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TRONSHOW2004レポート
〜極小キューブPCやCEとの複合機を展示

ミカンと並んだ極小キューブPC「T-Cube」

会期:12月11〜13日

会場:東京国際フォーラム ホールB7

入場料:1,000円



 T-Engineフォーラムらが主催する、T-EngineとTRON関連の展示会「TRONSHOW2004」が11日、東京国際フォーラムで開幕した。

 T-Engineは、ユビキタスコンピューティング環境を実現するための、組込みシステム向けのオープンプラットフォーム。T-Engineハードウェア規格と、リアルタイムOSカーネル「T-Kernel」で構成される。TRONプロジェクトリーダーの坂村健 東京大学教授が提唱し、実現したもの。

 TRONSHOWは、T-EngineおよびTRON採用製品のメーカー、開発者らを主な対象とした展示会だが、PC用のTRON準拠OS「超漢字」関連製品など、PCユーザーにも興味深いものが出展されている。

 また、9月に発表された、T-Engine+Windows CE.NETのハイブリッドアーキテクチャが動作する機器が展示され、こちらも大きな注目を集めている。

●T-Engineベースの極小キューブPC「T-Cube」

 パーソナルメディア株式会社とNECのブースには、T-EngineベースのキューブPC「T-Cube」が参考展示されている。

 T-Cubeは本体サイズが52×52×45mm(幅×奥行き×高さ)、重量が165gと、手のひらサイズの超小型キューブPC。CPUはMIPSアーキテクチャのNEC VR5701 400MHzで、メモリは64または128MB、1,280×1,024ドット(SXGA)表示可能なビデオ機能を搭載する。インターフェイスはCFスロット×1、Ethernet、USB×2、RS-232C、D-Sub15ピン、オーディオ入出力など。

 OSはT-Kernelで、簡易GUIシェル「T-Shell」やカナ漢字変換、ワープロ、Webブラウザなどの動作が可能とされている。

 業務用端末などへの利用を見込んで、2004年3月の発売が予定されている。価格は明らかにされていない。

T-Cube。筐体は金属製で、動作中は熱くなる CFスロット、オーディオ入出力、Ethernet、USB、RS-232Cが見える こちらの面にはUSBとD-Sub15ピン
ディスプレイとキーボード、マウスをつないでデスクトップPCになったT-Cube。GUI画面はT-Shell。多言語ワープロやWebブラウザ、マイクロスクリプトが動作する T-Cubeの中身。左右のモジュールが筐体の中で2段重ねになる。2つのモジュールはPCIバスで結ばれている。左のIOモジュールとして、たとえばUSB×2の代わりにEthernet×2としたモジュールなどを作れば、超小型ルータを作ることなども可能

●入門書でユーザー増加を目論む「超漢字」

入門書と、付録CD-ROMが動作しているPC。TRONSHOW会場で先行販売中

  BTRON準拠のPC用OS「超漢字」は、少数の熱狂的なユーザーに支持される、いわば“知る人ぞ知る”OSだが、パーソナルメディアは入門書「はじめてみよう 体験版で超漢字」で、ユーザー拡大を図る。

 20日から2,500円で発売されるこの書籍には、超漢字の体験版が収録されたCD-ROMが付属する。体験版はHDDにインストールせず、CD-ROMから起動して利用する。体験版だが、データの保存などもできる(ただし、HDDには書き込めず、フラッシュメモリなどに保存することになる)。

 パーソナルメディアによれば、“気軽に超漢字を試せる環境や、入門書の要望が多かった。これでユーザー層を拡大したい”とのことだ。

「超漢字原稿プロセッサ」。修正部分に赤線を引き、その横に修正後の文字を入力する

 同社はこのほか、超漢字上で動作する原稿執筆用エディタ「超漢字原稿プロセッサ」を参考出品した。これは、原稿用紙風の画面に、赤い文字で修正を入れ、その履歴を残すことができるエディタ。

 こうした機能を持つソフトはこれまでにもあったが、超漢字原稿プロセッサは修正前のレイアウトを残したまま修正を入れられるので、修正前後の対比がしやすい。あまり一般的なソフトではないが、17万以上の漢字を扱える超漢字の機能を生かしたソフトといえるだろう。

 出品されたものはまだ開発段階のもので、TRONSHOWなどで寄せられた意見をもとに改良を加えていくという。2004年の発売を目指す。

□ニュースリリース
http://www.chokanji.com/press/ckgp/031210ckgppress.html

●μITRON+Windows CE.NETを搭載したカーナビが登場

 “歴史的提携”として大きな話題を呼んだ、マイクロソフト株式会社のT-Engineフォーラムへの参加。その具体的な成果である「マルチOS共存環境」が、TRONSHOWにいくつか展示されている。

 もっとも注目を集めているのが東芝ブースのカーナビゲーションシステム。東芝とデンソーが共同開発したもので、車輪のパルスセンサで移動距離を測定し、画面の地図に軌跡を表示する様子をデモしていた。リアルタイム性が要求されるパルスセンサをμITRONが、画面表示などのユーザーインターフェイスをWindows CE.NETベースの車載用OSであるWindows Automotiveが担当する。

 同社製の64bit RISCプロセッサ「TX49」をコアとする車載用System On Chip(SoC)「NAVIEM」1機で、2つのOSが同時に動作している。2つのOSはメモリ内の共有領域でデータをやり取りする。

 このようにT-EngineとWindows CE.NETは、それぞれが得意な部分を分担する。Windows CE.NETには、GUIのほかマルチメディア再生、ネットワーク接続などの役割が期待されている。

 2つのOSを同時に動作させるためには、倍のメモリが必要になり、それだけコストがかかる。が、T-EngineとWindows CE.NETの双方の既存のリソースを使えば開発の工数と人件費が抑えられるので、メモリにコストをかけても、合計のコストは安くなるのだそうだ。どの程度のCPUパワーが必要になるかも気になるところだが、これはあまり問題にならず、ソフトウェアMPEGデコードなどをしなければ、現在あるCPUで十分な性能が出せるようだ。

μITRON仕様OSとWindows Automotiveで動作する東芝のカーナビ こちらはその開発システム。下の段のダイヤルでパルスを発生させると、地図上の自車の位置が移動する 東芝製T-EngineボードによるマルチOSのデモ。左のクロックジェネレータのパルスをT-Kernelが検知、左のWindows CEが制御するディスプレイのアナログ風メーターに、パルス数をリアルタイムで表示する
マルチOS環境と、マルチOSカーナビの概要

 会場にはマイクロソフト株式会社自身がブースを出しており、マルチOS共存環境をアピール。SHプロセッサベースやARMベースの動作環境が出展されており、東芝のMIPSベースプロセッサと併せ、組込みプロセッサのメジャーアーキテクチャのほとんどで動作する環境を揃えた。

 ただし、TRONSHOWに出品されたものは、まだ2つのOSが同時に動作するというだけの、デモ用機器。同社では「次のマイルストーンはエンドユーザー向け製品が具体的にどのような形になるのかがわかるようなコンセプトモデルの作成」としており、デジタルカメラやHDDレコーダ、ホームゲートウェイなどの形で試作機が登場するのはそう遠いことではなさそうだ。なお、開発環境の提供は2004年中とのこと。

□ニュースリリース(東芝)
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2003_12/pr_j1001.htm

マイクロソフトのブース SHベースのマルチOS環境
ARMベースのマルチOS環境 マルチOSが実装される機器の例
会場内に設けられた「ユビキタスショーケース」では、ユビキタスIDのある生活を体験できる ヤマハのインターネット経由で音楽セッションができる「iSsession」。離れたところにあるピアノの演奏が、手元のピアノでリアルタイムに再現される。会場では、2つのブース間でピアノの授業のデモを行なった。写真は先生側のピアノだが、よく見ると生徒側の演奏どおりに先生側のピアノの鍵盤が下がっているのがわかる。ITRONのリアルタイム性を生かしたシステム 富士通による、ITRONベースのデジタルカメラを開発するためのプラットフォーム

□TRONSHOW2004のホームページ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1024/unl.htm
□関連記事
【10月24日】坂村教授、新携帯端末プラットフォーム「ユビキタス・コミュニケータ」を発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1024/unl.htm

(2003年12月12日)

[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]


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