4月6日　実施

　インテル株式会社は6日、同社のエンタープライズ製品戦略および技術動向について、記者説明会を開催。Intel 副社長 兼 デジタル・エンタープライズ事業本部長 アビ・タルウォーカー氏が同社のエンタープライズ製品戦略や展開について語った。

　同氏は、「当社のエンタープライズ事業では今後、クロック周波数よりもプラットフォームの推進に焦点を当てていく」とし、「新技術の採用や64bit化によるプラットフォームの改善で、企業の個人やチームの生産性向上をはかり、シームレスなコラボレーションを実現させる」と強調した。

　その一例として、今後エンタープライズ向けCPUに組み込まれるアクティブ・マネジメント・テクノロジ(iAMT)により、管理者はソフトウェアの監視やウィルス対策をOSに依存せず管理でき、さらにNX bitにより安全性が向上し安定したプラットフォームを提供できる。また、将来的にWiMAXへの対応等による多様な接続性へのサポートなど、エンタープライズのニーズに合わせた製品を今後提供できると話した。

　また、同日発売された富士通の「PRIMEQUEST/PRIMERGY」でのItanium 2の採用や、NECや日立などのメインフレームサーバーで採用された実績について触れられ、Itanium 2の採用やプラットフォームの拡大を示した。

　さらに、「今後はソフトウェアベンダーとの協力で、64bit OS上で32bitアプリケーションを実行する32bit Execution Layerを改善し、サポートするソフトウェアを増やしていく」と語り、32bitアプリケーションにおいてもItanium 2は有用であると強調した。

Intel 副社長 兼 デジタル・エンタープライズ事業本部長 アビ・タルウォーカー氏	デジタル・エンタープライズのニーズ

Itanium 2の採用実績	Itanium 2の導入実績

　最後に、ロードマップに変更はないが、「Truland」プラットフォームと64bit対応のXeon MPの性能について説明した。同プロセッサではCPU数に比例しスピードが向上し、Xeon MP 4個搭載時は整数演算/浮動小数点演算ともに4倍の性能を発揮できるという。同氏は、「これはCPUの性能だけでなく、チップセット/メモリなども含めたプラットフォームとしての設計が合理的であるため」と語り、Trulandプラットフォーム全体の優位性をアピール。

　また、FSB 667MHzへの対応、DDR2-400のサポート、PCI Express、メモリのRAID/ホットスワップをサポートしたRAS(信頼性、可用性、保守性)技術、電力消費を抑えるデマンド・ベース・スイッチング(DBS)などの採用により、パフォーマンスと安定性、省電力を実現できると語った。

　なお、Itanium 2および64bit対応Xeon MPによる、64bitアプリケーションへの移行について、同氏は、「米Microsoftや各Linuxベンダー、アプリケーションベンダーと提携をしている」、「現状では対応アプリケーションは少ないが、64bitへの要求があったときにニーズに答えられる」として、あらかじめ64bit対応CPUを導入するメリットはあるとした。

64bit対応Xeon MPの性能向上。左のグラフは従来との比較、右のグラフは複数のプロセッサ搭載時の性能向上	マルチコアへの移行と技術展開

Xeon MPプロセッサのロードマップ	64bitプラットフォームへの移行(出荷台数ベース)	公開されたデュアルコアCPU「Montecito」

　なお、当日説明会が行なわれた会場ではデュアルコアItanium 2の「Montecito」の実物の公開もされた。3月のIDFで展示公開されたものは試作品で、今回同プロセッサ開発の進捗を垣間見ることができた。

□インテルのホームページ
http://www.intel.co.jp/
□インテル　アクティブ・マネジメント・テクノロジ(iAMT)
http://www.intel.co.jp/jp/technology/manage/iamt/
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(2005年4月6日)

[Reported by ryu@impress.co.jp]