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日本IBM、大和事業所でThinkPadの拷問テストなどを公開

11月28日公開



 日本IBMは、神奈川県大和市にある同社の研究施設「大和事業所」内において、ThinkPad 2,000万台出荷を記念したプレス関係者向け見学セミナーを開催。その中で、ThinkPadのトーチャー(拷問)テストなどを公開した。

 大和事業所は、ThinkPadの設計・開発やデザインなどを手がける研究開発施設。前任者であるIBMフェロー・理事の内藤在正氏に代わって、新たに開発責任者として日本IBM株式会社ポータブル・システムズ担当 IBMディステングィシュト・エンジニアの小林正樹氏が就任した。

日本IBM株式会社ポータブル・システムズ担当 IBMディステングィシュト・エンジニア 小林正樹氏 宇宙ステーションで利用されたThinkPad A31p

 小林氏はThinkPad A31pが宇宙ステーションなどで採用されていることを例に上げ、「宇宙でのシェアは100%。数日間の滞在で帰還するスペースシャトルなどと違い、宇宙ステーションの場合は半永久的に宇宙で利用される。宇宙では放射線など、地上では考えられない様々な影響があり、それらをふまえた、あらゆる信頼性試験をパスして採用された」と、ThinkPadシリーズの高信頼性をアピールした。

 今回公開されたのは、液晶ディスプレイ開閉試験や、落下テストなどが行なわれる「ThinkPad製品試験室」、ThinkPadの騒音を計測するための「音響試験室」のほか、デザインを手がける「UEDCオフィス」なども公開された。このほかにも様々な耐久テストが存在し、ThinkPadシリーズは、こうした過酷な試験をパスして初めて市場に出荷される。

●ThinkPad製品試験室

液晶ディスプレイ開閉テストの様子。通常の用途では1万回程度の耐久力があれば十分だが、ThinkPadでは3万回の開閉テストを行なっているという カウンター。ちなみに開閉テストは1日で約1万回が可能

液晶ディスプレイの圧迫試験。満員電車などで押しつぶされるような状況を想定してテストされる

机の上で手を滑らせたような状況を想定した落下試験。ThinkPadと御影石のベースの間にブロックを挟み、一気にブロックを引き抜いて叩きつける テストに使うブロック。状況に応じて高さを調節する

ThinkPadを角から落とした状態の落下試験。台ごと滑り落ちて床に叩きつけられる。無惨 代々ThinkPadが叩きつけられてきた傷跡……

●音響試験室

吸音素材で囲まれた半無反響室。壁が音を吸収するため、入室すると独特の圧迫感を感じる。床面は反響する素材でつくられ、実際のオフィスに誓い状況を再現しているという。ここでは、ThinkPadを中心として、騒音の方向や距離による騒音レベルを計測する

シェルターの様に分厚い、半無反響室の扉 こちらは残響試験室。半無反響室とは正反対の特性を持ち、音を外部に逃さず、反響しやすい。ThinkPadから出る純粋な騒音レベルを計測できる

●ユーザー・エクスペリエンス・デザインセンター(UEDC)オフィス

ThinkPadのデザインを手がけるUEDCオフィスでは、ユーザビリティテストも行なう。写真左は、ユーザビリティテストのモニター室。写真右はマジックミラーが設置された被験室側からモニタ室を見た様子 紙に印刷された実物大のインターフェイス類。ThinkPadのデザイン検討にはこうしたダミーを使う



●ThinkPad 2,000万台出荷記念モデル?「ThinkPad 20M」公開

ThinkPad 2,000万台出荷を記念した限定モデル「ThinkPad 20M」が発表……と言っても、2,000万台を記念したチョコレートケーキのこと。セミナーの合間にお披露目会が開催され、発表後十数分後には、集まった関係者の胃袋に収まったという、ThinkPad史上、最も短命なモデルとなった

開発コンセプト。超限定1台のみ 実際に大和事業所のUEデザインセンターがデザイン(?)した デザイン画をもとに作成された最終仕様書

□IBMのホームページ
http://www.ibm.com/jp/
□関連記事
【11月7日】IBM、2,000万台目のThinkPadを販売
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1107/ibm.htm
【2002年10月9日】大和研究所でThinkPad耐久テストを見学
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/1009/tp05.htm

(2003年12月1日)

[Reported by kiyomiya@impress.co.jp]


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