石井英男のDigital Life

多目的電波時計「infoview」レビュー
〜ワイヤレスで温度・湿度が測定可能




 今回は、PCとは直接関係はないのだが、面白そうなデジタルグッズということで、カシオ計算機の多目的電波時計「infoview」を紹介したい。infoviewは、今年6月末に発売された製品で、筆者は9月中旬に購入した。

カシオ「infoview」左はデスクトップタイプの「DQR-1J」、右は壁掛けタイプの「IDR-1J」

●40kHz/60kHz両対応で日本全国どこでも使える

 電波時計という言葉もすっかり定着した感があるので、ここでは簡単に説明しよう。電波時計とは、標準電波送信所から送信される正確な時刻情報を載せた標準電波を受信して、時刻を自動的に修正する仕組みを備えた時計のことだ。

 標準電波の時刻情報はセシウム原子時計から生成される「日本標準時」と呼ばれるものだ。その誤差は、実に10万年で1秒というもので、月差15〜30秒程度のクオーツ式時計に比べて、はるかに精度が高い。つまり電波時計は、永久的に狂わず、時刻あわせをし直す必要がない時計と考えてよい(もちろん、標準電波を受信できない場所では、通常のクオーツ式時計と同等の精度になる)。

 現在、日本の標準電波は、福島県の「おおたかどや山標準電波送信所」と、佐賀県と福岡県の県境にある「はがね山標準電波送信所」の2カ所から送信されている。ただし、それぞれの送信所から送信される電波の周波数は異なり、前者は40kHz、後者は60kHzで送信されている。

 条件の良いときは、送信所から約1,000km離れた場所でも受信可能とされているが、約500kmを超えると電波が弱くなるので、環境によっては受信しにくくなることがある。電波時計によっては、40kHzまたは60kHzのどちらかにしか対応していない製品もあるが、カシオ計算機の「infoview」は40kHzと60kHzの両対応で、自動的に近い送信所の電波を利用するようになっているので、日本中どこでも使える。

 infoviewには、デザインの違いによって、机などに置いて利用するデスクトップタイプの「DQR-1J」と、壁掛けタイプの「IDR-1J」の2製品があるが、基本的な機能はほぼ同一である(ただし、IDR-1Jでは最高最低温度や最高最低湿度の表示機能、快適範囲表示機能、傾向表示機能、アラーム機能はない)。希望小売価格は、前者が22,050円、後者が26,250円だ。

 筆者は、デスクトップタイプの「DQR-1J」を購入した。大手カメラ店などでは、3割引程度(1万円台半ば)で販売されているようだ。

 DQR-1Jは、大型の液晶パネルを装備しており、月日や曜日、時刻などの表示も見やすい。電源は単3アルカリ電池5本で動作し、電池寿命は約1年とのことだ。

 筆者は鉄筋マンションに住んでいるが、室内のどこでも標準電波の受信は可能であった。受信感度も十分なようだ。標準電波は、1日に24回(1時間に1回)自動的に受信する仕様になっている。

infoviewのデスクトップタイプ「DQR-1J」。液晶パネルが大きくて見やすい DQR-1J本体の大きさは、ほぼVHSテープと同じくらいだ
本体の左側面には、アラームスイッチが用意されている 本体の右側面には、アラーム時刻セットボタンとUP/DOWNボタンが用意されている 本体は、単3アルカリ電池5本で動作する

●ワイヤレスで複数箇所の温度や湿度を計測できる

 infoviewの最大の特徴は、子機が標準で1台付属しており、本体が置かれている環境の温度と湿度だけでなく、子機が置かれている環境の温度と湿度を監視できることだ。

 子機から本体へのデータ送信は426MHz帯の特定小電力無線を利用しているため、ケーブルを接続する必要はない。子機は、カセットテープ程度の大きさで、液晶パネルも備えており、子機単体でも温度と湿度を表示できる。

 子機から本体への通信は、6分に1回の間隔で行なわれる。電波の到達距離は、見通しで約30mとのことで、小電力タイプのコードレスホンとほぼ同等と思えばよいだろう。実際に試してみたところ、IEEE 802.11bがギリギリ届くくらいの環境でも、問題なく子機との通信が可能であった。なお、子機を壁掛けで設置するためのホルダーも付属している。

 子機の液晶パネルでは、温度または湿度を切り替えて表示することになるが、本体では、温度と湿度を同時に表示できる。温度や湿度が前回測定したデータに比べて、上昇傾向にあるのか、下降傾向にあるのか、それとも変わっていないのかが、矢印マークで表示されるのも便利だ。また、本体正面の下側にあるプッシュオープンボタンを押すと、3つのボタンが現れる。これらのボタンによって、本体または子機の最低/最高温度や最低/最高湿度を表示できるほか、快適な温度、湿度の範囲を設定することも可能だ。

 子機(DTX-10J)は、単体でも販売されており(希望小売価格5,985円)、最大3台まで増設できる。子機を複数利用する場合は、本体右側面のUP/DOWNボタンで表示を切り替えられるほか、一定時間で自動的に切り替えることも可能だ。子機は、単3アルカリ電池2本で動作する。こちらも電池寿命は約1年である。

左がDQR-1J本体で、右が子機のDTX-10J 子機は、カセットテープとほぼ同じ大きさで、液晶パネルも装備している 子機は、単3アルカリ電池2本で動作する
本体の液晶パネル。時刻の下に表示されているのが温度と湿度で、上が室内(本体)、下が子機からのデータである 温度や湿度が前回のデータと比べて、上昇傾向にあるのか、下降傾向にあるのか、また変わっていないのかが、矢印マークで表示される。この写真では、室内の温度が上昇傾向にあり、子機1の湿度が下降傾向にあることがわかる 本体正面下側のプッシュオープンボタンを押すと、3つのボタンが現れる。左から、最高最低温度ボタン、最高最低湿度ボタン、セット/クリアボタンである
室内(本体)の最高最低温度表示。クリアボタンを長押しすることで、最高と最低の記録がクリアされる 室内(本体)の最高最低湿度表示。室内でも、天候によって湿度の変化がかなり大きいことが分かる

●価格はやや高いが、離れた場所の温度と湿度が分かるのはなかなか便利

 infoviewは、単なる電波時計ではなく、離れた場所の温度や湿度計測が計測できるので、アイデア次第でさまざまな役に立つ。

 例えば、ベランダなどに子機を設置しておけば、部屋にいながらにして、外の温度と湿度が分かるので、外出の際の服装を決めるときの参考になる。エアコンを一日中かけていたりすると、外の気温が分からなくなりがちだが、外の温度と室内の温度が分かれば、無駄な冷房や暖房をしなくてすむので、省エネルギーにも貢献しそうだ。

 ベランダ菜園などをやっている場合も、外気温を知ることは重要だ。野菜は夏の高温に弱いものが多いので、気温が高くなってきたら、日よけをするといった対処が必要になる。ただし、子機(本体も)は防水仕様になっていないので、ベランダなどの屋外に設置する場合は、雨がかからないように注意すること。

 また、赤ちゃんがいる家庭などでは、部屋の温度だけでなく、湿度も適切な範囲に保っておくことが大切になる。これから冬に向けて、空気が乾燥しやすくなるが、湿度があまり低いと、のどを痛めたり、皮膚のバリアー作用が失われ、アトピー性皮膚炎などが起きやすくなってしまう。infoviewがあれば、室内の湿度がすぐにわかるので、適切な湿度(一般的に、のどによい湿度は40〜70%程度。赤ちゃんの場合は55%前後が望ましいとされている)に保つ手助けになる。子供部屋に子機を置いて、常に温度と湿度を監視しておけば安心だ。

 その他、室内の温度が上昇しやすい真夏は、PCにとっても厳しい環境だ。特にPCをオーバークロック動作させている場合などは室温が上がると、熱暴走しやすくなる。サーバー用PCなどを連続稼働させている人も多いことだろうが、そうしたPCを置いてある部屋の温度を、ほかの部屋から監視するといった用途にも使えるだろう。

 実勢価格で1万円台半ばというのは、時計としては高いと思われるかもしれないが、標準で子機が1台付属し、2カ所の温度と湿度を計測できることを考えれば、十分リーズナブルといえるだろう。離れた場所の温度や湿度が分かることを活かして、上で紹介したような使い方をしたいという人はもちろん、正確な時計が欲しいが、単に時刻を表示するだけの時計ではつまらないという人にもお勧めしたい。

□製品情報
http://www.casio.co.jp/ww/waveceptor/products/infoview/

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(2004年10月26日)

[Reported by 石井英男]


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