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エルピーダ、815億円の投資計画を発表
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代表取締役社長 坂本幸雄氏 |
6月5日 発表
エルピーダメモリ株式会社は5日、815億円の資金調達の目処がたったと発表した。これにあわせて、同社は報道向けに事業説明会を開催。同社代表取締役社長 坂本幸雄氏が登壇し、投資計画などについて説明を行なった。
●2003年第4四半期の黒字化に目処
今回発表されたリリースでは、815億円の資金調達の目処がたち、それをエルピーダ広島工場での300mmウェハDRAM専用の設備投資に充て、生産能力を現在の月産3,000枚から15,000枚に増強するとされている。
しかし、坂本氏によれば同社は、すでに出資契約の署名が済んでいるものだけでも約1,000億、契約予定のものも含めれば1,128億円の資金調達の目処がたっているという。
坂本氏は2002年11月の社長就任会見の席で、資金不足が足かせとなって、エンジニアの持つ高い技術力を活かすことができないでいる、と同社の問題を指摘し、生産規模増強の必要性を訴えていた。
今回の300mmウェハ設備への投資により2003年11月には月産10,000枚の生産体制が整い、坂本氏が目標として掲げていた2003年第4四半期の黒字化に目処がたつこととなった。
資金調達の内訳 | 2003年第4四半期に黒字化 |
マーケット状況と投資の時期 |
目標達成の目処こそついたものの、坂本氏によれば、今回の投資決定はぎりぎりのタイミングだったという。事実、同社の生産規模拡大計画は、当初のものから3~4カ月遅れており、これによる機会損失は240億円にも上るという。
また、メモリ産業の技術革新や市場での利益状況などの観点から見ても、「今の段階で投資しなければエルピーダは即刻解散すべし」との見解を示すなど、坂本氏は同社の状況が切迫したものであったことを示した。
●Intelによる出資は条件付き
3日に発表されたとおり、今回の資金調達先にはIntelが含まれており、Intelは1億ドル(約120億円)を出資する。この点について坂本氏は、「親会社などからではなく、よその会社から出資を受けることで、その投資に見合うだけのリターンを返さなければならないという意識が社員に芽生えた」とコメント。
また、「絶対的金額でのインパクトこそ少ないが、Intelから出資をとりつけたことで、今後さらなる資金供与を受けやすくなるだろう」との見込みを示し、この件についての期待の高さを表した。
インテルのキャピタル日本代表ショーン・タン氏(左) |
説明会にはインテル株式会社のインテルキャピタル日本代表ショーン・タン氏が同席。質疑応答で坂本氏とともに質問に答えた。タン氏は、出資の実行には諸条件があり、その条件をクリアした時点での出資となることを明らかにした。
しかし、出資条件や、出資に伴う提携内容についてはリリース内容以上のことは現時点では公開できないとした。
出資に合意した経緯については、「当社はこれまでも様々なDRAMメーカーへの出資を行なっており、今回もその一環」としながらも、「エルピーダは最先端DRAMに関して高い製造技術を持っている」とコメントした。
□エルピーダメモリのホームページ
http://www.elpida.com/ja/
□ニュースリリース
http://www.elpida.com/ja/news/2003/06-05.html
□関連記事
【6月3日】Intel、エルピーダに1億ドル出資
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0603/elpida.htm
【2002年11月1日】エルピーダ、坂本社長就任記者会見を開催
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/1101/elpida.htm
(2003年6月5日)
[Reported by wakasugi@impress.co.jp]
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