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480Mbpsの転送速度を実現する「ワイヤレスUSB」規格
〜NECが説明会を開催

2月19日発表


 NECエレクトロニクス株式会社は19日、最大480Mbpsでの転送を可能とする無線USB規格「ワイヤレスUSB」の説明会を開催した。

●UWBの採用で480Mbpsを実現

 ワイヤレスUSBは、Intel、HP、Microsoft、Agere、Philips、Samsung、NECの7社が18日付け(米国時間)で結成した「Wireless USB Promoter Group」が同日発表したUSBの新規格。その名が示すとおり、PCや機器間を無線でつないで、データ転送を行なう。正式な規格は12月に策定される見込み。

ワイヤレスUSBの主な特徴

 ワイヤレスUSBの基本構成は、無線部分(物理層)とUSB部分(論理層)とに別れ、無線技術は「UWB(Ultra Wide Band)」を採用する。UWBは、広い帯域の周波数帯を複数のバンドに分割し、それらを束ねて同時に使用することで転送速度を高めた無線技術。

 ワイヤレスUSBでは、3mの距離でUSB 2.0と同じ480Mbpsの転送速度を実現。最大到達距離は10m程度で、10mでの転送速度は110Mbps程度になるという。

 既存のUSB同様、1つのホストに複数の機器を接続可能。機器の最大接続台数は128台。同時アクセス時の1台あたりの転送速度は機器の数で割った形となるが、QoS(Quality of Service)が実装される予定で、特定の機器に広い帯域幅を割り当てられる。

 また、1台の機器を複数のホスト機器で共有することもできる。そのため、ワイヤレスUSBプロトコルには、セキュリティや認証機能が実装される。

 UWBは広い帯域の周波数帯を使用するため、少なからず既存の無線機器と周波数帯を共有することとなるが、電波の出力強度を低く抑えることなどで干渉を避けるよう設計されている。

 また、各国での電波規制に対応できるよう、禁止されている周波数帯を使用せず、別の周波数帯を割り当てる技術も盛り込まれている。ただし、ワイヤレスUSB機器が、利用地域を検知して自動的に使用帯域構成を変更するか、それとも各国向けに設定を固定して出荷するかどうかは現在検討中だという。

 なお、国内ではUWBの一般利用は認められていないが、現在規制緩和に向け総務省で協議が行なわれている。

●幅広い採用が見込まれるも、既存規格とは棲み分け

 ワイヤレスUSBの用途は、既存のUSB機器とほぼ重複するが、高速性、接続の簡便性などの面から、映像データのストリーミング転送など、デジタル家電でも多く採用されることが期待されている。

ワイヤレスUSBの利用想定シーン

 ただし、ポート経由の給電機能は装備しないため、バッテリ駆動に適さない機器などではワイヤレスUSB登場後も有線USBの採用が続くと思われる。また、給電機能を持った、有線USB機器向けのワイヤレスUSB Hubなども製品化の予定があるという。

 PCやコンシューマ機器向けの高速無線規格としては、IEEE 802.11a/b/gの無線LANやBluetoothが先行しているが、消費電力およびコストの面でワイヤレスUSBは、無線LANより低く、Bluetoothよりは高いものになる見込みという。

 機能面では、ワイヤレスUSBが「ワイヤレスPAN(Personal Area Network)」と言われる、狭い範囲での接続を対象としているのに対し、電波の到達距離が長く、公衆無線LANなどが装備されている無線LANとは一定の棲み分けがなされると予想される。

NECエレクトロニクスの新津茂夫氏

 一方、Bluetoothとは多くの点で競合し、性能面でワイヤレスUSBが優位に立つが、同社第二システムLSI事業部 事業部長の新津茂夫氏は、「Bluetoothは今後も携帯電話のヘッドセット用などの分野で生き残るのでは」との見方を示した。

 ネットワーク機器としてはEthernetとも競合しうるが、Promoter Groupでは、ネットワークの基幹部分はEthernetが受け持ち、枝葉部分でワイヤレスUSBが用いられるという利用を想定している。

 NECは、USB 1.0からUSBの規格策定に加わっており、ワイヤレスUSBでも、ワイヤレスUSBプロトコルの論理回路の開発を担当する。NECエレクトロニクスでは、2005年に自社の論理チップと他社のUWB PHYの2チップ構成の製品を他社に先駆けて出荷開始する予定。2006年後半までにはUWB PHYも自社開発し、1チップ化を目指す。

 当初、PC向けはPCIインターフェイスカード、周辺機器やノートPC向けにはUSBポート接続のモジュールなどが製品化される見込みだが、チップセットへの統合や、ASIC化による実装も視野に入っているという。

 ワイヤレスUSBの普及について新津氏は、「LANでも無線LANが登場から数年で一気に普及が進んだことから、USBでも同様に無線化が進むだろう」と語った。

 なお同社は、現在米国で開催されているIntel Developer ForumでワイヤレスUSBを用いた業界初のデモを実施する。

NECエレクトロニクスでのワイヤレスUSBの開発ステップ NECがIDF会場でデモする試作機

□NECエレクトロニクスのホームページ
http://www.necel.com/index_j.html
□ニュースリリース
http://www.necel.com/ja/news/archive/0402/1901.html
□関連記事
【2003年4月11日】UWBによる250Mbpsの無線通信を世界初披露
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0411/idf05.htm
【2002年2月15日】米連邦通信委員会、超広帯域無線通信技術「UWB」の商用利用を認可(INTERNET)
http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2002/0215/uwb.htm

(2004年2月19日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]


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