(2005年6月24日)
[Reported by 森山和道]