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Orion、96ノードの“パーソナルクラスタ”を国内発売
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DS-96 Deskside |
5月18日 発表
米Orion Multisystemsは18日、デスクサイドに設置可能な小型クラスタワークステーション「DS-96 Deskside」を日本市場に投入すると発表した。
コリン・ハンター氏 |
発表にあわせ、Transmetaの元共同創業者で、現在はOrionの社長兼CEO(最高経営責任者)のコリン・ハンター氏が来日し、製品の解説を行なった。
DS-96は、1.2GHz駆動のEfficeonプロセッサ搭載ボードを最大96ノード内蔵可能なクラスタシステム。各ノードは、CPU、DDRメモリスロット×1、サウスブリッジ、Gigabit Ethernet、IDEインターフェイスを装備し、他のノードとGigabit Ethernetで接続される。
メモリは各ノードごとに最大2GB、HDDは100GB(2.5インチ)を搭載可能で、システム全体では最大メモリ容量192GB、最大HDD容量9.6TBとなる。このほか、MOBILITY RADEON 9000(64MB)、CD-RW/DVD-ROMコンボドライブなどを装備する。
OSはLinuxカーネル2.6.6ベースのFedora Core 2。ピーク性能は230GFLOPS、持続性能は110GFLOPS。
96ノードという大規模なシステム構成ながら、本体サイズは43.18×68.58×63.5cm(幅×奥行き×高さ)と、デスクトップPCより1周り大きい程度の小型化を実現した。重量は約68kg。
各ノードはこのような小型のボード | 各ノードはProcessor Arrayと呼ばれるマザーボード上に12基搭載される | DS-96にはProcessor Arrayが8枚収容可能で、計96ノードとなる |
ブロックダイヤグラム | 利用シーンのイメージ。本体は事務机のキャビネット程度のサイズ | 欧米では12ノード対応のラックマウント型も発売されている |
ハンター氏によれば、DS-96は個人作業で高性能を必要とする研究者や開発者、クリエーターなどをターゲットとしており、“パーソナルスーパーコンピュータ”を標榜している。
ターゲットマーケット |
従来の一般的なクラスタシステムが多数の筐体で構成されるのに対し、DS-96は1体のケースに収まり、電源、キーボード、ディスプレイなども1つで済むため、一般的なPCと同等の使い勝手で利用できるのがメリットという。また、標準技術のみを採用しているため、アプリケーションも既存のものが容易に利用できる。
また、消費電力は1,500Wとクラスタシステムとしては低く抑えられ、コンセントも一般的なものが利用できるほか、CPUはファンレスで、ケースに4つの大型低回転ファンを備えるのみで、音圧も50dBAに抑えた。
CPUにEfficeonを選択したのは、「CPUのクロックを上げるのではなく、並列性を高めることで性能を向上させるという現在のコンピュータ業界の方向性を鑑みたとき、ワット当たりで最大の性能を出せるのがEfficeonだったため」という。ただし、Efficeonは64bitに対応しないため、将来リリース予定の64bit対応製品ではAMDのモバイルプロセッサを利用する予定があるという。
国内では、直販も予定しているが、現在ディストリビューターと交渉中で、来月にも正式ディストリビューターが決まる見込み。また、日本にマーケティングオフィスを構える予定もあるという。
価格はメモリやストレージなどによって変化するが、96ノードで10万ドル程度を想定している。
□Orion Multisystemsのホームページ
http://www.orionmulti.com/
□製品情報
http://www.orionmulti.com/products/specs_ds96
□関連記事
【2004年10月8日】【海外】Transmetaが次世代CPU「Efficeon-3」の概要を発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1008/kaigai125.htm
(2005年5月18日)
[Reported by wakasugi@impress.co.jp]