Macworld NYレポート

会場で見かけた注目の製品
〜来年のMacworld日程は今後も要注目


会期:7月16日〜18日(現地時間)
会場:ニューヨーク Jacob K. Jabits Convention Center


 Macworld CreativePro Conference & Expo(以下、Macworld)も展示会場がオープンして2日目を迎えた。この日は、待望のMac OS Xネイティブ対応「Quark Xpress 6.0」を出荷したばかりのQuarkによってFeature Presentationが行なわれた。Quark Xpress 6.0については日本のDTP関係者も大いに気になるところと思われるが、縦組みやカーニングをはじめとする日本語特有のニーズや、各種エクステンションの対応、そしてフォント事情などさまざまな要素から、米国出荷即国内市場云々ということにはならないため、本稿ではプレゼンテーションの内容については割愛する。

 ちなみに、米国内でのQuark Xpress 6.0の販売価格は995ドル。従来版からのアップグレードは199ドルで、日本のユーザーにとってはよだれの出るような価格設定となっている。

QuarkのFeature Presentationは、プロダクトマネージメント担当のJurgen Kruz副社長によって行なわれた ようやくMac OS Xにネイティブ対応するQuark Xpress。パブリケーションとHTMLなどの同時管理などさまざまな新機能が盛り込まれる 米国におけるQuark Xpress 6.0の販売価格は995ドル。アップグレード価格は199ドルと、国内ユーザーにとってはため息のでる価格

 そのQuarkだが、Macworldへの主な関与はこのFeature Presentationのみで、14日から併行して行なわれているカンファレンスに講師を出したりはしているものの、特に展示会場内にブースを構えているわけではない。こうした対応は、16日午後にFeature Presentationを行なったMacromediaも同様だ。Adobeは会場のミーティングルームを使って来場者を対象にセミナーやトレーニングコースを行なっているが、ホールに製品の展示ブースを設けていないという点では前述の2社と一致する。

 いずれも、不特定多数を対象に製品のPRを行なうのではなく、既存あるいは製品購入の意欲の高い限定されたプロユーザーを対象としたマーケティングとみることができる。ちなみにMicrosoftやAlias|wavefrontはミーティングルームを設けているのみで、基本的に一般来場者への対応は行なっていない。

 大手のクリエイティブソフトベンダーがこうした対応をする中、展示ホール内で比較的大きなブースを構えているのが、キヤノン、エプソン、HPといったプリンタをはじめとするイメージング機器を発売するメーカー。加えてニコンなどがそれに準じた大きさのブースでデジタルカメラ、スキャナなどの展示を行なっていた。

 言い換えれば、それ以外のサードパーティは最小小間から数小間程度のいずれも小規模なブース展開にとどまり、全体としては非常にこぢんまりした展示となっている。また、クリエイティブのプロをメインターゲットとしていることで、場内に前年までのようなゲームゾーンなどは設けられていない。

 そのほか、会場内で見ることができるサードパーティの新製品や、ユニークな製品などは写真で紹介する。

Harman MultimediaがJBLのブランドで発売する2.1chのスピーカーシステム「encounter 2.1」。サブウーファーは200W、サテライト側は各50Wの出力。ボリュームの調整はサテライト側の足の部分に付いているダイヤルで行なうことができる。価格は、299.95ドル こちらは、5.1chに対応する「encouter 5.1」。サブウーファーの仕様は前述した2.1と同様の200W。サテライトに加えてセンタースピーカーも50Wの出力があり、計450Wのシステム構成となっている。価格は399.95ドル 2.1chのスピーカーシステムをもうひとつ紹介する。木目を生かしたデザインを採用しているXhifi社の「xDucer 2.1」。こちらの価格はぐっと高価に795ドル。JBLの製品を含めて、紹介した三機種はいずれも通常の音声出力だが、PowerMac G5に光入出力端子が加わったことで、今後は今後は光接続に対応した製品が登場するものと思われる
おなじみのPowerBook用リプリケーター「Bookendz」。12型PowerBook用が179ドルで登場した。左側面に位置するインターフェースをすべて背面へ向けるほか、ミニRGB仕様の外部ディスプレイコネクタを標準のVGA端子に変換する。17型PowerBook用の製品も現在開発中とのこと Griffin Technologyの新製品は「RADIO SHARK」。USB接続するFM/AMラジオで、ソフト側のコントロールでタイムシフトを使った録音ができる。ストリーミングによるInternetラジオにも対応。49.99ドルで今夏に出荷を予定。デジタルオーディオ接続のApple Pro SpeakerをFireWire接続に変換するアダプター「iFire」も、39.99ドルで発売する macallyの「KEYPOINT」。IRを使ったプレゼンテーションソフトのコントローラーで、PowerPointやKeynoteに対応。69ドルという低価格と、未使用時にはUSB接続の受光ユニットとコントローラー部分を一体化して収納しておけるのが特徴。今後2カ月以内をめどに出荷を予定している
PC向け製品ではよく見かける5インチベイに挿入する前面へのインターフェース拡張製品。Mac向けらしくFireWire 400のポートも備えるほか、B&WタイプのPowerMac G3から、写真のPowerMac G4まで歴代デスクトップに対応したフロントパネルが用意されている。CF、MicroDrive、メモリースティック、SDメモリー、MMCに対応するメディアリーダーの部分はPCIバスからインターフェースを取り出しているため、設置にはPCIスロットの空きが必要になる。対応機種ごとに価格が異なり129ドルから149ドル。Gee Threeの出展 数あるiPod用ケースのなかから、Speck Productsのものを紹介。腰に巻き付けるタイプのジョギングやスポーツ用のケース。中央にはiPod挿入用のスペースがあり、右側には鍵や小銭を入れておくポケット。さらに左側には点滅するライトが仕込んであるのでジョギング時など、車からの視認性を高めることができる 今回は出展社が少なかったCPUアクセラレータ。FastMac社のPowerMac G4用アクセラレーターは、最高1.46GHz。特別価格の529.95ドルで、なぜかMac OS X 10.2へのアップグレードパッケージ付きで販売されていた。大胆にもデモには“Panther”のPreview版が使われていて、Pantherでの動作もアピール
BELKINが展示したFireWire 800に対応する3ポートハブ。仕様をはじめ、価格や発売時期などは未定 すでにApple StoreのBTOで提供されているRadeon 9800 Proだが、「Radeon 9800 Pro Mac Edition」としてリテール向けにも単体販売を開始するATI Technologiy。価格は399ドル。Apple Store向けのBTOはADCとDVIのインターフェースだが、リテール向けはDVIとVGAの構成となる

■次年度開催は、やはりボストンが有力か?注目されるApple側の対応

展示ホール出口に掲示されている次回開催のスケジュール。2004年1月のサンフランシスコ開催の日程は1月6日〜9日だが、ここには夏季東海岸での開催情報がない

 さて最後に気になるのは、東海岸における今後のMacworldの動向である。例年会場出口や出展者カタログなどには次回日程が掲載されているわけだが、今年は、2004年1月にサンフランシスコで開催されるMacworldの日程のみが提示されている。

 IDGの関係者によれば今後も東海岸でのMacworld開催は継続したい考えで、やはり当初の計画どおり「2004年はボストンで……」ということらしい。ニューヨークのローカルTV局などでは、すでにボストン移行が確定といった報道もなされている。実際、当初のボストン側との契約が白紙に戻ったという報もないため、開催に向けた準備は水面下で進んでいるものとみられる。

 ポイントになるのはApple Computer側の意向だ。Steve Jobs CEOはここ数回の基調講演で、直営店展開に触れる際、来店者数、購入者数などを「Macworldを○回開いたほどの成果……」という表現を使っており、大規模イベントに頼ることのない宣伝効果も直営店展開に見いだしている。しかし同社もサンフランシスコでの開催については意欲的なうえ、2004年1月にはMacintoshが登場20周年を迎えることから、こちらが出展云々で問題となることはほとんどないだろう。

 しかし、いったん振り上げた拳である夏季のボストン開催については不透明な状態が続きそうだ。IDG側は、場合によってはApple Computerの出展がないままに開催ということも視野に入れているようだが、果たしてそれで十分な集客や出展社数が見込めるかどうかは定かではない。今後もApple Computer側との交渉が続けられることになるだろう。

 ちなみにApple Computerが出展する次の大規模イベントは、同社主催による「Apple expo Paris」となり、9月16日から20日にパリで開催される予定である。

□Macworld Conference & Expoのホームページ(英文)
http://www.macworldexpo.com/
□Apple Computerのホームページ(英文)
http://www.apple.com/
□関連記事
【7月17日】【Macworld】Macworld開幕。新ハードのアナウンスはなし
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0717/mwny02.htm
【7月16日】【Macworld】ターニングポイントを迎えた夏期Macworldが明日開幕
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0716/mwny01.htm

(2003年7月18日)

[Reported by 矢作 晃(akira@yahagi.net)]


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