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内田洋行、透明アクリルキューブで操作する「プロジェクションテーブル」株式会社内田洋行は4日、RFIDを使ったインターフェイスを採用したコミュニケーション サポートツール「プロジェクションテーブル」を開発し、4月20日より販売を開始すると発表した。価格は単品では900万円程度。初年度は20セットの販売を目指す。 プロジェクションテーブルは、RFIDを使った透明なキューブをテーブルの端に置くと、内蔵リーダーがタグのIDを読み、サーバーからコンテンツを呼び出して表示するデバイス。キーボードやマウスなどではなく、実体のあるものを使った、いわゆる「タンジブル・インターフェイス」を採用し、直感的な操作を可能にしている。 基本的に3つの要素から構成されている。RFIDタグとミニチュアモデルなどをアクリル封入した「アイコンキューブ」、PCとプロジェクター、そしてRFIDリーダーを収納しコンテンツを表示する「テーブル」、キューブの収納とグラフィックパネル機能を持つ「シェルフ」だ。 記者発表会では八丁堀の内田洋行ビルにあるコーポレート・ミュージアムに設置されたプロジェクションテーブルでデモが行なわれた。もともとプロジェクションテーブルは販売を目的として開発されたものではなく、内田洋行が自社のコーポレート・ミュージアム内で社史を紹介するためのデバイスとして開発したもの。プロトタイプは昨年5月に完成していたそうだ。 壁には内田洋行の社史が、エポックメイキングな商品とともに紹介されている。ところどころ特に特徴的な商品は、透明キューブのなかにミニチュアがおさめられている。このキューブを壁から取って、中央のプロジェクションテーブルに置くと、該当コンテンツが呼び出される仕組みだ。 4.5cm各の透明アクリルキューブの中には13.56MHz使用のRFIDとミニチュアが封入されている。タグはTexas Instruments製。テーブルの淵に埋め込まれたRFIDリーダーはアンチ・コリジョン機能を搭載しており、複数のキューブを置いても順次認識してコンテンツを表示していく。
現状ではコンテンツ表示の向きを変えるといった操作はできないがコンテンツ回転やページ送りなどもキューブのアクションを使って実装することなどを検討していくという。内田洋行ではNPO法人産学連携推進機構の妹尾教授はじめ若手研究者十数名とタンジブルインターフェイスの概念そのものの整理、用途、知財の開発、市場への導入などを含めて開発を行なっており、今後も改良を進めていくとした。 なお現状では使っているのはタグの固有ID機能だけなので、バーコードでも同じことが可能だ。だが複数タグを認識させることなどの将来性や、一見、ただのキューブを何もないテーブルの上に置くことでコンテンツが表示されるというデザイン性や雰囲気を考え、非接触ICタグを採用したという。 現状では空間演出の中での1つのデバイスとしてデザインされている。だが、今後、博物館や公共空間だけではなく、ビジネスなど用途に応じて開発を進めていく可能性もあるそうだ。 同社の向井眞一社長は「今後はユビキタスやネットワークが事業として必須になる」と語り、ユビキタス技術とコンテンツを用いて新しいサービスを開拓していきたいと述べた。 今後は、350の文化施設を手がけている同社のノウハウを活かし、まずは博物館などへの導入を狙う。また、企業や自治体などへも、対面型で相互啓発を促す新しいコミュニケーションのツールとして提案していくという。 □内田洋行のホームページ (2005年4月5日)
[Reported by 森山和道]
【PC Watchホームページ】
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