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マイクロソフト、Office 2004 for Mac発売イベントをアップルストアで開催
~古川氏が幻の「ソニーのMac」について語る

6月18日開催



 マイクロソフト株式会社は18日、アップルストア銀座において、同日発売となる「Office 2004 for Mac」の発売記念イベントを開催した。

 Microsoft コーポーレートバイスプレジデントの古川享氏らが、Windows版で搭載されていない、Mac版独自の機能を紹介したほか、古川氏がAppleにスカウトされた逸話などが披露された。

●Windows版に未搭載の新機能などを紹介

マイクロソフトの五十嵐章氏

 イベントではマイクロソフトの執行役 パーソナルビジネス事業部 事業部長の五十嵐章氏らが、Office 2004 for Macの新機能などを紹介。

 五十嵐氏はOffice 2004 for Macのコンセプトを「Mac First、Mac Only」とし、Windows版にないMac独自の機能を積極的に搭載していく姿勢を表明した。

 中でもExcelにおいて、印刷時のレイアウトを見ながら編集できる「ページレイアウトビュー」機能や、グラフを半透明にする機能など、Windows版にはない機能が搭載されていることをアピール。同様にPower Pointの発表者用画面がWindows版から改良されていること、Wordには議事録の作成が容易になるノートテイキング機能なども紹介された。

STANDARD EDITIONが16日に、PROFESSIONAL EDITIONが7月23日に発売される。PROFESSINAL EDITIONにはVirtual PCとWindows XP Professionalが付属する Macintoshのイメージにあわせて、カドが丸い特殊なパッケージを採用。組立が大変とか
Excelのページレイアウトビュー。ヘッダやフッタを含め、出力時のイメージのまま編集できる 1ページに収まるよう、自動的に修正する機能もある Mac独自の配色が用意されるグラフ。透明度を設定できるのも今のところMac版のみ
Mac版PowerPointの発表者画面。残り時間が表示されるなどの改良が加えられている Wordのノートテイキング機能。チェックボックスを入れたり、録音した音声を項目と同期させたりできる Entourageのプロジェクトセンター。スケジュールやメール、各種ファイルを統合して扱える。ファイルはOffice以外のソフトのファイルも利用可能

 一方でWindowsとの互換性も重視されているとし、MS Pゴシック、MS P明朝フォントが搭載され、Unicodeへの対応が図られていること、Windowsのテキストレイアウトエンジンが移植されており、両者で同じレイアウトが再現されることなどが紹介された。

 さらに、7月23日に発売されるProfessional Editionには、「Virtual PC for Mac Version 7 with Windows XP Professional」が同梱され、さらに互換性が高められるとした。

 Macコミュニティ代表として登場したジャーナリストの林信行氏は、Wordのノートテイキング機能における、録音機能を紹介。議事録に録音データを同期させられる機能で、テープ起こしの手間が省けると述べた。これを受けてマイクロソフト マッキントッシュ製品開発グループの林栄太氏は、「(ノートテイキングの際に)日本人は文字入力に気をとられてしまうので、これを補うために録音機能を搭載した」と語った。

Unicodeをサポート、MS Pフォントを搭載した Mac版とWindows版で同じレイアウトが維持される PowerPointの互換性チェック機能。様々なプラットフォーム、バージョンのファイルとの互換性をチェックし、問題箇所を修正できる

●幻の「ソニーの銀色のMac」

マイクロソフトの古川享氏

 Microsoft コーポーレートバイスプレジデント 兼 マイクロソフト 執行役 最高技術責任者の古川氏は、Office 2004 for Macのデモの前に、MicrosoftとAppleの20年間を振り返り、いくつかの“秘話”を披露した。

 同氏はまず「個人的にAppleを敵だと思ったことはないし、会社としてもよいパートナーだった」と、両社が反目してきたのではないと強調。両社間には人的交流があり、製品のアイデア、技術で切磋琢磨する関係にあるとした。

 氏個人としても、Apple I/II、Commodore PETといった製品との出会いがコンピュータの道に進むきっかけになったとし、初代Macintoshを発売日に買い、今でも持っていること、マイクロソフトの社長時代には自らExcelのサポートの電話に出たことなどを語った。

AppleとMicrosoftの20年の歴史 MultiPlanやMicrosoft ChratのMacへの移植から歴史はスタート。Excelは初め、Mac OS向けに作られた
Macintoshの前に座る若き日のビル・ゲイツ マイクロソフト社長時代の古川氏 初代iMacの発表イベントにOffice 98を持って登場した古川氏。ワイシャツを破り捨ててMac OSとOfficeのマークが付いたTシャツを見せるパフォーマンスで、アップルコンピュータの原田社長(当時)よりも目立ってしまった

 また、ジョン・スカリー会長兼CEO時代に、日本法人の社長としてスカウトされた逸話を披露。クパチーノ(Apple本社)に「クリーム色のMacをAppleから、銀色のMacをソニーから出したい。ソニーからMacを出す交渉の全権をゆだねてくれたら社長になる」と語ったが却下されたこと、同時期にソニーの出井会長も、Macを作りたいとクパチーノと交渉していた、などの秘話が明らかにされた。

 「(ソニー製のMacが実現していれば)今頃、Windowsのシェアは絶対変わっていた」と、お祭りモードのせいか、いつにもましてサービストークたっぷりの古川氏だったが、最後は「会社として、個人として、Macintoshカルチャーの担い手であったと思っている。Macintoshとともに生き、ともに働きながら、よい世界を築いてきた」と述べ、Appleとの共生を継続する姿勢を明らかにした。

 イベントには、多数の一般の来店者も参加。質疑応答でも古川氏をはじめとするマイクロソフト関係者と、活発な意見交換を行なっていた。

マイクロソフト主催のイベントだが、Apple Storeリージョナルディレクター日本担当のスティーブ・キャノ氏(左)、アップルコンピュータ プロダクトマーケティング WWDR部長の服部浩氏ら、Apple関係者もゲスト出演
Mac専門誌3誌編集長によるパネルディスカッション アップルストア銀座横のショーウィンドウに展示されたOffice 2004 for Mac

□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
□マイクロソフト Mac関連製品のホームページ
http://www.microsoft.com/japan/mac/default.asp
□関連記事
【4月7日】マイクロソフト、Macintosh版「Office 2004」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0407/ms.htm
【5月19日】Office 2004 for Mac体験版ダウンロードスタート
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0519/ms.htm

(2004年6月18日)

[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]


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