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2005 International CES基調講演レポート

HP会長兼CEO カーリー・フィオリーナ氏基調講演レポート
〜HDTV対応の新型エンターテイメントPCが披露

会場:Las Vegas Convention Centerなど

会期:1月6日〜9日(現地時間)



 2005 International CESの2日目となる7日(現地時間)、Hewlett-Packard(HP)のカーリー・フィオリーナ会長兼CEOによる基調講演が行なわれた。

 内容は前回の講演の続きとも言えるもので、デジタルエンターテイメントについてこの1年間で成し遂げられた実績について紹介されたほか、未発表の新型エンターテイメントPCもお披露目された。

●HPの役割はアナログからデジタルへの変革の加速と統合

 フィオリーナ氏の登場に先立ち、1本の映像が流された。この中では数人の若者が登場し、デジタルカメラで写真を撮影し、それをPCに取り込み、お気に入りの音楽をつけてスライドショーを作成。最後にはDVDにして、プロジェクターでみんなで鑑賞するといったストーリー。実はこのビデオに出てくるすべての製品はHPの製品。

HPの製品を使ってデジタルエンターテイメントを楽しむ若者達の映像

 映像の終了とともに、登場したフィオリーナ氏はまず「デジタルの時代において、夢見ることができるものは、成し遂げることができる。見ることができるものは、撮影できる。想像できるものは、実際に創造できる」と切り出した。

カーリー・フィオリーナ氏

 続けて、「デジタル革命は技術と、デジタル革命が実現する体験を民主化することです。そして、そのデジタル革命は今ここに実現しました。先ほどお見せしたビデオにでてきたものはどれも昨年1月には存在していませんでしたが、このクリスマスシーズンに店頭に並びました」と語り、この1年間で、デジタルカメラ、TV、プロジェクターなど、プロセスやコンテンツをデジタル化、モバイル化、バーチャル化、個人化するための多くの成果を成し遂げたことを示した。

 そしてフィオリーナ氏は、「ここでの焦点は製品ではなく体験なのです」と言う。

 フィオリーナ氏は「コンシューマエレクトロニクスが、誰もが同じものを同じように体験する受動的なエンターテイメントだとすると、デジタルエンターテイメントは、自分たちが望む体験を創造できる“積極的な参加”なのです」と定義づけ、デジタルエンターテイメントにより、ユーザーは自分のストーリーを創造し、伝え、共有できるようになると、そのメリットを語った。

 ここで、フィオリーナ氏は、「HPの役割はアナログからデジタルへの変革の加速と、物理的世界とデジタル世界の統合を手助けすることにある。製品や機器ではなく、ユーザーを体験の中心に据え、簡素化、革新、個人化、製品の低価格化の架け橋になる」との立場を示した。

●映画業界での貢献

 続いてフィオリーナ氏は、制作サイドでの同社の実績について、ゲストを交え紹介した。

DreamWorksのCEOジェフリー・カッツェンバーグ氏

 最初に招かれたのは、映画スタジオDreamWorksのCEOジェフリー・カッツェンバーグ氏。カッツエンバーグ氏は、今年の5月に公開予定のアニメーション映画「Shark Tale」についての逸話を披露した。

 昨年、同社はShrek2とShark Taleの2本の映画を制作した。Shark Taleの封切りを控え、ポストプロダクションの追い込みに入っていたとき、ヴェニス映画祭から同作品をプレミア上映したいと申し出があった。このときすでに制作スケジュールはタイトだったが、プレミア上映に間に合わせるには、スケジュールをさらに1カ月早める必要があった。

 そこで同社は、500 CPU分のレンダーファームをHPに発注したところ、他の会社では3カ月かかるところ、3日ですべてを用意したという。また、この上映は広場にスクリーンを設置して上映するという初めての試みがなされたが、その際にもHPが協力し、すべてをうまくこなすことができたと、カッツエンバーグ氏はフィオリーナ氏を称えた。

 また、新たな脚本家と映画監督を発掘するコンテスト「プロジェクト・グリーンライト」プロデューサーのクリス・ムーア氏と、俳優のマット・デイモン氏も、同プロジェクトへのHPの支援に対してビデオで賛辞を寄せた。

ヴェニス映画祭でのスクリーン設営の様子 5月に米国で公開予定の新作「Madagascar」のワンシーンが特別に上映された 「プロジェクト・グリーンライト」のクリス・ムーア氏(左)と、マット・デイモン氏(右)がビデオで登場

●新たなコンテンツ配給方法

CBS、ABC News、Warner Brothersと協業し、過去の映像コンテンツのデジタル復元に取り組む

 TV業界における実例としては、CBS、ABC News、Warner Brothersとの協業で、過去の映像コンテンツをデジタルで復元し、ユーザーが見たいときに視聴できるシステムの構築について紹介された。

 このようなコンテンツの配給について、今もっとも有望視されている方法としてフィオリーナ氏はIPTVを挙げた。IPTVではユーザーが好きなときに好きな番組を試聴できる。

 しかしながらIPTVはシステムの負荷が高く、スケーラビリティの高いシステムが要求される。この点についてフィオリーナ氏は、Orca Interactiveとの協業で50万視聴者の負荷に耐えられるベンチマークを達成したと語り、IPTVが実現可能なものであることを示した。

 もう1つのコンテンツ配給の事例としてNokiaとの協業による、「visual radio」が紹介された。visual radioは、携帯電話を通じて、ラジオ番組で流れている音楽の情報や、着メロを入手したり、コンサートのチケットを購入できるほか、インタラクティブに番組に参加する機能などを備えたシステム。

 フィオリーナ氏は、visual radioは番組制作者、視聴者だけでなく、広告主や音楽業界などにも新しいメリットを提供するものだとした。visual radioは今年上半期中にヨーロッパおよびアジアパシフィック地域で商業利用が開始される予定。

Nokiaと共同開発した「visual radio」 visual radioの主な機能

●新エンターテイメントPC「HDTV Media Hub」

 ここまではインフラ面やバックエンドでの話に終始してきたが、後半ではコンシューマ製品についての取り組みが紹介された。

 最初に披露されたのは、今秋リリース予定のエンターテイメントPCで、同社が米国で販売している「Digital Entertainment Center」の後継機。「HDTV Media Hub」と呼ばれるこの製品は、その名の通りHDTVチューナを2枚内蔵した家電風デザインのPC。

 既存のMedia Center PC同様、音楽、動画、写真などのデジタルデータをリモコン操作で視聴可能で、HP独自の番組ガイド、楽曲の情報検索サービス、新サービスの自動アップデート機能などを備える。

 ハードウェア面の特徴としては、筐体前面からHDDを脱着できるほか、レーザーでディスクのラベル面にタイトルなどを刻印できる「LightScribe機能」対応の書き込み型DVDドライブを搭載する。

「HDTV Media Hub」 モックアップと思われるが、会場には実物も登場した HDTV Media Hubのユーザーインターフェイス
HP独自の番組ガイド 写真はいろいろなカテゴリを指定して一括表示できる サムネールは多段階に大きさを変えられる

 昨年から同社が参入したTV製品については、新たに17機種に及ぶHDTVとプロジェクターが2005年中に投入される。従来製品はプラズマのみだったが、リアプロジェクションおよびフロントプロジェクションタイプのものも追加される。

 これらの機種はすべて同社独自の「Visual Fidelity技術」を搭載。同技術はコストを上げずに解像度を2倍に向上させるほか、すべての画素を解析しノイズ除去や、動き補償を行なうもので、フィオリーナ氏はこれらの製品が単なるOEM製品ではないことを強調した。

 このほか、歌手のグウェン・ステファニーさん、ベネッサ・カールトンさんもステージに登場し、ステファニーさん自身がデザインしたHP製デジタルカメラや、カールトンさんのアルバムジャケットをあしらったiPod用スキンが紹介された。

 最後にフィオリーナ氏は、MTVとユニセフと共同で、先頃スマトラ沖で発生した地震による被害者のためのチャリティイベントを行なうことを発表。1人でも多くの人に参加してほしいと呼びかけ、講演を締めくくった。

グウェン・ステファニーさん ステファニーさんデザインのデジタルカメラ
ベネッサ・カールトンさんのアルバムジャケットをあしらったiPod用スキン カールトンさんは会場で演奏と歌を披露した

□2005 International CESのホームページ(英文)
http://www.cesweb.org/
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0107/ces03.htm
【2004年1月9日】フィオリーナ会長がHP版iPodを披露
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0109/ces06.htm

(2005年1月8日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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