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CeBIT 2005レポート

ATI、「RADEON XPRESS 200 for Intel」発表
〜“最速”の統合型PCI Expressチップセット

ATI Technologies 上級副社長のリック・バーグマン氏

会期:3月10日〜16日(現地時間)

会場:独ハノーバー市ハノーバーメッセ(Hannover Messe)



 GPUベンダのATI TechnologiesはCeBIT会場で記者会見し、同社がRS400の開発コードネームで進めてきたPCI Express対応のDirectX 9対応チップセット「RADEON XPRESS 200」のIntelプラットフォーム向け版を正式発表した。ATIのRADEON XPRESS 200は、すでにAMDプラットフォーム版の製品がリリース済みで、本製品はそのIntel版となる。

●売り上げも、シェアも向上した2004年のATI

 記者会見の冒頭には、上級副社長兼VPUビジネス ジェネラルマネージャのリック・バーグマン氏によるATIのビジネスに関するアップデートが行なわれた。'85年に設立されたATIは、今年で20周年という節目の年を迎えるが、19年目にあたる昨年は、ATIにとって非常によい年だったという。

 「昨年の我々は売り上げにおいても、シェアにおいても非常に好調だった。昨年の売り上げは一昨年に比べて大幅に伸びた。また、2003年の第4四半期にはNVIDIAが58%、ATIが38%というシェアであったデスクトップPC向けのGPUも、2004年の第4四半期にはATIが51%、NVIDIAが46%と逆転した。さらにノートPCに関しては70%を超えるシェアを維持している」とのべ、その好調ぶりを強調した。

 その上で、次のターゲットとして、チップセットビジネスでのシェアの向上を挙げた。「今後は、統合型チップセットと単体型GPUの比較で、統合型チップセットのシェアが伸びていくと考えられている。そうした意味で、今日の発表は大きな意味を持つものだ」とし、ATIがさらにチップセットビジネスに力を入れていくという方針を明らかにした。

ATIの売り上げを示すグラフ。徐々に伸びていっていることがわかる Mercury Researchの調査によるデスクトップPC向けGPUのシェアを示すグラフ。2003年の第4四半期にはNVIDIAが58%、ATIが38%であったのに対して、2004年の第4四半期にはATIが51%、NVIDIAが46%と逆転している

●Intel版は“RADEON XPRESS 200 for Intel”

 引き続いて登場した、ATI 上級副社長兼チップセットビジネス ジェネラルマネージャのフィル・エスラー氏により、ATIのIntelプラットフォーム向けPCI Expressチップセットの説明がされた。

 それによれば、これまでRS400の開発コードネームでよばれてきたこの製品は、“RADEON XPRESS 200”と、AMD向け製品と同じブランドネームでよばれることになるという。ただ、両者を区別するために、Intel向けを“RADEON XPRESS 200 for Intel”、AMD向けを“RADEON XPRESS 200 for AMD”と呼んでいくという。

 ノースブリッジの仕様は若干AMD向けと異なり、PCI Express x16が1ポート、PCI Express x1が6ポートで、うち2ポート分はサウスブリッジとの接続に利用される(AMD向けはx1が3ポートのみ)。

 メモリに関しては、シングルチャネル、デュアルチャネル構成を標準でサポートし、DDR2-667/533/400をサポートするほか、DDR SDRAM(DDR400/333/266)に関しても利用可能であるという。

 GPUに関してはX300クラスのGPUが内蔵されている。ただし、X300にはバーテックスシェーダエンジンとピクセルシェーダエンジンの両方が搭載されているが、RADEON XPRESS 200 for Intelに関してはバーテックスシェーダのエンジンは内蔵されていない。なお、ピクセルシェーダのパイプラインに関しては2パイプ構成となっている。

 RADEON 9100 IGPやRADEON XPRESS 200 for AMDなどでサポートされているSurroundViewとよばれる、内蔵GPUの1出力と外付けビデオカード(X800/700/600など)による3出力のマルチモニターの機能も引き続きサポートされる。

 ユニークな点としては、内蔵されているGPUが、IntelのIntel 915G/945GでもサポートされているSDVOポート(外付けトランスミッタを接続するための専用インターフェイス)をサポートしていることだろう。これにより、Intel 915G/945G向けのADD2カード(PCI Express x16スロットに挿し、DVIやコンポーネント端子などを追加するためのカード)が利用可能になり、BTOでDVIの有無などをメーカーが簡単に設定できるように配慮されているほか、コンポーネント出力やD端子出力などを装備することも可能だ。

ATI 上級副社長兼チップセットビジネス ジェネラルマネージャ フィル・エスラー氏 ATIのチップセットの変遷。ハイエンドGPUが、バリュー向けのGPUに落とし込み、それが最終的にチップセットに落とし込んでいくというのがATIの戦略。RADEON XPRESS 200も同じ戦略で、X300に搭載されていたバリュー向けのコアのローコスト版が搭載されている RADEON XPRESS 200 for Intelのブロック図
RADEON XPRESS 200 for IntelのPCI Expressは、x16とx2が1つずつ、x1が4つ搭載されている SurroundViewの機能は引き続き搭載されており、ATI GPUを搭載したビデオカードと組み合わせることで、3画面のマルチディスプレイが実現可能
RADEON XPRESS 200 for Intelのブロック図。取材したものを含め判明している機能を筆者が追加したもの

●サウスブリッジにはIXP400ないしはULiのM1573をサポート

 PCI Express x2で接続されるサウスブリッジには、ATI自身が用意する「IXP400」と、ULiが提供する「M1573」の2つのPCI Express接続のサウスブリッジをサポートする。

 いずれの製品も、4ポートのシリアルATA/150(RAID0/1サポート)、Ultra ATA/133のサポート、8ポートのUSB 2.0、PCIバスサポートというスペックになっており、SB400がAC'97しかサポートしていないのに対して、ULiのM1573はHD Audioをサポートするというのが違いとなっている。

●3D描画性能で競争相手を最大で3.5倍も上回る高性能を実現

 今回の発表の中で、ATIが強調したのが、DirectX 9アプリケーションにおける描画性能だ。というのも、ATIのRADEON XPRESS 200 for Intelの最大の特徴が、この3D描画性能にあるからだ。

 公開されたベンチマーク結果は、メーカーは明らかにされなかったものの、DirectX 9に対応した統合型GPUを採用したIntelプラットフォーム向けチップセットとの比較ということで公開された(事実上、“あの大手CPUベンダ”のチップセットしかないと思うのだが……)。その結果によれば、Farcryと3DMark05で2倍、Half Life2で3.5倍の性能を発揮するというデータが公開された。

 3D描画性能で大きく上回る点や、X300クラスのビデオ再生機能を持つ点などから、ATIではこのGPUをデジタルホーム向けとして位置づけており、同社がリリースしている「THEATER 550 PRO」と組み合わせて利用することで、安価で高品質なWindows XP Media Center Edition 2005搭載PCが構築できるとアピールした。

 特に米国では、Windows XP Media Center Editionを搭載したPCをリリースするベンダが増えてきているため、そうしたPCのために、低コストで強力なGPUを持つソリューションとして大きな注目を集める可能性がある。

RADEON XPRESS 200 for Intelの内蔵GPUと“某社”(by ATI)のDirectX 9対応統合型GPUとの比較。HalfLife2で3.5倍もの差がついている 1チップで、エンコーダ以降はフルデジタルで処理を行なうTHEATER 550 PROと組み合わせることで、家電並みのテレビ表示品質を実現できるとアピール

●どちらかと言えば大手PCベンダが採用するタイプの製品

 今回発表されたRADEON XPRESS 200 for Intelは、2つのグレードが用意されている。上位バージョンは、メモリバスがデュアルチャネル版となる製品で、開発コードネームRS400と呼ばれてきたものだ。下位バージョンとなるのは、RC400の開発コードネームで呼ばれてきたバージョンで、メモリバスがシングルチャネルのバージョンとなる。

 なお、今回の記者会見では、搭載製品をリリースするベンダとして、ASUSTeK、MSI、GIGABYTE、AOpen、SAPPHIRE、Shuttle、ECS、Tulなどが明らかにされた。ただし、別レポートにあるように、実際に展示会場においてRADEON XPRESS 200 for Intelを搭載したマザーボードを展示しているベンダはあまり多くなかったし、今回の記者会見に呼ばれたマザーボードベンダもASUSTeKぐらいだった。多くのマザーボードベンダが記者会見によばれた、NVIDIAとはだいぶ状況が違っていることがわかる。

 その理由は、やはり統合型GPUのニーズにあると思う。RADEON XPRESS 200 for Intelのアドバンテージは、なんといってもX300クラスという強力なGPUにある。しかし、マザーボードベンダがターゲットとしているような、チャネル市場(あるいは自作PC市場)では、統合型チップセットの比率は非常に低い。

 従って、ATIのターゲットは、どちらかと言えば大手PCベンダ向けというOEM市場になるだろう。実際、RADEON XPRESS 200 for AMDはいくつかの大手OEMベンダに採用されているほか、今回のRADEON XPRESS 200 for Intelも、Acer Computerが対応製品をヨーロッパで発売することを明らかにした。

 今後も、大手メーカー製PCのチップセットとしてユーザーの手元に届くことになるだろう。

RADEON XPRESS 200 for Intelを搭載したマザーボードを製造する予定のマザーボードベンダ 発表会場ではASUSの「P5RD1-V Deluxe」とよばれるTVチューナがオンボードになっているモデルがデモに利用された

□CeBIT 2005のホームページ(英文)
http://www.cebit.de/
□関連記事
【3月10日】NVIDIAのインテル向けチップセットは“nForce4 SLI Intel Edition”
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0311/cebit07.htm

(2005年3月13日)

[Reported by 笠原一輝]

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