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高速USBフラッシュメモリ実力テスト
最新のOSであれば、機種を問わずUSB端子に差すだけで認識される簡便さと、画像のやりとりなどにもそこそこ使える大容量から、USBフラッシュメモリが普及している。ちょうど、かつてのフロッピーディスク(FD)のような、ちょっとデータをやりとりする時のメディアとしての地位を確保した印象だ。 なかでも、注目されるのは、高速タイプの製品。32~64MBが中心だった容量が、フラッシュメモリの価格低下とともに、512MB以上の製品へとシフトするにつれ、データ転送速度の差が、影響するようになっている。大容量のデータをやりとりすると、思ったよりも時間がかかることが多く、高速な製品の価値が出てくるというわけだ。 今回は、各社より容量512MB以上のUSBメモリを借用し、どれぐらいの差が出るのかベンチマークテストを行なった。まず、簡単に各製品のプロフィールを、続いてベンチマークテストの結果を紹介しよう。なお、すべての製品はUSB 2.0対応製品であり、テストもUSB 2.0の環境で行なった。 実売価格は2月上旬に新宿および秋葉原の店頭価格を編集部で調査した。一部の機種は在庫が少なく、通常の価格調査とは異なる店舗での価格なので、あくまでも参考として受け取ってほしい。USBフラッシュメモリは価格変動が大きく、楽天などで調べても店舗による価格差が大きな商品だ。
●ロジテック「LMC-512UD2L」
読み書き速度は未公開だが、USB 2.0 High-Speed対応を謳っている。テスト品の容量は512MB。筐体は今回集めた中では大きめの部類。実売価格は7,980円前後。 特徴として、本体にライトプロテクトスイッチを備えており、簡単に書き込み禁止にできる。スイッチは、そこそこ大きく、指先で操作できて便利だった。 0.9mのUSB延長ケーブルが付属する。デスクトップPCやUSB端子周辺が狭いノートPCなどで使う場合には有用な備品だ。ソフトウェア類は付属していない。 □LMC-512UD2Lの製品情報http://www.logitec.co.jp/products/memory/lmcud2l.html ●バッファロー「RUF-G512ML/U2」
読み込み18MB/sec、書き込み15MB/secの高速モデル。テスト品の容量は512MB。筐体はかなり小さい部類に入る。スケルトンデザインだが、シールドのせいで、あまり中身は見えない。実売価格は、9,480円前後。 本体側面に誤消去防止のライトプロテクトスイッチを備えるが、ちょっと小さく引っ込んでいるので、ボールペンの先などで操作するようにマニュアルに指示されている。 また、尾部にストラップホールを備え、尾部に端子カバーを取り付けることで端子カバーの紛失を防ぐことができる。 メーカーのホームページからセキュリティソフト「ClipDrive セキュリティ」をダウンロード可能。 □RUF-G512ML/U2の製品情報http://buffalo.melcoinc.co.jp/products/catalog/item/r/ruf-gl_u2/index.html ●ハギワラシスコム「HUD-512PPJ」
高速タイプの「PurePro」シリーズに属し、読み込み19MB/sec、書き込み16MB/secのモデル。テスト品の容量は512MB。 同社は、1月27日にさらに高速な「PureMaster」シリーズを発表しており、「PurePro」シリーズは店頭限りとなった。したがって、取り扱い店舗は少ないが、店頭価格は下がっている。実売価格は7,480円前後。 本体サイズは一番小さい部類に属する。本体尾部にストラップホールを備える。これはストラップを付けることもできるが、ここにキャップを取り付けることで紛失を防ぐことができる。ソフトウェア類は付属していない。 □HUD-512PPJの製品情報http://www.hscjpn.co.jp/products_s.php?idno=201 ●ハギワラシスコム「HUD-1GPJ」
スタンダードタイプの「Pure」シリーズの製品。テスト品の容量は1GB。読み書き速度は未公開。容量が大きいこともあって、実売価格は13,800円前後。 ボディカラーを除いて、PureProシリーズと共通の仕様。小さい筐体で2GB製品までラインナップされているのは立派。 □HUD-1GPJの製品情報http://www.hscjpn.co.jp/products_s.php?idno=200 ●アドテック「AD-UMS1G/U2」
読み込み17MB/sec、書き込み14MB/secの高速モデル。テスト品の容量は1GB。実売価格は11,500円前後。 本体サイズは最も小さい。本体尾部にストラップホールを備える。 ソフトウェアが充実しており、データ圧縮/暗号化ソフト「SecretZip」、セキュリティソフト「USB DISK PRO」がメーカーのホームページからダウンロード可能。なお、本機をPCのハードウェアキーとして利用するソフト「PC Lock」は開発遅れのため公開待ちの状態。 □AD-UMS1G/U2の製品情報http://www.adtec.co.jp/products/AD-UMS_U2/index.html ●アイ・オー・データ機器「EDP2-1G」
読み込み22MB/secと今回テストした製品中、最高の公称値を誇るモデル。書き込みは13MB/sec。実売価格は17,800円前後。 ボディは他の製品よりも二回り大きな印象。性能も高いが、大きさも「超弩級」だ。本体背面部にクリップ、端子カバーを外して本体尾部に取り付けるとストラップホールになる「マルチクリップPlus」を備える。 付属品は約1mのUSB延長ケーブル、サポートソフトCD-ROM。 サポートソフトの内訳は、ファイル暗号化ソフト「e-割符 V2」、データロックソフト「KeySafe」、仮想ドライブ作成ソフト「SDrive」、PCロックソフト「QLock」、メールソフト「CarryingMail」、ユーティリティソフト「Cute」と盛りだくさん。 ちょっと変わっているのはアクセスランプで、他社の製品はUSBの接続直後とアクセス時のみ点滅するが、アイ・オーの製品は、データアクセスがない状態でも、ゆっくりと点滅してUSBに接続している状態であることを表示する。これは、善し悪しがあるが、個人的にはランプが点滅しているときに抜き差しをするのは躊躇する気持ちもある。 □EDP2-1Gの製品情報http://www.iodata.jp/prod/pccard/edc/2004/edp2/index.htm ●性能以外の部分を比較 使用した製品は、メーカー・モデルによって容量やサイズが異なるため、比較のための一覧表を作成した。読み書き速度の公称値が公開されていないものは“-”で表示した。 USBメモリのメーカー保証は、一律1年間と思っていたが、ロジテックは3年、アイ・オーは6年間保証としている。フラッシュメモリの容量の拡大と価格低下を考えると、そんなに長く使うかという気もするが、信頼性の保証という意味では有効な方法だろう。 【表1】仕様比較一覧
【お詫びと訂正】初出時に、ハギワラシスコムの「HUD-512PPJ」と「HUD-1GPJ」の公称速度が逆になっておりました。お詫びして訂正させていただきます。 ●ベンチマーク測定結果
テスト環境は、Intel Celeron D 320(2.4GHz)、チップセットIntel 865G(ビデオ内蔵)、512MBメモリ、160GB HDD。ベンチマークテストプログラムは、「HDBENCH v3.40b6」と「FDBENCH v1.01」を使用した。HDBENCHでは、転送するファイル容量は100MBとし、FDBENCHでは100MB/40MBとしている。いずれも、3回計測して中間の結果を採用している。 【表2】FDBENCH Ver1.01 測定結果
読み込み速度の公称値がもっとも大きな、アイ・オー「EDP2-1G」はさすがに高い数値を出している。ただ、書き込みやコピーになると、ハギワラ、バッファロー、ちょっと間をおいてアドテックという第2グループ3機種との差は少ない。 【表3】HDBENCH Ver3.40b6 測定結果
こちらもFDBENCHとほぼ同様の結果。読み込み速度はほぼ公称値通りの数字だが、このテスト環境では、書き込み速度が伸び悩んでいるようだ。読み出しはアイ・オー「EDP2-1G」だが、書き込みはハギワラ「HUD-512PPJ」が優秀。とくにシーケンシャルライトの速度は出色だ。 ●まとめ ベンチマークでの上位は、アイ・オー「EDP2-1G」、ハギワラ「HUD-512PPJ」、バッファロー「RUF-G512ML/U2」、アドテック「AD-UMS1G/U2」となる。リードのアイ・オー、ライトのハギワラという感じだ。バッファローは両者に肉迫、アドテックと三者はちょっと間がある。 高速型と普及型との差は大きく、高速を謳う製品は、それだけの性能を備えているということが確認できた。速度を購入の第一条件とするならば、この4機種(および後継機種)を候補に入れるとよいだろう。 ただし、使ってみて分かったのは、本体のサイズや、付属品、付属ソフトなどの差も大きなことだった。購入時には、こちらの要素もチェックしてほしい。また、キャップの固定機構やライトプロテクトスイッチは、やはりあると便利だ。 文中でも述べたように、まだ新しい製品が続々と登場しているジャンルなので、また機会をみて新製品をテストしてみたい。
□関連記事 (2005年2月16日) [Reported by PC Watch編集部]
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