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インテル、6MBのL3キャッシュを搭載した新Itanium 2発表
~2004年には9MBキャッシュモデルが登場

インテル株式会社代表取締役共同社長 吉田和正氏

7月1日発表



 インテル株式会社は、都内で開催された「インテル エンタープライズ・セミナー」において、6MBのL3キャッシュを搭載した、サーバー/ワークステーション向け64bit CPUである、新Itanium 2を発表、7月1日より出荷を開始した。

 新Itanium 2は昨年7月に発表されたMcKinleyコア版Itanium 2の0.13μmプロセス版で、コードネーム「Madison」で呼ばれていたもの。動作クロックが向上したほか、最大6MBのL3キャッシュを搭載するのが特徴。パッケージはMcKinleyコア版と同一。

 動作クロックおよびL3キャッシュ容量が異なる3モデルが用意され、1,000個ロット時のOEM単価は、1.50GHz(L3キャッシュ:6MB)が496,400円、1.40GHz(L3キャッシュ:4MB)が264,000円、1.30GHz(L3キャッシュ:3MB)が157,200円。

 また、Xeon MPの高クロック版も3モデル発表された。1,000個ロット時のOEM単価は、2.80GHz(L3キャッシュ:2MB)が433,700円、2.50GHz(L3キャッシュ:1MB)が232,600円、2GHz(L3キャッシュ:1MB)が138,300円。

6MBのL3キャッシュを搭載するItanium 2 1.50GHz 2MBのL3キャッシュを搭載するXeon MP 2.80GHz

 会場ではまず、インテル株式会社代表取締役共同社長の吉田和正氏が挨拶し、「インテルはテクノロジーリーダーシップを維持しながら、今後も付加価値の高い製品を提供していく」、「今年後半には90nmプロセスの製品も投入されるが、2009年には32nm製品を投入できると考えている。これらの技術に基づいて今後もコストパフォーマンスが高い、プロセッサやチップセットを開発していく」などと語った。

米Intel アジェイ・マルフォトラ氏

 引き続き、米Intelのエンタープライズ・プラットフォーム事業部 エンタープライズ・マーケティング&プランニング・ディレクタのアジェイ・マルフォトラ氏が登壇。エンタープライズ市場の動向や、サーバー/ワークステーション向けCPUのロードマップなどを公開した。

 公開されたロードマップによると、2003年後半には低消費電力システム用の低電圧版Itanium 2(コードネーム:Deerfield)、2004年にはItanium 2の改良版として、L3キャッシュを9MB搭載した製品(1.50GHz)が投入されるという。さらに2005年にはMontecitoの投入により、さらに大容量キャッシュを搭載した製品が登場するとしている。

 また、Xeon MPについても引き続きリリースされ、2004年には4MBのL3キャッシュを搭載したGallatin、2004年後半にはさらにL3キャッシュを増大したPotmacが投入される。

プロセス技術の変遷。2009年には32nmを導入 サーバー/ワークステーション向けCPUのロードマップ

 発表会後の質疑応答では、「Appleは64bit CPUを搭載したコンシューマ製品を発表したが、IntelはItanium 2のテクノロジを活かした64bit製品をコンシューマ向けに用意しないのか?」という質問がされた。これについてマルフォトラ氏は、「もちろん、いずれは64bit化も可能だが、現状では32bitのパフォーマンスで十分である」との見解を示した。

 「Itanium 2が今後、エンタープライズ市場へシフトしていくために、欠けている要素はあるか?」という質問には「特に欠けているものはない。現在のItaniumは第3世代になるが、すでに業界の支持を多く受けている。2004年にはサーバーの半分以上がIA(Intel Architecture)になると見ている」と自信をのぞかせた。

 また、64bit製品だけに絞らず、32bit製品であるXeonを出荷し続ける理由については、「製品はいろいろな顧客に合わせてカスタム化する必要があり、ItaniumとXeonは相互に補完する関係にある。今後も32bit製品への投資は継続する」とした。

 なお、今回の製品が「Itanium 3」と命名されなかった点については「キャッシュ容量が大幅に変更され、確かに第3世代の製品になっているが、基本的にはMercedやMcKinleyと大きな差がないため」とした。

 このほか会場では、沖電気株式会社、株式会社日立製作所、日本電気株式会社、日本ヒューレット・パッカード株式会社、三菱電機株式会社ら5社合同による、新Itanium 2を搭載したサーバーの発表会も開催され、実機が公開された。

HP Integrityサーバ「Superdome」 日立製作所「HA8500/630」 NEC「NX7700」シリーズ

□Intelのホームページ(英文)
http://www.intel.com/
□ニュースリリース(英文)
http://www.intel.com/pressroom/archive/releases/20030630comp.htm
□インテルのホームページ
http://www.intel.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.intel.co.jp/jp/intel/pr/press2003/030701.htm
□関連記事
【2002年11月5日】Intel、2MBの3次キャッシュを統合したXeon MP 2GHz版
~0.13μmプロセス化、1.90/1.50GHz版も投入
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/1105/intel.htm
【2002年7月9日】インテル、Itanium 2発表記者会見を開催
~各社が搭載サーバーを展示
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0709/intel2.htm

(2003年7月1日)

[Reported by kiyomiya@impress.co.jp]


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