Macworld Conference&expo / San Francisco 2004

Macintoshとともに歩んだMicrosoftの20年
〜Office 2004 for Macは、今年上半期に出荷予定


会場:San Francisco The Moscone Center
(モスコーニセンター)

会期:1月6日〜9日(現地時間)



MicrosoftのMac向けソフトの歴史が見渡せる展示。ポイントになる部分には旧Macと対応するOfficeのコンポーネントがインストールされている

 Macintoshにとって20年来のパートナーとなるMicrosoftのブースは、Apple Computerブースの隣にある。ブース中央のシアターでは、初日の基調講演でも紹介されたOffice 2004 for Mac、そしてVirtual PC 7のデモンストレーションが繰り返し行なわれている。その周囲にはWord、Excel、PowerPoint、Entourage、そしてVirtual PCのスタンドがあるが、これらのスタンドでは2004ではなく現行のOffice v.Xなどがデモされている

 Microsoftブースの見所のひとつは、シアターの背後に設置されているMicrosoftのMacintosh対応ソフトの歴史を綴ったコーナーだ。年表とともに、その時代に合ったMacとOfficeが展示されている。はMacintosh SEとWordの組み合わせから始まって、Macintosh II CiとOffice 1.0、Quadra650とOffice 4.0、初代iMacにはOffice 98、そして液晶iMacにはOffice v.Xといった具合である。

 基調講演では1984年を振り返ったもののApple Computerのブースにはこうした旧Macの展示はなく、Microsoftのブースにあるというのもなかなかおもしろい。

すべてはここから始まった。'84年1月に発表されたWord 1.0。デモ機はMacitosh SEでメモリ4MB、HDD 20MB Word、Excel、PowerPointが揃った初めてのOffice 1.0。'89年6月に発表されている。デモ機はMacitosh II ciでメモリ20MB、HDD 75MB。写真でわかるとおり、アプリケーションは1枚800KBのフロッピーを使ってインストールする
Quadra650にインストールされたOffice4.0。当時のOS、System7に搭載されたPublish&Subscribeにいち早く対応した。以降は'98年のiMacのOffice 98、2002年の液晶iMacのOffice v.Xへと続く Microsoftブース中央のプレゼンテーションシアター。Office 2004 for MacをはじめVirtual PC 7、現行のOffice v.Xが繰り返しプレゼンテーションされている シアターの周囲に配されているスタンド。こちらでは、現行製品のデモが行なわれている。写真はVirtual PC 6.1をデモしているスタンド

●日本でもOffice 2004へのスマートアップグレードキャンペーンを実施

ジョブズCEOの基調講演で紹介されたOffice 2004 for Macのパッケージ写真。右側の黒いパッケージが、新しく加わるProfessional Edition。Virtual PC 7とWindows XP Professionalが加わっている

 注目のOffice 2004 for Macだが、現地時間1月6日の発表を受け、日本でも1月8日付けでアップグレードの詳細が発表された。米国におけるTechnology Guaranteeと同様に、日本国内でも「Microsoft Office 2004 for Mac スマートアップグレードキャンペーン」が実施される。

 同キャンペーンでは、1月9日以降に現行のOffice v.Xを購入したユーザーが、Office 2004 for Macの発売後に優待価格の4,000円(税別)で、同製品を入手できるというキャンペーンだ。また、Office 2004 for Macから追加されるVirtual PCを加えたProfessional Editionにも1万円(税別)でステップアップできる。

 このキャンペーンは、1月9日よりOffice 2004 for Macの発売30日後まで継続される。現在、Office 2004 for Macの発売は2004年上半期中が予定されている、なお、すでにOffice v.Xを所有しているユーザーへのアップグレード価格や、通常製品の販売価格などについては発売日とともに後日あらためて発表される。

●海外メディア向けに行なわれたインターナショナルブリーフィング

Macintosh Bussiness Unitのジェネラル・マネージャ、Roz Ho氏

 Microsoftによるインターナショナルブリーフィングでは、米国以外から訪れたメディアに向けて同社のMacintosh Bussiness Unitの紹介と、Office 2004 for Macのデモがあらためて行なわれた。

 冒頭挨拶したジェネラルマネージャのRoz ho氏は、彼女がMicrosoft入社後に、初めて参加したプロジェクトがOffice for Mac 1.5であったこと、そしてこれまで参加してきたいかなるOfficeプロジェクトよりも、今回のOffice 2004 for Macの完成度が高いことなどを、昨日の基調講演に引き続いて強調した。

 Office 2004 for Macの実際のデモは、Macitosh Bisiness UnitでDirector of Marketing & Business DeveloperをつとめるTim McDonough氏によって行なわれた。この内容は、スクリーンに表示された実際の画面をもとに、写真を使って簡単に説明する。デモはEntourage 2004、Word 2004、Excel 2004、PowerPoint 2004の順に行なわれた。

ここでもMicrosoftの'84年のWord 1.0以来となるMacとの20年が紹介された Office 2004 for Macの発売は2004年上半期を予定。英語、仏語、独語、日本語、スペイン語、スウェーデン語の各国向けパッケージに加えて、新たにイタリア語版も出荷される。また、Virtual PC 7の単独パッケージも、従来の、英、仏、独、日に加えて、スウェーデン版が追加される Office 2004では、待望のUnicodeサポートが実現する。Office v.Xまでは日本語フォントで9,000種類の字形しか使うことができなかったが、Office 2004からは16,031種類の字形まで拡張されることになる。また、MS P明朝、MS Pゴシックの搭載で、Windowsで作成された書類との互換性がより高まる

●Entourage 2004

 Office 2004で搭載される“プロジェクト・センター”は、電子メールや各種ファイル、連絡先、会議表そして作業表などを一括して管理して簡単に操作できる機能。Entourageのルック&フィールによる表示と利用が可能なので、使い勝手が従来の同等の機能よりも向上している。こうしたプロジェクト情報は、形式を変更することなく他者と共有することができる。


●Word 2004

 Wordに加わったのはノートレイアウトビュー機能。罫線のついたノートをイメージしたツールで、文字、画像、マーキングなど情報の種類を問わずに記録することが可能。基調講演でもデモされたように、音声も記録できるほか、タブレットなどを使った手書き文字も利用できる。

 Windows向けに提供されている「OneNote」の機能をWordに搭載したと考えるとわかりやすい。また、スクラップブックが、パレットとして独立して表示できるようになっているので、画像やテキストのクリッピング、ペーストが容易にできるようになっている。


●Excel 2004 & PowerPoint 2004

 Excelは基調講演と同じように、ページレイアウトビュー機能を紹介。マージン、ヘッダ、フッタそしてページレイアウトなどを印刷物に模して設定できるようになっている。2ページにまたがってしまうようなデータを、1ページにおさめるといった作業が簡単にできるようになっている。

 またPowerPointでは、互換性レポートを紹介。デモでは、Office 2004で作成したプレゼンテーション資料を、他の機器などで再生する際、再生する環境のPowerPointのバージョンを指定することによって互換性の乏しい部分や、問題の発生を回避する方法を指示してくれるというもの。デモではPowerPointを使って紹介されたが、同様の機能はWordとExcelにも搭載される。


●Tim McDonough氏インタビュー

Mac BUのDirector of Marketing & Business Developerの Tim McDonough氏

 ブリーフィング終了後、Office 2004 for Macについて実際にデモを行なったMac BUのDirector of Marketing & Business DeveloperのTim McDonough氏にインタビューをする機会を得た。最後にその内容を紹介する。

[PC Watch]:Mac OS Xではマルチ言語のサポートが進み、ワールドワイドで1バイナリ、つまり1セットのインストールディスクで世界各国に対応するようになっています。Microsoft Officeで、そうした対応をとる計画はあるでしょうか?

[Tim McDonough氏]:新しい言語をサポートするということは常に考えていることです。しかし、Officeパッケージのローカライズということになると1言語あたり数百万ドルという大きな投資を必要とするので慎重に考えなければいけません。

 現在のOfficeで提供している各国語版は、それだけで十分に需要があるものばかりです。多国語対応にした場合、ドキュメントやサポートを含めてパッケージの中の(自分の言語にあった)1/6の情報(テンプレートや素材なども含めて)を得ることになりますが、それよりもその言語に見合うすべての情報のみが得られた方がいいと私たちは考えているわけです。

 ローカライズは複雑な作業を伴い、またマルチ言語化はファイルサイズと、パッケージのボリュームのマネージメントも伴うことになります。多言語化の検討は続けていきますが、現在多くのユーザーのニーズは各国語版の充実だととらえています。

[PC Watch]:今回はOffice 2004 for Macのアカデミック版、スタンダード版、プロフェッショナル版がアナウンスされましたが、Word、Excelなどコンポーネント単位の販売は継続して行なわれるのでしょうか?

[Tim McDonough氏]:リリースにもあるように、Virtual PCについて単体パッケージでの販売も行なわれます。その他のコンポーネントについては現在お話することはでききませんが、いずれアナウンスすることになると思います。

[PC Watch]:Virtual PC 7では、ほかのOSもサポートされるのでしょうか?

[Tim McDonough氏]:プロフェッショナル版に含まれるVirtual PC 7にはWindows XP Professionalが含まれますが、単体パッケージではHome Edition、Professionalの両方が用意されます。

[PC Watch]:Office 2004で作成されるファイルの下位互換性はどうなっているでしょうか?

[Tim McDonough氏]:Officeでは数年来、MacとWindowsを問わずに同じファイル形式を使い続けています。Wordなら.doc、Excelなら.xls、PowerPointなら.pptの付いたファイルであれば、バージョンを問わずに利用することができるでしょう。Windows 98でOffice 97を使っていても、またMac OS 9でOffice 98を使っていても大丈夫です。

 しかし基本機能以外の追加された部分については、Office 2004に含まれているコンパチビリティ・チェッカーを使って受け渡しを行なうことで、利用できない部分とその対処方法がわかるようになっています。

[PC Watch]:MSN Messengerについてですが、Windows向けのバージョンは6.1、Mac向けは3.5とずいぶんと離れてしまいました。Mac用のMSN Messengerが現在のWindows版と同等の機能を持つようにはできないのでしょうか?

[Tim McDonough氏]:MSN Messengerのバージョンアップはこれからも継続されます。元々Mac版はWindows版よりも遅れて発表されたのでバージョンはずいぶんと離れていますが、表面的な数字の大きさほど機能が異なっているわけではありません。

 Mac版の機能追加は、Macのユーザーに有益なものをチョイスしてそれを優先的に行なっていく方針になっています。次は、Office 2004 for Macの発売にあわせてアップデートが行なわれる予定です。

[PC Watch]:ありがとうございました。

□Macworld Conference&Expoのページ(英文)
http://www.macworldexpo.com/
□米Apple Computerのページ(英文)
http://www.apple.com/
□関連記事
【1月8日】Macworld Conference&Expo基調講演レポート
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0108/mw03.htm

(2004年1月9日)

[Reported by 矢作晃]


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