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バッファローの超高速USBメモリの実力



 USBフラッシュメモリのトレンドは、大容量化と低価格化だが、上位機種では転送速度の競争も激化している。

 3月の頭に発表されたバッファローの「ClipDrive "TypeR"」シリーズは、その筆頭で、リード32MB/sec、ライト27MB/sec(いずれも最大値)としており、リードがついに30MB/secを越えている。高速化のために、4つのメモリチップに同時アクセスすることで、転送量を理論値で4倍とし、高速化を実現したという触れ込みだ。

 今回は、1GBタイプの「RUF2-R1G-S」を借用できたので、レビューをお届けする。

●使いやすく一新された筐体

 手元に届いた「RUF2-R1G-S」は、まったく新しいデザインだった。以前テストした「RUF-G512ML/U2」よりも、一回り大きいが、スタイリッシュなデザインだ。

 ボディ全体はウェッジデザインで、はずしたキャップが尾部に付くのは前モデルと同じだが、キャップを上下反転してつけるようになっている。これで、ストラップホールにストラップをつけたままでも、キャップができるようになった。また、キャップ自体にもヒモ用の穴が開いていて、紛失防止用にヒモをつけることもできる。

 ライトプロテクトスイッチも大型化され、指先で操作できるようになった。全般的に、無理な小型化よりも、使いやすさに重点が置かれており、新しいデザインは好感が持てる。

本体前面。最小クラスではないが、ほどのよい大きさ キャップをはずした状態 キャップは尾部に逆さまにして固定できる

横からみた状態 キャップの先頭にも穴が開いていてひもがつけられる ライトプロテクトスイッチも大きくなって使いやすい

●ベンチマーク結果はやや意外

 では、さっそくベンチマークテストしてみよう。テスト環境は従来と同じで、Intel Celeron D 320(2.4GHz)、チップセットIntel 865G、NVIDIA GeForce FX 5200(128MB)、512MBメモリ、160GB HDDだ。

 まず、「FD BENCH」。リード29.5MB/sec、ライト14.7MB/sec。公称値に比べると、意外におとなしい数字だが、リードは過去計測した中でも最速だ。

 従来計測した中で、飛び抜けて速かった、ハギワラシスコム「PureMaster」およびアイ・オー・データ機器「EasyDisk Platinum2」と比較したグラフも載せておこう。

FDBECH 結果

FDBECH 結果比較グラフ。上からバッファロー、ハギワラシスコム、アイ・オーの順

 Random
Write
Seq.
Write
Random
Read
Seq.
Read
Copy.
2K
Copy.
32K
Copy.
256K
Copy.
Variable
バッファロー
RUF2-R1G-S
413414757283652951017283212732312
ハギワラシスコム
HUD-1GPMJ
372715790252962520331504377626214
アイ・オー
EDP2-1G
559111013229902315132040441160322793

 続いて「HDBENCH」の結果は、リードが29.5MB/sec、ライトが14.8MB/secだった。ほとんどFDBENCHと同じ結果で、このあたりが、この製品の実力とみていいようだ。

HDBECH 結果

HDBECH 結果比較グラフ。上からバッファロー、ハギワラシスコム、アイ・オーの順

KB/secRandomWriteSeq.WriteRandomReadSeq.Read
RUF2-R1G-S4116148252848429510
HUD-1GPMJ3708157902510425296
EDP2-1G5654110132306822990

 結果は悪くはないのだが、公称値との差の大きさが腑に落ちない。製品情報ページをよく見ると、ベンチマークは「DeviceEstimate Ver.2.02.01」の結果だとしている。一応、追試してみると、リード31.3MB/sec、ライト27.3MB/sec(いずれも最高速度)と、ほぼ公称値に近い値がでる。このソフトは、転送する容量が小さく、それが本製品の特性と合って、特にライトで高い数字を引き出しているようだ。

KB/secRandomWriteSeq.WriteRandomReadSeq.Read
RUF2-R1G-S24612273473096631356

●三強の新しい一角

 公称値との差が大きいFDBENCHやHDBENCHの値でも、ハギワラシスコム「PureMaster」、アイ・オー・データ機器「EasyDisk Platinum2」と並び、新しい三強の一角だ。特にリードでは、最速と言っていいだろう。

 また、新しいボディは程のよい大きさで、使い勝手もよくなっており、デザインも好ましい。

 ただ、残念なのは、これまで同社がベンチマークテストに使っていた「FDBENCH」ではなく、新しいベンチマークテストを使った値を公称値としていることだ。今後もずっとこのベンチマークテストを使い続けるというならばしょうがないが、その時々に、都合のよい結果の出るテストの値を公称するのであれば、いかがなものかと思う。

 製品本体には、よい印象を受けただけに、ちょっと残念な結果だった。

□バッファローのホームページ
http://www.buffalo.jp/
□RUF2-R1G-Sの製品情報
http://buffalo.melcoinc.co.jp/products/catalog/item/r/ruf2-r/
□関連記事
【3月2日】バッファロー、リード速度最大32MB/secのUSBフラッシュメモリ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0302/buffalo1.htm
【2月24日】超高速USBフラッシュメモリ「PureMaster」レポート
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0224/usb.htm
【2月16日】高速USBフラッシュメモリ実力テスト
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0216/usb.htm

(2005年4月5日)

[Reported by date@impress.co.jp/ishid-to@impress.co.jp]

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