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CeBIT 2005レポート

応答速度4msや5msを謳う液晶ディスプレイが展示
~各社は独自高画質化機能で差別化を図る

会期:3月10日~16日(現地時間)

会場:独ハノーバー市ハノーバーメッセ(Hannover Messe)



 最近のIT系展示会同様、CeBIT 2005でも大型薄型TVのPRを大々的に行なっているメーカーは多い。それらと比較するとPC用液晶ディスプレイはやや地味な扱いとなっているものの、今春以降発売予定の新製品を各社が多数展示している。

 通常、普及価格帯製品において一般ユーザーがもっとも気にするのは価格だ。しかし、17/19型はすでに実売価格が限界近くまで下がっているため、価格で差別化を図るのは難しくなっている。

 そのため今回のCeBITでは、デザイン/高画質化機能/補正機能などの面で独自機能を盛り込むことで、差別化を図ろうとしているメーカーの姿が目立っていた。また、8msという高速な応答速度を実現しているモデルが多く見受けられた。

 このほかの傾向としては、デルが2003年11月に当時11万5千円という低価格路線の口火を切ったことで、ハイエンドユーザーを中心に急速に盛り上がり始めたUXGA以上対応のコンシューマ向け大型機も増えてきた。

●Samsung

 Samsungは幅広いモデルで、キーボード/マウス操作対応の画質補正アプリケーション「MagicTune」、専用チップで自動的に画面ごとにガンマ補正や彩度調整を行なうことで、人の目により鮮やかな色合いを表現する「MagicColor」、1,000:1の高コントラスト比を実現した「MagicContrast」などを実装し、他社製品との差別化を図っている。

 同社は17型および19型を中心に、発表済みのものも含めると30機種近い製品を一堂に展示している。中でも興味深かったが新製品の「SyncMaster930B」を使用した参考技術展示品。

 同社製品には応答速度12msないし8msを実現した「MagicSpeed」対応製品があるが、この参考展示品はその改良版となる「MagicSpeed2」と呼ばれる機能を搭載し、4ms(グレーからグレー)という驚異的な応答速度を実現した。これにより、動きの速い動画などでブレやジャギーなどを抑えられるとしている。実際の製品への実装時期は未定。

 このほか、17型でコントラスト比1,500:1、応答速度6ms、輝度280cd/平方m、視野角上下/左右とも178度という仕様の「SyncMaster750P」なども展示されていた。

SyncMaster 173P Plus。解像度1,280×1,024ドット、応答速度8ms、コントラスト比1,500:1、輝度280cd/平方m、視野角上下/左右とも178度、D-Sub15ピン/DVI-D SyncMaster 193P Plus。解像度1,280×1,024ドット、応答速度8ms、コントラスト比1,000:1、輝度250cd/平方m、視野角上下/左右とも178度、D-Sub15ピン/DVI-D SyncMaster 740B。解像度1,280×1,024ドット、応答速度8ms、コントラスト比700:1、輝度300cd/平方m、視野角上下/左右とも160度、D-Sub15ピン/DVI-D
SyncMaster 930B。通常製品の仕様は、解像度1,280×1,024ドット、応答速度8ms、コントラスト比700:1、輝度300cd/平方m、視野角上下/左右とも160度、D-Sub15ピン/DVI-Dだが、この展示品は応答速度が4ms SyncMaster 940B。解像度1,280×1,024ドット、応答速度8ms、コントラスト比700:1、輝度300cd/平方m、視野角上下/左右とも160度、D-Sub15ピン/DVI-D SyncMaster 740T。解像度1,280×1,024ドット、応答速度8ms、コントラスト比700:1、輝度300cd/平方m、視野角上下/左右とも160度、D-Sub15ピン/DVI-D
SyncMaster 940T。解像度1,280×1,024ドット、応答速度20ms、コントラスト比1,000:1、輝度250cd/平方m、視野角上下/左右とも178度、D-Sub15ピン/DVI-D SyncMaster 930C。解像度1,280×1,024ドット、応答速度8ms、コントラスト比700:1、輝度300cd/平方m、視野角上下/左右とも160度、D-Sub15ピン/DVI-D。色弱者向けの色補完機能を搭載 SyncMaster 750P。解像度1,280×1,024ドット、応答速度6ms、コントラスト比1,500:1、輝度280cd/平方m、視野角上下/左右とも178度、DVI-I
SyncMaster 721SA。解像度1,280×1,024ドット、応答速度8ms、コントラスト比700:1、輝度300cd/平方m、視野角上下/左右とも160度、D-Sub15ピン/DVI-D SyncMaster 204T。解像度1,600×1,200ドット、応答速度16ms、コントラスト比700:1、輝度280cd/平方m、視野角上下/左右とも178度、D-Sub15ピン/DVI-D/Sビデオ入力 SyncMaster 242MP。解像度1,920×1,200ドット、応答速度12ms、コントラスト比1,000:1、輝度500cd/平方m、視野角上下/左右とも178度、D-Sub15ピン/DVI-D/Sビデオ入力/コンポーネント入力、5W×2スピーカー

●LG

 LGは上位モデルを中心に、独自の高画質化回路「FLATRON f ENGINE」を搭載。明るさやコントラストを自動調整し、特に動画やゲームなどで効果が得られるとしている。

 曲面を多用したデザインで高級感を演出した「Artisticシリーズ」、狭額縁でピボット対応デュアルヒンジ機構を採用した「Ultra Slimシリーズ」、カードリーダ搭載の「MFTシリーズ」、一般向けの「Standardシリーズ」でそれぞれ4機種程度の新機種が展示。上位モデルでは応答速度8msの高速モデルが目立つ。

 欧州での出荷開始時期は、Standardシリーズがまもなく、そのほかは5月頃の予定。

Artisticシリーズは、背面や下部などに曲面を多用し、高級感を演出している ArtisticシリーズのL1740P。解像度1,280×1,024ドット、応答速度12ms、コントラスト比500:1、輝度300cd/平方m、視野角上下/左右とも160度、D-Sub15ピン/DVI-D。出荷開始はまもなく、価格は479ユーロ
ArtisticシリーズのL1740PQ。解像度1,280×1,024ドット、応答速度8ms、コントラスト比500:1、輝度300cd/平方m、視野角上下/左右とも160度、D-Sub15ピン/DVI-D。出荷開始はまもなく ArtisticシリーズのL1940P。解像度1,280×1,024ドット、応答速度25ms、コントラスト比700:1、輝度300cd/平方m、視野角上下/左右とも170度、D-Sub15ピン/DVI-D。出荷開始はまもなく、価格は599ユーロ ArtisticシリーズのL2040P。解像度1,600×1,200ドット、応答速度16ms、コントラスト比500:1、輝度250cd/平方m、視野角上下/左右とも178度、D-Sub15ピン/DVI-D。出荷開始は5月
ArtisticシリーズのM2343A。解像度1,366×768ドット、応答速度16ms、コントラスト比550:1、輝度600cd/平方m、視野角上下/左右とも178度、D-Sub15ピン/DVI-D/Sビデオ入力/コンポーネント入力、TVチューナ、7W×2スピーカー。出荷開始は5月 MFTシリーズのM173WA。解像度1,280×768ドット、応答速度12ms、コントラスト比600:1、輝度450cd/平方m、視野角上下/左右とも178度、D-Sub15ピン/DVI/Sビデオ入力/コンポーネント入力、5W×2スピーカー。オプションでTVチューナも搭載可 MFTシリーズのM203WX。解像度1,680×1,050ドット、応答速度16ms、コントラスト比600:1、輝度300cd/平方m、視野角上下/左右とも178度、D-Sub15ピン/DVI/Sビデオ入力/コンポーネント入力、5W×2スピーカー。オプションでTVチューナも搭載可
M203WXはMMC/SDカード/メモリースティック/CF対応のスロットとUSBポートを備え、PCなしでデータのコピーができる。また、ディスプレイ単体でフラッシュメモリ内の音楽や写真、動画データなどを再生できる Ultra Slimシリーズは、SamsungのSyncMaster193P Plusなどと酷似したデュアルヒンジ機構を採用するが、Philipsとの共同デザインでSamsung製品との関連はないとのこと(写真右はSyncMaster193P)
Ultra SlimシリーズのL1780Q。解像度1,280×1,024ドット、応答速度8ms、コントラスト比500:1、輝度250cd/平方m、視野角上下/左右とも160度、D-Sub15ピン/DVI-D Ultra SlimシリーズのL1781Q。解像度1,280×1,024ドット、応答速度8ms、コントラスト比500:1、輝度250cd/平方m、視野角上下/左右とも160度、D-Sub15ピン/DVI-D。出荷開始は5月、価格は529ユーロ Ultra SlimシリーズのL1980Q。解像度1,280×1,024ドット、応答速度8ms、コントラスト比500:1、輝度250cd/平方m、視野角上下/左右とも160度、D-Sub15ピン/DVI-D
Ultra SlimシリーズのL1981Q。解像度1,280×1,024ドット、応答速度8ms、コントラスト比500:1、輝度250cd/平方m、視野角上下/左右とも160度、D-Sub15ピン/DVI-D。出荷開始は5月、価格は629ユーロ StandardシリーズのL1750S。解像度1,280×1,024ドット、応答速度12ms、コントラスト比500:1、輝度250cd/平方m、視野角上下/左右とも160度、D-Sub15ピン。出荷開始はまもなく StandardシリーズのL1750HQ。解像度1,280×1,024ドット、応答速度8ms、コントラスト比500:1、輝度250cd/平方m、視野角上下/左右とも160度、D-Sub15ピン/DVI。出荷開始はまもなく
StandardシリーズのL1950S。解像度1,280×1,024ドット、応答速度12ms、コントラスト比500:1、輝度250cd/平方m、視野角上下/左右とも160度、D-Sub15ピン。出荷開始はまもなく StandardシリーズのL1950H。解像度1,280×1,024ドット、応答速度12ms、コントラスト比500:1、輝度250cd/平方m、視野角上下/左右とも160度、D-Sub15ピン。出荷開始はまもなく

●Benq

 Benqは、透明度やコントラストなどを自動調整することで、人間の目になじみやすい画質を作り出す「senseye(センスアイ)」技術を各機種に搭載し、全面的にアピールしている。また、型番末尾に「V」の付く製品は、パネルを研磨加工することで高画質化を図っている。また、「FP71V+」はグレーからグレーの応答速度5msを謳っている。

 このほかユニークなものとしては、「FP785」はスタンドの部分を立てると、そこを取っ手にして持ち運びができるようになる。また、その際は画像が上下反転表示されるというユニークな機構を搭載する。

 また、コンセプトモデルとして「CrayzyArm」という製品が展示。基本的なコンセプトはディスプレイにUSBポートを持たせることで、PCが離れた場所にあっても、USB機器を接続できるので便利というものなのだが、展示品につけられていたのは、鏡、ライト、扇風機など風変わりなものが多い。このまま製品化するかは未定だが、製品化の際はこれらの機器も同梱したいと担当者は話していた。

FP785。スタンドの部分を立てると取っ手になり、そのまま持ち運びができるだけでなく、画像も自動的に上下反転されるユニークな機構の製品。解像度1,280×1,024ドット、応答速度25ms、コントラスト比600:1、輝度250cd/平方m、視野角上下/左右とも170度、D-Sub15ピン/DVI、2W×2スピーカー。出荷開始は5月、価格は521ユーロ FP72V。USB Webカメラが標準付属。解像度1,280×1,024ドット、応答速度25ms、コントラスト比1,000:1、輝度280cd/平方m、視野角上下/左右とも178度、D-Sub15ピン/DVI、スピーカー。出荷開始は3月中 FP71V+。解像度1,280×1,024ドット、応答速度8ms、コントラスト比500:1、輝度400cd/平方m、視野角上下140度/左右130度、D-Sub15ピン/DVI、1W×2スピーカーで、グレーからグレーの応答速度は5msを謳っている。出荷開始は3月中、価格は399ユーロ
FP91V+。解像度1,280×1,024ドット、応答速度12ms、コントラスト比450:1、輝度450cd/平方m、視野角上下/左右とも140度、D-Sub15ピン/DVI、2W×2スピーカーで、グレーからグレーの応答速度は6msを謳っている。出荷開始は4~5月、価格は499ユーロ コンセプトモデルのCrazyArm。背面から腕のように飛び出しているのはすべてUSB機器。左下から、鏡、ライト、Webカメラ、扇風機、カードリーダ。解像度1,280×1,024ドット、コントラスト比1,000:1、輝度250cd/平方m、視野角上下/左右とも178度、D-Sub15ピン/DVI

●Hyundai

 Hyundai製品は日本ではなじみが薄いが、2004年より秋葉原や新宿の量販店にも製品が並び始めている。Samsungと同様のWindowsベースの画質調整機能「ImageTune」を搭載する。新製品の欧州での出荷開始は5~6月。

Q17+。解像度1,280×1,024ドット、応答速度8ms、コントラスト比700:1、輝度300cd/平方m、視野角上下150度/左右135度、D-Sub15ピン/DVI-D Q19+。解像度1,280×1,024ドット、応答速度20ms、コントラスト比1,000:1、輝度250cd/平方m、視野角上下/左右とも170度、D-Sub15ピン/DVI-D L73DL。解像度1,280×1,024ドット、応答速度8ms、コントラスト比700:1、輝度300cd/平方m、視野角上下150度/左右135度、D-Sub15ピン/DVI-D
L90D+。解像度1,280×1,024ドット、応答速度8ms、コントラスト比700:1、輝度300cd/平方m、視野角上下150度/左右135度、D-Sub15ピン/DVI-D L19T+。解像度1,280×1,024ドット、応答速度8ms、コントラスト比700:1、輝度300cd/平方m、視野角上下150度/左右135度、D-Sub15ピン/DVI-D、2W×2スピーカー、TVチューナ B70A。解像度1,280×1,024ドット、応答速度12ms、コントラスト比500:1、輝度300cd/平方m、視野角上下150度/左右135度、D-Sub15ピン
B90A。解像度1,280×1,024ドット、応答速度12ms、コントラスト比700:1、輝度300cd/平方m、視野角上下150度/左右135度、D-Sub15ピン

●NEC Mitsubishi Electronics Display

 NEC三菱ビジュアルシステムズはコンシューマ向け製品のほとんどをMitsubishiブランドで展開しているが、ドイツのNEC Mitsubishi Electronics Displayでは、逆にNECブランドで製品を販売している。

 展示されていた製品の特徴としては、画質調整操作用に本体下部にジョイスティックを装備。これにより操作の簡便化を図っている。

 なお、NEC三菱ビジュアルシステムズが日本で合弁解消されたことを受け、NEC Mitsubishi Electronics Displayも4月1日付けでNECの完全子会社となる。

LCD1970GX。同社初の“ツルピカ”パネル採用機。欧州ではまだツルピカパネルの採用例は数少ないという。解像度1,280×1,024ドット、コントラスト比700:1、輝度400cd/平方m、視野角上下150度/左右140度 LCD1770NX。解像度1,280×1,024ドット、コントラスト比500:1、輝度250cd/平方m、視野角上下140度/左右120度 LCD1970NX。解像度1,280×1,024ドット、コントラスト比500:1、輝度250cd/平方m、視野角上下/左右とも176度
LCD1970NX。解像度1,600×1,200ドット、コントラスト比400:1、輝度250cd/平方m、視野角上下/左右とも176度 LEDバックライトを採用し、Adobe RGBに完全対応したプロ/業務向けのSpectraView Reference 21。解像度1,600×1,200ドット、輝度200cd/平方m、DVI-D×

□CeBIT 2005のホームページ(英文)
http://www.cebit.de/
□関連記事
【2月21日】NEC三菱、「NMビジュアル」の合弁解消へ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0221/nmv.htm
【2004年1月20日】サムスン、台座ごと壁掛け可能な19/17型液晶
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0120/samsung1.htm
【2003年11月26日】デル、UXGA対応で11万円台の20.1型液晶ディスプレイ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1126/dell.htm

(2005年3月11日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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