東芝松下ディスプレイテクノロジーのミニノートPC向け液晶

会期：4月7日～9日

会場：東京ビッグサイト

入場料：無料(登録制)

　電子ディスプレイ製品の展示会「EDEX2004 電子ディスプレイ展」が7日、東京ビッグサイトで開幕した。EDEX2004は電子ディスプレイの専門家を対象とした展示会で、電子ディスプレイの材料、製造装置等の展示会「SEMI FPD Expo 2004」と併催されている。会期は9日まで。

　最近のフラットパネルディスプレイ関連展示会の例にもれず、携帯電話や家電、産業用途向けの製品が大半を占め、技術的に成熟したPC向けのディスプレイの出展は少ない。一方で、ノートPCやデジタルカメラ向けの小型ディスプレイでは新製品が活発に発表されている。ここではPCとデジタルカメラに関連する展示をピックアップしてレポートする。

●東芝松下はモバイルPCに注力、ミニノートPC用パネルを出品

　“スキャナ機能付き液晶パネル”などで注目を集めてきた東芝松下ディスプレイテクノロジーだが、今回は鬼面人を驚かせるような展示はない。が、ノートPC向けの製品や技術展示に力が入っており、EDEX2004では“もっともPC色の濃いブース”といえるかもしれない。

　中でも興味深いのは「ミニノートPC向け」として展示された新製品の液晶ディスプレイ「LTD056ET0S」。5.6型、WSVGA(1,024×600ドット)で、221ppiと高精細な表示が可能となっている。熱狂的なファンはいるものの、最近ではなかなか新製品の出ない分野だけに、搭載製品の登場が期待される。

東芝松下のミニノートPC向け液晶「LTD056ET0S」

　このほか同社ブースでは、15.4型WUXGA(1,920×1,200ドット)、12.1型WXGA(1,280×768ドット)、12.1型SXGA+(1,400×1,050ドット)、10.4型XGA(1,024×768ドット)といった新製品や、0.2mmt、0.3mmtの極薄ガラスによる液晶ディスプレイ軽量化技術の展示など、ノートPC/モバイル機器向け液晶ディスプレイの展示に力を入れていた。

ノートPC向け15.4型WUXGA液晶「LTD154EZ0S」	ノートPC向け12.1型WXGA液晶「LTD121EX1S」	Tablet PC向けの12型SXGA+液晶「LTD121KM2S」
Tablet PC向け10.4型XGA液晶「LTD104KA3S」	ガラスを0.5mmtから0.3mmtにすることで約20%軽量化した	携帯電話向けだが、0.2mmtガラスを採用したパネル。向こう側は0.5mmt

●シャープはデジカメからPCまでラインナップ

　ノートPC、デジカメ、携帯電話、家電、産業向けと幅広い製品を展示したシャープのブースで目立ったのは、2.6型VGA(640×480ドット)、300ppiの高精細CG液晶。VGAA表示により、PDAなどでPCとの親和性が高くなるとしている。

　また、15型XGAで500cd/平方mもの超高輝度を誇るノートPC向けTFT液晶ディスプレイや、15.4型WUXGA(1,920×1,200ドット)、17型WUXGAのASV TFT液晶ディスプレイ、1.5型のデジタルカメラ向けモバイルASV液晶ディスプレイなどが展示された。

2.6型VGAのCG液晶	15型XGAで500cd/平方mの超高輝度液晶は参考出品	15.4型のWUXGA ASV液晶

●日立はデジタル一眼レフ向け3型液晶を展示

　携帯電話向け、アミューズメント向けといった小型パネルが目立った日立ディスプレイズでは、デジカメ用TFT低温ポリシリコン液晶モジュールを2機種展示。

　その1つは、デジカメ用としては大きな3型で、出展者ガイドには「デジタル一眼レフ用」と記述されている。IPS(In-Plane Switching)、全透過＋微反射型パネルなどの採用により、視野角の広さや視認性の高さがアピールされている。画素数は960×240ドットで、RGBフィルタはデルタ配列となっている。同じ技術を使った2.2型液晶も展示されている。

　また同ブースでは、2.5型の15万画素有機ELディスプレイを参考展示。同社独自の「発光期間変調方式」を採用し、均一な画像表示や滑らかな動画表示を実現したとしている。コントラスト比1,000:1、厚さ1.8mmで、デジカメ向けパネルに多いデルタ配列を採用している。

デジタル一眼レフ向けの3型液晶。薄さがわかるよう、回転台に展示されていた。2.2型も用意される
発光期間変調方式を採用した、2.5型の15万画素有機ELディスプレイ

●エプソンは「写真高画質」のパネル

　エプソンブースでは「写真高画質」をうたう低温ポリシリコンTFT液晶がいくつか展示された。

　デジタルカメラ向けの2.5型のほか、3.9型を参考展示。同社が2003年に発売した3.8型液晶を積むフォトストレージ「P-1000」が関連づけて展示されており、同様の製品向けと思われる。P-1000のパネルはVGAだったが、参考展示された3.9型パネルはXGAとなっていた。

　このほか1.6型の高温ポリシリコンTFT液晶や高分子有機ELディスプレイなどが参考展示された。

2.5型のデジカメ/携帯機器向け低温ポリシリコンTFT液晶ディスプレイ
参考展示された3.9型低温ポリシリコンTFT液晶ディスプレイの近くにはP-1000が展示されていた		1.6型の高温ポリシリコンTFT液晶ディスプレイ。通常はプロジェクタに使われるものを、直視型としたもの。製品化しても高価すぎるので、あくまで技術デモとして展示された

●韓国勢も非PC向けが中心

　サムスン電子、LG Philipsの韓国勢は、家電向けの大型パネルや携帯電話向け、アミューズメント向けの製品を中心に展示。PC関連ではサムスンの1.6型 デジカメ向け製品や、LG PhilipsのノートPC向け15.4型WUXGAが展示されていた。

サムスン電子の1.6型デジカメ向け液晶。デルタ配列をとる	LG PhilipsのノートPC向け15.4型WUXGA液晶ディスプレイ

□EDEX2004のホームページ
http://edex.jesa.or.jp/
□関連記事
【2003年4月9日】EDEX2003 電子ディスプレイ展開幕
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0409/edex.htm
【2003年10月30日】最新フラットパネルディスプレイが集まる「FPD International 2003」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1030/fpd.htm

(2004年4月7日)

[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]