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SAMSUNG、新型MP3プレーヤーや液晶パネル工場などを公開

10月6日~8日




 韓国のSAMSUNG Electronicsは6日から8日までの期間で、水原ならびに天安にある同社施設や新製品などを日本の報道関係者に公開した。

●新型携帯プレーヤー

 SAMSUNGのグループ会社でMP3プレーヤーなどを手がけるBLUETEKは7日、現在開発中の新携帯型プレーヤーを公開した。なお、日本市場での販売、価格については未定となっている。

 「YP-T6」はMP3/WMA/ASF/Oggに対応した音楽専用機。記憶装置はフラッシュメモリで128/256/512MB/1GBの容量が用意される。マイク/ライン入力による録音機能を備えるほか、オプションでFMチューナも用意される。

 電源は単4電池×1で、約20時間の連続再生が可能。本体サイズは22.2×22.8×54.5mm(同)。PCとのインターフェイスはUSB 2.0。3行表示の液晶モニタを装備する。同社では、従来機より操作性を向上させたとしている。

 「YP-MT6」はYP-T6の単3電池対応モデルともいうべき製品で、機能やデザインはYP-T6を踏襲している。連続再生時間は約42時間。本体サイズは25×24×61mm(同)。4行表示の液晶モニタを装備する。

YP-T6 YP-MT6

 「YP-T7」は、YP-T6の音楽機能に加え、65,000色表示可能なCSTN液晶モニタを備え、JPEG画像とテキスト表示に対応したモデル。こちらも記憶装置はフラッシュメモリで、128/256/512MB/1GBの容量が用意される。

 マイク/ライン入力による録音機能を備えるほか、オプションでFMチューナも用意されるのも同様だが、指定した時間にラジオの録音を行なう機能を備える。音楽機能はYP-T6に準ずる。PCとのインターフェイスはUSB 2.0。

 本体サイズは約37.3×14.7×62.5mm(同)。電源はリチウムポリマーバッテリで、約10時間の連続再生が可能。

 「YH-820」は音楽と写真の再生に対応したモデル。記憶装置は容量5GBの1インチHDDで、65,000色表示可能なCSTN液晶モニタを備える。対応音楽フォーマットはMP3/WMA。マイク/ライン入力による録音機能を備えるほか、オプションでFMチューナも用意される。

 本体サイズは約50×14×88.3mm(幅×奥行き×高さ)。電源はリチウムポリマーバッテリで、約7時間の連続再生が可能。PCとのインターフェイスはUSB 2.0。

 「YH-926」はMotion JPEG動画の表示に対応したモデルで、これまで日本でも参考展示された経緯があるが、より詳細な仕様が公開された。

 記憶装置は容量20GBの1.8インチHDDで、26万色表示可能なTFT液晶モニタを装備。USBホスト機能を備え、他のUSB機器を接続できる。PCとのインターフェイスはUSB 2.0。音楽機能はYH-820に準ずる。

 本体サイズは約61.5×16.6×61.5mm(同)。電源はリチウムイオンバッテリで、約9時間の連続再生が可能。

YP-T7 YH-820 YH-926

 同社Patrick Han氏(Manager, Product Planning Group yepp Business Team)によれば、2005年の携帯型プレーヤー市場は、HDD搭載製品が増えるとともに、フラッシュメモリ製品の“GB化”が進むという。また、大容量化に伴い、ビデオ再生機能搭載機も増えるという。

 現在、韓国では携帯型音楽端末としてMP3プレーヤーがもっとも売れているが、同社では今後、著作権保護機能(DRM)への対応が重視されると見ており、特に日本市場ではWMAなどDRM対応フォーマットの採用を積極的に行なっていく予定であることを明らかにした。

BLUETEKのPatrick Han氏 2005年携帯型プレーヤーのキーワード

●HDDはモバイル向けへ注力

 同じく7日に、HDD事業の説明会も開催された。

SAMSUNGのChul-Woo Lee氏

 SAMSUNGのHDDというと、自作市場では競合他社に押され、なじみの薄い印象があるが、Chul-Woo Lee氏(Vice President/Ph.D. Advanced Product Development Group Storage System Division Semiconductor Business)によれば、生産施設の拡大により、2004年の出荷台数は2003年の1,600万台から一気に2,800万台に伸び、今後も毎年45%の割合で成長する見込みだという。

 しかし、2004年以降3.5インチHDDの生産量は3千万台程度のまま推移させ、代わりに2004年から生産を開始した2.5インチHDDおよび、2005年から生産開始予定の0.85インチHDDを大きく拡大させていく予定だという。

 これは、3.5インチHDD市場が今後も年5~10%前後の割合で成長すると見られているものの、競争が激しく、利益があまり望めないためで、より大きな利益と成長が見込めるモバイル市場へ注力していくためだ。

 このほか、同社製品の多くが、EUで2005年より実施される特定有害物質の使用制限指令(RoHS指令)に対応している点や、他社よりも厳しい基準でテストを行ない、信頼性に優れているといった説明がなされた。

●液晶パネルの生産ラインを公開

 8日には、天安にある液晶パネルの生産ラインが公開された。ただし、写真撮影は許可されなかったため、文章のみでのレポートとなる。

 ライン内は埃などの侵入が許されないクリーンルームとなっているため、報道陣もクリーンルーム専用の着衣に着替えての取材となった。

 まず、ロッカールームで専用のズボンに履き替えた後、エアシャワーを通って次の部屋へと進む。次の部屋では、先ほどのズボンの上からツナギ、頭巾、専用の靴を着用し、マスクで顔の下半分を覆う。最後に手を洗い、布製の手袋の上にビニール製の手袋を着けて、着替え終了となる。半導体工場ほどクリーンさを要求されないためか、目の部分だけは外気に触れたままの状態となる。

 5m程度のエアシャワーを通り抜けると、生産ラインへの入り口へ到着。最初の部屋では、液晶の各板を張り合わせる作業を行なう。まずは、偏光板やガラス板が張り合わせられ、続いて、フィルムケーブル、PCBが接続されていく。各工程の間には洗浄作業が行なわれ、徹底的に埃などを排除しているのが印象的であった。また、要所要所で機械による不良チェックも行なわれる。この部分はほぼ完全にオートメーション化されており、ほとんど人影はなかった。

 続いてバックライトや、金属枠などが取り付けられ、パネルとしてほぼ完成する。これ以降の検査は主に目視による検査となる。検査を通過したパネルは、恒温槽で高温エージングされ、再検査、そしてクーリング後、再び検査を受け、このラインでの全工程が終了する。

 同工場の生産能力については明らかにされなかったが、ノートPC、液晶ディスプレイ、液晶TV用に15~46型のパネルが、8時間シフトの3交代制で24時間製造されているという。

□SAMSUNG Electronicsのホームページ
http://www.samsung.com/
□関連記事
【10月7日】サムスン、新型デュアルヒンジ搭載の液晶ディスプレイなど
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1007/samsung.htm
【4月26日】サムスン、FMチューナ内蔵MP3/WMAプレーヤー「yepp」(AV)
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20040426/samsung2.htm
【2003年1月20日】Samsung、韓国 水原工場のPC生産ラインを公開
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0120/samsung2.htm

(2004年10月12日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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