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ソニー、デジタル家電を核とする改革プランを発表
〜「PCはデジタル家電のサブセットになる」

ソニー製品のロードマップ

10月28日発表



出井伸之会長

 ソニーは28日、経営方針説明会を都内で報道関係者向けに開催、2006年のソニー60周年に向けた改革プラン「トランスフォーメーション60」を発表した。

 この中で出井伸之会長は「PCはコンシューマー機器からはるかに遠い存在で、いわばトラック」と述べるなど、TVやホームサーバー、携帯電話など、PC以外のデジタル家電を核としたエレクトロニクス戦略を明らかにした。

●ソニーの現実と夢を発表

 「トランスフォーメーション60」は、2006年に営業利益率10%達成を目指した計画。リストラなどを含む第2次構造改革プランと、ソニーの各事業を結集した成長戦略から成り立つ。現実的な対応である構造改革プランと、“夢の実現”となる成長戦略を、同時に実行する形となる。

 構造改革の内容は、グループ全体で約2万人(うち、国内は約7千人)の人員を3年間で削減、間接部門と販売部門をスリム化、部品点数を約84万点から約10万点に削減、サプライヤーを約4,700社から約1,000社に集約、一般購買やリースレンタルコストの削減など。

 また、エレクトロニクス事業を、フラットパネルディスプレイやホームサーバーなどの「戦略カテゴリー」と、CRTやアナログオーディオなどの「成熟カテゴリー」に分け、戦略カテゴリーに設計/開発リソースを集中する。さらに、設計/製造技術力の強化、製造事業所への物流機能の統合、グローバルでの生産体制の見直しも行なう。

 構造改革費用には3年間で約3,350億円が計上される。同社では、構造改革だけで実質約4%の営業利益率改善に相当するとし、現在の実質営業利益率約4%にエレクトロニクスの商品力強化等を加え、2006年に10%の営業利益率を見込む。出井会長はこの構造改革について、「エレクトロニクス事業は回復基調にあるが、仮に売上げが伸びなくても、10%の営業利益率を達成するプラン」と述べた。

トランスフォーメーション60の2本柱 第2次構造改革で営業利益率を4%改善 戦略カテゴリーと成熟カテゴリー

●半導体とデジタル家電で融合戦略を推進

 成長戦略では、ソニーが持つエレクトロニクス、ゲーム、エンターテイメントにわたるすべての資産を「徹底的に融合」(久夛良木健 副社長)し、新しい事業・産業の創造を図る。

 戦略においては、ホームサーバー、ゲーム機、デジタルTV、モバイル機器、デジタルスチルカメラなどのデジタル家電を「21世紀の大きなリーディングパワー」と位置づける。

 さらに半導体を「デジタル家電の核」とし、PlayStation 2用チップやCCD、LCDなどを「戦略半導体」とする。現在、これらの半導体事業はソニーグループの各社で行われているが、これらを一元化した「セミコンダクタソリューションズネットワークカンパニー」を11月1日付けで設立、久夛良木副社長がプレジデントに就任する。なお半導体では、CCD以外にCMOSイメージャーも強化していくとしている。

 一方、デジタル家電の「最大のアプリケーションはエンターテイメント」との観点から、同グループのエンターテイメント事業との連携を強化する。

ブラックホールにエレクトロニクスやゲーム、エンターテイメントといったソニーの資産を吸収し融合(左)、将来はビッグバンを起こす(右) デジタル家電が次世代技術の牽引力となる
半導体をデジタル家電の核とし、商品力を強化。ソニーグループの半導体事業を集結する

●Cellのほかに、メディアプロセッサを開発

久夛良木健副社長

 開発中のCellに関して久夛良木副社長は、「2005〜6年にTVとホームサーバー、エンターテイメント機器に搭載する」としたほか、「Cellはネットワークプロセッサ。様々なブロードバンドメディアを扱うには、Cellと同時にまったく新しいメディアプロセッサが必要で、これがデジタル家電のもう1つの核となる」とし、Cellと組み合わせて使用されるメディアプロセッサの存在が明らかにされた。

 なお、2003年からの3年間で総額1兆円をグループ全体での研究開発と商品力強化に投資。うち5,000億円はCellや撮像素子などの半導体の設備投資に、残りの5,000億をエレクトロニクスの研究開発に投じる。

●PCはコンシューマープロダクトではない

 説明会では安藤国威社長が構造改革プラン、久夛良木副社長が成長戦略をプレゼンテーションした。

 いわば“陽”のパートを担当した久夛良木副社長は「ソニーの技術戦略、成長戦略の概略を、元気にご説明申し上げたい」とプレゼンテーションを開始。「(デジタル家電がネットワークで結ばれた)未来の家庭はすぐそこに来ている。このような家庭では、リアルな世界とネットワークの世界がオーバーラップし、我々の生活を一変させる」と、“明るい未来”の提示に努めた。

 PCでなくデジタル家電を戦略の中心に据えることについては、久夛良木副社長が「PCは便利なツール。今までのデジタル家電は成熟した技術やPCの技術を使ったもので、ある意味ではPCよりもサブセットだった。我々が今開発しているシステムが市場に出れば、PCのほうがはるかにサブセットになる」と、同社のデジタル家電構想の技術的優位を述べた。

 また、出井会長は「PCはビジネス環境(呼べばすぐにサポートが受けられるような環境)で使うもの。コンシューマーカンパニーが目指すところは、どんな方でも簡単に使えること。PCを決して否定するものではないが、どう考えてもコンシューマープロダクトとは思えない」とし、企業の姿勢としてデジタル家電を選択したことを明らかにした。

久夛良木副社長が提示したビジョン

□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200310/03-047/
□関連記事
【10月23日】ソニー、CellとPSPへの投資で大幅減益
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1023/sony.htm

(2003年10月28日)

[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]


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