西川和久の不定期コラム

Panasonic LUMIX DMC-FX7で撮ってみました!



OLYMPUS CAMEDIA AZ-1

菅野真理子@ネットアージュ

 今回はPanasonic LUMIX DMC-FX7の登場だ。24.2mm(最薄部19.9mm)のスリムなボディに、2.5型 11.4万画素 低温ポリシリコンTFT液晶という巨大な液晶パネルを搭載、光学式手ブレ補正ジャイロまで付いた500万画素機だ。非常に面白そうだったので、早速モデルの子を連れ撮影してきた。

 今回もコントラストを若干強調する目的でPhotoshopのトーンカーブだけを触った写真を掲載している。サムネイル先の写真は、300万画素(2,048×1,536ピクセル)へリサイズした。あらかじめご了承いただきたい。

Text by Kazuhisa Nishikawa


●Panasonic LUMIX DMC-FX7の仕様

 仕様の詳細はメーカーの製品情報をご覧頂きたいが、大雑把なところでは、有効500万画素1/2.5インチCCD搭載、35mmフィルム換算35~105mm/F2.8-F5.0の光学3倍ズーム、ワイド端で5cmまで寄れるマクロ、メモリはSDメモリーカード、専用バッテリ、ISO感度Auto/80/100/200/400といった感じだ。露出制御がP(プログラムオート)と、かんたん/通常撮影/マクロ/ 動画に加えシーンセレクトが10種類。最近のコンパクトカメラとしては一般的な仕様だろう。

 最大の売りは、2.5型 11.4万画素 低温ポリシリコンTFT液晶と光学式手ブレ補正ジャイロを搭載していることだ。実機を持って一番驚いたのは液晶ディスプレイの大きさ。裏全部が液晶か!? と思うほどのサイズである。もちろん、メニューなどに使われる文字も比率的に大きくなる。

 画面も標準の状態でかなり明るい。この記事の最初のカメラを持っている写真だけ他社のコンパクトカメラを使っているが、液晶を見た瞬間、故障しているのかと感じるほど暗かった。普通でもこれだけ明るいのに、[パワーLCD]ボタンを押すと更に約40%明るくなるというから驚きだ。手ブレ補正については、常にONになっているモード1と、シャッターを切った時にだけ反応するモード2がある。資料によると、モード2の方が補正効果は高いとされている。

 掲載した写真は全てISO:80/WB:Daylight/画質:ファイン/撮影モード:P(プログラムオート)で撮影した。手ブレ補正はモード2を使用。ロスレス回転だけ行なったオリジナルデータ一点をここに置くので参考にしてほしい。

ワイド端1
ワイド端1
この時期、この場所で撮影すると緑被りが凄いのだが、うまく補正している様だ
ワイド端2
ワイド端2
ワイド端になると被写界深度はかなり深く、道路の後ろの葉っぱまでくっきり写っている
約60mm相当
約60mm相当
絞りF4.0、シャッタースピード1/20秒でも補正ジャイロのおかげて手ブレしていない
約50mm相当
約50mm相当
肌色と木漏れ日、道のグレー、赤に緑に黄色、いろいろな色が破綻せずに写っている
ワイド端3
ワイド端3
緑の透明感や光の感じが良く出ている。葉脈までしっかり写るのは500万画素の威力か
約60mm相当
約60mm相当
逆にどの写真も髪の毛の写りは非常に大雑把。数本がまとまった感じになる

●使用感は!?

 持った感じは非常によく、薄型にありがちな「かっこいいけど持ちにくい」というタイプではない。片手でも両手でもしっかりホールドできる。ただし、親指の裏が場合によっては十字キーの[露出補正]ボタンにあたってモードに入ってしまうことがあった。起動時間やAFの反応、書き込み速度は良好。何時も筆者が気にする露出補正は、先に書いたように十字キーの上に割り当てられており、一発で呼び出せるのでそれなりに使いやすい。さらに下ボタンはレビューモードに割り当てられ、再生モードにしなくても画像の確認や拡大、削除、ヒストグラム表示が行なえる。いちいちモードダイアルを触る必要がなく便利だ。

 残念ながらバッテリ駆動時間は液晶が大きいだけあってあまり良い方ではない。少し使っているとすぐにバッテリインジケータが減ってくる。ただし、いったん電源を落としある程度の時間がたつとフルの状態に戻るので枚数的にはそれなりに撮れる。十字キーの左下にあるボタンは1秒間の長押しでパワーLCDモードへ、普通に押すとディスプレイのモードが切り替わる。マニュアル露出が無いとは言え、リアルタイムヒストグラム表示が出来るので上級者にも好まれるだろう。以前、CAMEDIA AZ-1を使ったときに気になった、液晶で見た時の明るさ/コントラストとパソコンで表示した場合のギャップもまったくなく非常に安心して撮影できる。

 画質に関しては、下の作例PHOTO-2で見られるように色乗りがなかなか良くトーンは柔らかい雰囲気で自然。ただ、500万画素機としては少し解像感が不足しているように思われる。特に髪の毛はテレ端でもワイド端でも寄っても引いても結果は同じ。数本がまとまった大雑把な感じであり、更に途中で切れているように写ってしまう。ローパスフィルタとシャープネスの兼ね合いだと思われるが、もう少しキッチリ出して欲しい。他の細かい部分の写りは500万画素級なのにこの点だけが残念な部分だ。

PHOTO-1
PHOTO-1
PHOTO-2
PHOTO-2
PHOTO-3
PHOTO-3
PHOTO-4
PHOTO-4
PHOTO-5
PHOTO-5
PHOTO-6
PHOTO-6

 さて、もう一つの売りである手ブレ補正はなかなか強力! 常時モード2(シャッターを押した時に補正する)にしていれば普通に操作している分にはなかなかブレない。とは言え、テレ端はF5.0なのであまり明るい方ではない。ラフに扱っているとさすがにブレるのは仕方ないところだ。絶対にブレないわけではないので、セオリー通りきちんと構えて撮影してほしい。

 この手ブレ補正自体に文句を言うつもりは全くないものの、どうも最近のデジカメは本機に限らずISO50~80程度とISO感度が低い。もちろんISO感度を上げれば取り合えず写るが、これではノイズが増えラチチュードも狭くなるので好ましくない。更にズームするとF値も上がり結果シャッタースピードは下がってしまう。従って普通の人が撮影すると手ブレが増えるので手ブレ防止機能を搭載する……といった流れだろう。しかしこれは筆者的には納得し辛い理屈である。常用の感度を上げるのが筋ではないだろうか。現在のフィルムで一般的な感度はISO400だと思われるが、現在それに一番近いのは富士フィルムのスーパーCCDハニカムのISO200が唯一の存在である。ほかは高くてもISO100、低いのだとISO50とフイルムとはかけ離れた値になっている。この部分を根本的に改善した上での手ブレ補正機能搭載であれば大歓迎だ。


●総論

MOVIE(QuickTime)

MOVIE(QuickTime、約11MB)

 このDMC-FX7、非常に良くまとまっていて好印象。機能面やデザインで不満な部分は特に思い浮かばない。写りに関しては髪の毛の描写が惜しいものの全体的にはなかなかいい感じである。更にCMの効果か認知度は抜群! このカメラを見た人全員が知っていたのには驚いた。

[Text by 西川和久]


□LUMIX DMC-FX7製品情報
http://panasonic.jp/dc/fx7_2/index.html
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【8月25日】【新製品レビュー】松下電器産業 LUMIX DMC-FX7
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0825/drev009.htm
【7月21日】松下、光学手ブレ補正付スリムコンパクト「DMC-FX」シリーズ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0721/pana3.htm

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(2004年9月24日)

[Text by 西川和久]


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