プロカメラマン山田久美夫のデジタルカメラレポート

ついに姿を現したコニカミノルタのデジタル一眼レフ



α-7 Digital(仮称)

 いまカメラ業界で、もっともホットなのはデジタル一眼レフ市場だ。キヤノン、ニコン、富士フイルム、ペンタックス、オリンパス、京セラ、シグマなど、既存の35mm一眼レフメーカーが続々と新製品を投入している。

 なかでも、昨秋の「キヤノン EOS Kiss DIGITAL」に始まった10万円代前半の低価格路線は、これまで縁遠かったデジタル一眼レフを一気に身近な存在にしてくれた。

 そのなかで、近年、沈黙を守ってきた“最後の大物”であるコニカミノルタが、PMA初日に待望のデジタル一眼レフ「MAXXUM 7 DIGITAL」を発表した。

 もともと、同社はコニカとの合併前のミノルタカメラ時代、他社に先行し、デジタル一眼レフ「RD-175」を発売していた老舗メーカー。そのため、今回は“新規参入”ではなく、“再参入”になるわけだ。

 今回の発表は、PMA初日である12日の朝8時から開催された、同社のコンファレンスの中で紹介された。もちろん、このタイミングで発表することで、PMAの話題独占を目論んだわけだ。

 しかし、今回の発表は、あくまでも開発発表というレベルであり、製品の詳細な仕様までは公開されていない。

 また、会場に展示された実機は、まだ稼働しないモックアップの状態。実際の発売は、今秋とアナウンスされており、まだ半年ほど先のことだ。

 そこで今回は、公開された数少ない情報や外観から想像される、その姿を推察してみたい。

●ユーザー待望のAPSサイズ600万画素CCD搭載機

 今回PMAで発表された「MAXXUM 7 DIGITAL」。この「MAXXUM」というブランドは聞き慣れないと思うが、これは米国でのブランド名であり、日本で言うところの「α(アルファー)」に対応するもの。

 日本国内向けのニュースリリースでは仮称ながらも「コニカミノルタ α-7 Digital」(以下、α-7 Digital)というネーミングとなっている。

 モデル名からもわかるように、本機のベースとなったのは、35mm一眼レフの中堅機である「α-7」だ。

 同機は35mm一眼レフながらも、背蓋部に大型液晶を配置しており、見るからにデジタル一眼レフのベースボディになりそうなデザインだ。実際、同機は発表当初から、デジタル一眼レフのベースボディになると噂されており、その点では大方の予想を裏切らない展開となった。

 もちろんレンズマウントは、現行のαシリーズで採用されている「ミノルタAマウント」を踏襲。これまで発売された同社の純正αレンズのすべてが利用できるという。

 撮像素子は、APS-Cサイズの600万画素CCDとアナウンスされている。他社でいえば「 EOS Kiss DIGITAL」や「EOS 10D」、「ペンタックス *istD」、さらには話題の「ニコン D70」などが、このクラスのセンサーを搭載している。

 そして、本機はベースボディーが同社の中堅機「α-7」であることから見ても、「EOS Kiss DIGITAL」のようなベーシックモデルではなく、中堅クラスのモデルであると推測できる。

 つまり、ライバル機は「EOS 10D」、「D100」、「*istD」らのモデル。現時点の実売価格でいうと、20万円弱という感じだろう。

 10万円代前半の普及価格帯を期待していた人にとっては、やや期待はずれかもしれないが、再参入第一弾としては賢明な選択といえる。

●CCDシフト式ブレ補正機能を一眼レフに世界初搭載!

 ミノルタ、コニカの両社は、ともに合併以前から独創性(独自性)を重視する社風があり、世界初が好きなメーカーだけに、今回の「α-7 Digital」にも驚くべき新技術が投入されている。それが「CCDシフト式ブレ補正機能」だ。

 これはレンズ一体型モデルである「DiMAGE A1」で先行投入されたもので、レンズ交換式デジタル一眼レフでは世界初となる画期的な技術だ。

 概念を簡単に紹介すると、撮影時に起こるブレによる画質低下を軽減するため、ボディの動きをセンサーで検知。その信号を元に、CCD駆動用アクチュエーターによりCCDを逆方向に移動させながら撮影することで、相対的にブレを補正しようというわけだ。

 これまでも、このような機械的な動きによるブレ補正機能は存在したが、通常は撮影レンズの光学系の一部を移動させて補正する「光学式手ブレ補正」が主流。

 この方法では、当然のことながら、レンズ側にブレ補正機能が必要になる。これがレンズ一体型モデルなら、何の問題もないが、一眼レフシステムのように、必要に応じて、レンズを交換して撮影するシステムの場合、各レンズすべてにブレ補正機能が必要になってしまう。

 だが、「α-7 Digital」が採用した、CCD移動方式であれば、補正系がボディ側にあるため、原理的にはすべての交換レンズで手ブレ補正機能を活用した撮影ができることになり、システム一眼レフにとってはまさに夢のような機能だ。しかも、現行のAマウントのレンズでも、ブレ補正機能が働くため、他社システムのように新たに高価なブレ補正レンズを購入する必要がない点が最大の魅力といえる。

 正直なところ、この機能がどのレンズでもキッチリとした効果が発揮されるのかは未知数ではある。ただし、αマウントユーザーならずとも、この機能を使いたくて「α-7 Digital」を新規に購入するという人がいてもおかしくないし、それだけの魅力がある機能といえる。

●意外にオーソドックスな外観

 今回、PMAの同社ブースでモックアップを見たときの第一印象は「意外に普通だなあ」というもの。再参入といえども、その第一弾はインパクトが不可欠なため、もう少し冒険的なデザインでもいいのではないかと思うが、一眼レフの場合、既存の交換レンズ群とのデザイン的な整合性という面倒な問題があるので、そんなに冒険はできないのだろう。

 サイズ的にも、「*istD」ほどコンパクトではないが、無難なレベルといえる。

 操作部はシンプルなもの。背面右側に撮影関係、左側に再生関係の操作部が配置されており、よく整理されている感じだ。また、ホワイトバランスやISO感度設定といった、デジタルカメラならではの操作部は、右手の指先が届きやすい位置に専用ボタンが設けられていて好感が持てる。

 また、背面右側下部には、手ブレ補正機能のON/OFFスイッチが設けられている。三脚撮影や厳密なフレーミングをしたい場合に、補正機能を切った方が使いやすいケースもあるため、そのための配慮と思われる。

●価格は15〜20万円か?

 やはり一番気になるのは実売価格だが、これについては全くアナウンスされていない。

 だが、常識的に考えれば、同画素数のAPS-Cサイズセンサー搭載の“中堅機”にCCDシフト式ブレ補正機能がプラスされること、今秋という発売時期を考えあわせると、価格帯は15〜20万円というあたりが濃厚だ。

 考えようによっては、多少ボディーが高価でも、ボディー側にブレ補正機能があるため、他社システムのように高価な手ブレ補正機能搭載レンズを揃えるよりも遙かにリーズナブルなシステムになる可能性もありそうだ。

 残念ながら、現時点では、“とらぬ狸の皮算用”状態のため、確定的なことはなにもいえない。だが、少なくとも本機の登場により、ミノルタαシステムユーザーは、これまでのAマウントレンズを無駄にすることなく、デジタル一眼レフに移行することができる。

 さらに、全レンズが自動的にブレ補正機能標準搭載になるのだから、これまでブレ補正機能搭載レンズが少なかったミノルタαユーザーにとっては、一石二鳥どころか、一石三鳥、一石四鳥ともいえる魅力あるデジタルシステムが構築できる。

 発売までには、より詳しいスペックもオープンになると思われるので楽しみに待ちたい。少なくとも、「待っていてよかった」と素直に思える、魅力あるデジタル一眼レフに仕上がっていることを期待しよう。

□コニカミノルタのホームページ
http://konicaminolta.jp/
□ニュースリリース
http://konicaminolta.jp/about/release/kmhd/2004/0213_01_01.html
□関連記事
【2月13日】【PMA】コニカミノルタ、デジタル一眼レフを発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0213/pma04.htm

(2004年2月14日)

[Reported by 山田久美夫]


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