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JEITA、今年度の国内PC出荷を上方修正へ
~PCの平均単価は過去最安値に

JEITA篠崎雅継委員長

1月22日 発表



 社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は、2003年1~12月の国内PC出荷実績を発表した。これによると、出荷台数は前年比5%増の1,056万2,000台となり、3年ぶりに前年実績を上回った。金額ベースでは単価下落もあって、前年比4%減の1兆6,095億円と3年連続のマイナス成長。

 台数ベースでは、上期は前年同期比2%減と低迷したものの、7~9月が24%増と高い伸びを見せたこと、10~12月も5%増となったことで、下期では14%増と2桁の成長率を維持した。

 同協会では、2004年1~3月も最低でも5%以上の成長率が見込めるとして、2003年4月~2004年3月までの年度見通しを上方修正。当初は前年比4%増の1,020万台としていたものを前年比5%増の1,070万台とした。

2003年1~12月 総出荷実績 1~12月期 本体出荷金額推移 2003年4月~2004年3月 出荷予測

 「正式な数値としては9%増への上方修正となるが、気持ちとしては2桁増を見込みたい」(同協会)と意欲を見せている。だが、1台あたりの平均単価では当初は15万4千円としていたものが、15万円になると修正。台数を上方修正した分、金額ベースでも1兆5,700億円から1兆6,000億円へと上方修正したものの、前年実績の1兆6,160億円を下回ると見ている。

 「企業需要の回復に比べて、個人需要の回復が遅れていたが、徐々に右肩上がりの傾向を見せており、元気を取り戻してきたようだ。暦年や10~12月の実績では、企業が1割弱の伸び率に対して、個人需要は微増に留まっているが、TV機能やDVDを搭載したPCの売れ行きがいいこと、ノートPCの需要が伸び始めていることを考えると今後の個人需要の回復が期待できる」(同協会パーソナルコンピュータ事業委員会・篠崎雅継委員長)との見通しを示した。

 今後の市場拡大のキーワードとしては、ブロードバンドサービスの普及、モバイルコンピューティング利用の拡大といった市場動向に加えて、企業においては、大規模および中堅企業におけるY2K問題以降のリプレース需要の本格化、景気回復に伴う中小企業での導入促進やIT投資促進税制の影響、個人需要では小中学生、高校生が自分用のPCを購入するなど家庭において複数台の利用が促進されること、新・三種の神器といわれるDVDや薄型TV、デジタルカメラの売れ行き拡大にあわせて連動した使い方が増加すると予測されることなどをあげた。

今後の市場拡大キーワード コンシューマ系・前年同期比推移

 2003年10~12月の出荷実績は、台数ベースでは前年同期比5%増の250万7,000台、金額ベースでは前年同期比8%減の3,656億円となった。

 台数ベースでは前年実績を上回り、これで3四半期連続でのプラス成長。新たに統計に参加したアロシステムが伸び率で数%の上乗せという効果を及ぼしているが、その分を差し引いたとしてもプラス成長の実績になったと見られる。

 例年10月に投入される予定の冬モデルが、個人向けPCのリサイクル制度の開始に伴って、9月に前倒しで発売されたため、必然的に10月の出荷数量が例年よりも少なくなると見られたため、前年割れも指摘されていたが、年末商戦に向けて個人需要が回復してきたことも影響して、プラス成長を維持できたことは、回復基調に転じはじめたと判断できる材料ともいえ、評価に値するだろう。

 篠崎委員長も「10~12月は、もう少し悪いと思っていた」と本音を漏らすが、10~12月がプラスで推移したことは、事実上の目標としている年度見通し前年比2桁増達成に向けて、弾みがついた格好ともいえる。

 形状別では、ノートPCが前年同期比3%増の135万5,000台、デスクトップPCは8%増の115万2,000台となり、ノートPCが全体の54%を占めた。

 今回の調査では、PCの平均単価が、'78年の調査開始以来、最安値となったことが特筆される。

 今回の発表によると、ノートPCの平均単価は15万2千円と、7~9月に比べて1万円も下落しており、前年比では9%下落。デスクトップPCは、12万8千円となり、前年同期の15万1千円から2万3千円も下落した。全平均単価は14万6千円。同協会では、「単価下落の決定的な要因は見つからない」(篠崎雅継委員長)としているが、アロシステムの参加によって、低価格の単体製品の出荷がカウントされた影響も見逃せないだろう。

 なお、マイクロソフトがWindows 98のサポート期間を延長したことの出荷への影響については、ほとんどないとしている。

1~12月期 形状別出台数推移 平均単価推移

□JEITAのホームページ
http://www.jeita.or.jp/japanese/
□ニュースリリース
http://it.jeita.or.jp/statistics/pc/h15_3q/index.html
□関連記事
【1月14日】マイクロソフト、Windows 98/Meのサポートを2006年6月30日まで延長(INTERNET)
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/01/14/1738.html
【2003年12月21日】JEITA集計、上期の国内パソコン出荷は2桁増
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1021/jeita.htm
【2003年4月23日】JEITA発表、2002年度国内PC出荷は8%減の984万台
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0423/jeita.htm

(2004年1月22日)

[Reported by 大河原克行]


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