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NECの6万円台PC「ValueOne」レビュー

2月中旬 発売予定

価格:オープンプライス



●NECブランドでは破格の値段

 NECが8日に発表した「ValueOne」は、単なるバリエーションモデルではなく、従来のモデルとは独立した新シリーズと位置づけられている。1月に発表された主流製品の春モデルと一緒に発表せずに、ある程度の間隔を空けて、別途発表されたあたりにも、その意図が感じられる。

 記者向けの説明会ではValueOne登場の背景として、市場の成熟とともに、高付加価値な製品を求める層だけではなく、基本的な機能を備えたベーシックな製品を求める需要が起こっており、将来的にもその層が拡大していく、という見通しが語られた。

 そのような市場の例として、自動車産業が挙げられていた。世帯普及率の上昇とともに、基本的な機能に徹したコンパクトカーの比率が上昇し、1/4にも及んでいる自動車は良い例かもしれない。基本機能が向上し、ベーシックな製品でも、日常必要とされるような用途が十分にこなせるようになった、という点では、よく似ている。

 また、デル、HP、eMachines、エプソンなどが、シンプルな構成のPCをきわめて低価格で提供し、かなりの成長をみせていることを捨ててはおけないという事情もあるだろう。

 いずれにせよ、デスクトップ/ノートとも国内シェア1位のNECが、低価格PC市場に参入したという意義は大きい。では、その第1号製品を詳しく見てみよう。

●シンプルで最小限のハードウェア

正面 背面

 今回、見たのは店頭用モデルの下位機種「MT200/1A」で、店頭予想価格は65,000円前後の見込みだ。店頭で販売されるNEC製PCとしては際だって安い。

 マージンを抑えることができる直販が中心のメーカーと異なり、ある意味、国内PC市場を育ててきた存在であるNECにとって、店頭売りを廃止するわけにもいかず、苦心のあるところだと思う。

右側面。こちら側が開く 左側面 ケースのカバーは、ドライバなしで開く

 ボディはメーカー機としては大きめのタワーケースで、フロントパネルは樹脂素材で丸みを帯びたデザインになっている。また、大きく「ValueOne」のロゴが入っている。

 ケースのカバーは、ドライバーレスで開けられるようになっている。ケース内部はスカスカでかなり余裕がある。

 試作機のためか、ケーブル類はすべてまとめられているわけではなく、一部垂れ下がった状態だった。このあたりはNECらしくビシっとまとめてほしいところだ。

マザーボード 5インチベイと3.5インチベイ HDDはフロントパネル裏に縦に設置

 マザーボードもシンプルなもので、CPUにCeleron D 335(2.80GHz、FSB 533MHz)、チップセットはIntel 845GV(ビデオ機能内蔵)、メモリ256MB(最大2GB)を搭載する。空きスロットはPCI×2で、AGPスロットはない。

 空きベイは5インチ×1、3.5インチ×1で、ケースの上部にある。なお、HDDは、フロントパネル裏に縦に設置されていた。

 インターフェイスはUSB 2.0×5、Ethernet、PS/2、D-Sub15ピン端子、56kbpsモデムなどだ。3つあるPCIスロットのうちの1つをモデムが使用しているが、スロットを使ってまで装備する必要があるかどうか疑問だ。

フロントパネルを閉めた状態。5インチベイの下側はダミー フロントパネルを開けた状態。3.5インチベイの横にUSBインターフェイス

 光ドライブは、ケースのカバーで覆われているタイプで、標準状態でも2つドライブが搭載されているように見える。イジェクト時にはカバーが自動で開くようになっている。

 USB端子はフロントにもあるが、3.5インチベイなどと一緒に、普段はスライドカバーに覆われている。また、位置はもう少し低い方が使いやすいと思う。

 OSはWindows XP Home Edition(SP2)で、ライティングソフトなど最小限のソフトがインストールされている。

 キーボードやマウスは、低価格機種向けのごく普通のものであり、インターフェイスはPS/2だ。

フロントパネルの「ValueOne」のロゴは「NEC」より大きい イジェクト時の光ドライブ。フロントパネルの曲線もよくわかる PS/2インターフェイスのキーボードとマウス。キーボードにも「ValueOne」のロゴ

 パフォーマンスは、一般的な動作には問題のないレベルであり、シンプルな環境は好ましく感じた。

 総じて、eMachinesの低価格PCやショップブランドのホワイトボックスPCを使っているような印象で、特にNECらしさは感じられなかった。

 一言で、いえば、典型的な低価格PCであり、それ以上でもそれ以下でもない。

●ベーシックとして成長してほしいシリーズ

 以上のようにValueOneの最初のモデル「MT200/1A」のハードウェアをみてきたわけだが、やはり腑に落ちないのは「拡張性のために大きめのタワーケースを採用しているのに、なぜAGPスロットがないのか」ということだ。

 これが、省スペースを優先した省スペースPCならばAGPスロットがないことは納得できるのだが、わざわざ大型のケースを採用しながら、マザーボード側で拡張性を制限しているのは矛盾している。AGPスロットがあるだけで、3D性能を必要とするゲームにも対応できるし、また液晶ディスプレイへのデジタル接続といういう用途も生まれる。

 まだしも、eMachinesのように、ローエンドはAGPなし、1つ上はAGPありというようになっていれば、わかりやすかったと思う。ちなみに、eMchinesの場合、その差額は1万円だが、1万円で可能性が買えて、使い続けられる期間も長くなるのなら安いと思う。

 また、低価格機にしてもデザインは安っぽい。ベーシックな製品こそ上質な造形であってほしいし、せめて、もうちょっとシンプルなものであってほしいと思う。個人的には「ValueOne」の大きなロゴはない方がいいと思う。

 NECを始めとする国内PCメーカーにとって、TV録画機能を真っ先に訴求する高付加価値の製品は主力製品であり、命綱だ。低価格でシンプルな製品の投入は、舵取りしだいでは、それらの製品群に影響を与える可能性がある。

 そういう状況下での投入は勇気のいることであり、前向きに受け止めたい。本機はまだ「ValueOne」ブランドの最初の1台であり、やや物足りないところもあるが、そういう意味では画期的な商品だと思う。

 NECのブランドやサポート力は定評のあるところであり、その魅力を備えたシンプルな製品シリーズとして、今後の展開に期待したい。

□NECのホームページ
http://www.nec.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.nec.co.jp/press/ja/0502/0801.html
□関連記事
【2月8日】NEC、低価格シンプル路線の「ValueOne」シリーズ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0208/nec.htm
【2月4日】10万円を切る「VAIO type B SPEC-S」試用記
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0204/sony.htm

(2005年2月9日)

[Reported by date@impress.co.jp]

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