10月16日開催

　株式会社ロジクールは16日、新製品「Click!」シリーズの発表会を都内で開催、あわせて9月に同社のマウス出荷台数が累計5億台に達したことを記念したプレゼンテーションと、展示を行なった。

　発表会には同社の親会社であるLogitechのダニエル・ボレル会長が出席。Logitechの共同設立者でもあるボレル会長は、創業から5億台達成までの軌跡をユーモアを交えて紹介した。

●ダグラス・エンゲルバートから2ハンドコントローラまで

　会場にはLogitechの歩みを振り返る展示として、同社初のマウスをはじめとする歴代製品のほか、マウスの発明者であるダグラス・エンゲルバートが'64年に作った世界初のマウスのレプリカなども展示された。

　ここでは写真を中心に、展示されたマウスから興味深いものをレポートする。

歴代製品などが展示された
マウスの発明者、ダグラス・エンゲルバート
ダグラス・エンゲルバートのマウス。ボールではなく、X軸、Y軸方向に取り付けられた2つの車輪で動きを検知する。ボタンは1つ。ケーブルが現代のマウスとは逆に、手首側から出ていることにも注目
同社初のマウス。3ボタンでシリアルインターフェイスを搭載。ケーブルがクリックボタンの横から出ている
'86年にリテール製品を発売するまで、LogitechはOEM専業メーカーだった。OEM先にはApple(左)やSun(右)も含まれていた
ネズミ型の子ども用マウス。「5カ月で5年分の在庫を抱えた」(ボレル会長)
3Dconnexionと共同開発した2ハンドコントローラ。CADなどの用途に使うハイエンド製品
Click!のコンセプト「Jewelry for the Computer」をイメージして特別に作ったパッケージ(非売品)。ロジクールは小ロットの名入れや特別パッケージにも応じる。結婚式の引き出物に?

●Intel inside、Logitech Outside

自社製品のコードレスプレゼンターを手にパワフルなプレゼンテーションを繰り広げたLogitechのダニエル・ボレル会長

　Logitechは'81年にスイスのAppleで創業された。Appleは地名だが、ボレル会長のご母堂は“息子はApple Computerで働いている”と勘違いしていたそうだ。

　現在のLogitechはマウスをはじめとする各種周辺機器を扱うハードウェアベンダーだが、当初はソフトウェア開発を行なっていた。この頃、リコーのワードプロセッサ開発に参加する機会を得ることができ、金銭的にも、技術的にも大きな恩恵を受けたという。

スイスのAppleで創業された。Apple Computerとは何の関係もない。まだこの頃は……	カリフォルニアでは、HPなどのようにガレージで創業したPCメーカーが多数あるが、Logitechは農家を改装して使った。ちなみに組み込みプロセッサでおなじみの英ARMは馬小屋、米Gatewayは牛小屋で創業された	リコーのワードプロセッサを開発していた頃

　マウスの開発/生産に乗り出したのは'82年。OEM向けの製品だった。同社は'86年にリテール製品を発売するまで、OEM専業メーカーであり、OEM先にはHPやSun、Appleらが含まれていた。

　その後、「人間とデジタルの世界の、“Last Inch(最後の1インチ)”」を担当する企業として、マウス以外にキーボード、スピーカー、Webカメラ、ゲーミングデバイスへと事業領域を拡大。同社がカバーする領域について、ボレル会長は「Intel inside、Logitech Outside」と表現した。

OEM向けの製品群	初のワイヤレスマウス。赤外線方式だった	初のリテール向け製品
リテール市場のライバル、Microsoftを意識した広告	Intel inside、Logitech Outside	世界中の拠点。中国 蘇州に生産拠点を持つ
同社の姿勢「Never Give Up」を、ネズミ捕りの中のチーズを狙うネズミの写真で表現

□ロジクールのホームページ
http://www.logicool.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.logicool.co.jp/press/press_120.html
□関連記事
【10月16日】ロジクール、デザイン志向の光学マウス「Click!」シリーズ3機種
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1016/logi1.htm

(2003年10月16日)

[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]