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アイ・オー、802.11a/b/g対応無線LAN PCカード
~11g対応アクセスポイント、ルータも

4月下旬発売



 株式会社アイ・オー・データ機器は16日、IEEE 802.11g対応無線LAN製品を4月下旬より発売することを、報道関係者向け発表会で明らかにした。

 発売されるのは、11b/g対応アクセスポイント、無線LANルータ、PCカードと、11a/b/g対応PCカードの計4製品。すべて同社の無線LAN製品「AirPort」シリーズに属す。

●11a/b/g対応デュアルバンドPCカードを発売

 「WN-AG/CB」は11a/b/gに対応したデュアルバンド無線LAN Type 2 PCカード。価格は9,800円。対応OSはWindows 98 SE/Me/2000/XP。

 CardBusに対応する。セキュリティ機能は64bit/128bit WEPに対応。無線LANコントローラチップはATHEROS製。

 設定ユーティリティ「クイックコネクト」が付属する。クイックコネクトには、WEP設定などのほか、接続環境ごとのパラメータセットである「プロファイル」を作成し、切り替える機能や、電波感度や、電波感度の推移の履歴を表示する機能がある。また、企業などで多数のクライアントにプロファイルを配布するために、プロファイルデータの作成ツールが後日提供される予定。

 アンテナ部を含む本体サイズは約54×121×12mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約43g。

 また、廉価モデルとして11b/gにのみ対応した「WN-G54/CB」も用意される。価格は8,500円。

 対応規格と本体サイズ以外の仕様はWN-AG/CBとほぼ同様で、クイックコネクトもWN-AG/CBと同じものが付属する。無線LANコントローラチップはIntersil製。本体サイズは約54×119×9mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約42g。

IEEE 802.11a/b/g対応デュアルバンド無線LAN PCカード「WN-AG/CB」。右はノートPCに装着したところ IEEE 802.11b/g対応無線LAN PCカード「WN-G54/CB」
クイックコネクトのプロファイル管理画面(左)と、電波強度表示画面。 クイックコネクトは、設定項目等を減らしてわかりやすくした「ビギナーモード」にすることもできる

●アクセスポイントとルーターは11b/g対応

 「WN-G54/AXP」は、11b/gに対応した家庭・SOHO向け無線LANアクセスポイント。価格は16,500円。11b/g対応無線LAN PCカード WN-G54/CBとのセットモデル「WN-G54/AXP-S」も用意され、価格は24,000円。対応OSはWindows 98 SE/Me/2000/XP。

 従来の同社製アクセスポイントやルーターから筐体のデザインを一新した。ロッドアンテナを採用したことにより、内蔵アンテナを搭載した他社製品よりもデータ転送速度と接続性に優れるという。また、7月以降にファームウェアのアップデートを予定しており、これによりさらに転送速度を向上させることが可能としている。

 セキュリティ機能は64bit/128bit WEPと256台までのMACアドレス接続制限に対応する。ハードウェアWEPを搭載したため、WEP使用時にもデータ転送速度が落ちないとしている。Webブラウザによる本体の設定が可能。

 インターフェイスは無線LANとEthernet×1。アンテナを含まない本体サイズは約38×120×171mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約300g。

 「WN-G54/BBR」は11b/g対応無線LANアクセスポイント付きブロードバンドルータ。価格は19,800円。11a/b/g対応無線LAN PCカード WN-AG/CBとのセットモデル「WN-G54/BBR-S」も用意され、価格は27,500円。対応OSはWindows 98 SE/Me/2000/XP。

 アクセスポイント部の仕様はWN-G54/AXPとほぼ同様。ブロードバンドルータ部はPPPoE接続時の実効スループットが47Mbps。通信データを監視して不正アクセスを防ぐ「SPI」機能や、パケットフィルタ、ポートフィルタ、IPアドレスフィルタに対応。VPNパススルー(PPTP、IPsec)を搭載する。

 インターフェイスは無線LANとEthernet×5(WAN×1、LAN×4)。アンテナを含まない本体サイズは約38×120×171mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約360g。

WN-G54/AXP(左)とWN-G54/BBR 11g接続時の他社製品との転送速度の比較。縦軸が転送速度、横軸がアクセスポイントとクライアントの距離。ロッドアンテナの採用により、他社製品よりも高速で、離れても速度が落ちにくいとしている

●アイ・オーはデュアルバンドを推進。ホームAVネットワークも視野に

アイ・オー・データ機器の細野昭雄 代表取締役社長

 発表会には細野昭雄 代表取締役社長らが出席。同社の無線LAN事業戦略を説明した。

 細野社長は、11a/g両対応のデュアルバンド無線LANを主流に事業を展開すると述べ、その理由をユーザーの利便性やコストを考慮した結果とした。また、将来はPC関連機器だけでなく、ビデオレコーダーなどの映像機器も無線LANに接続し、無線によるホームAVネットワークも視野に入れ、「コスト競争によるシェア獲得だけでなく、ソリューション提案による付加価値ビジネスを展開する」との姿勢を明らかにした。

 さらに同社の昨年のネットワーク関連の売上げを約50億円、競合するトップシェアメーカーが300億円近くだったとし、「(後発だが)2強の2番手には食い込む」と述べた。

 同社取締役でネットワークソリューション事業部の永野透 部長は、11a/g両対応のデュアルバンドアクセスポイント、WPAによるセキュリティ強化、企業・官公庁・学校向けの「AirPort Pro」、家庭向けホームサーバなどを含む「Home AirPort」といった製品群を、今年中に展開するとのロードマップを明らかにした。また、今回発表された製品すべてが、現在策定中のセキュリティ規格「IEEE 802.11i」に対応可能としており、規格が定まり次第、ファームウェアなどで対応するとした。

ネットワークソリューション事業部の永野透 部長 同社無線LAN製品の2003年のロードマップ

 同氏は11g製品発売の理由について「競合他社がドラフト段階で製品を発売したため、アイ・オー・データ機器も発売を前倒しした」とした。

 また、同社がすでに11a製品を販売していることについて、11aを企業・官公庁・学校向け、11gをコンシューマー向けとして住み分ける方針を明らかにした。その理由を「11aは通信可能距離が短く、あまり普及していない方式のためセキュリティを確保しやすい。また混信にも強いため、企業や官公庁、学校などに適する。11gはコストが低いため、コンシューマ向けと位置付ける」と述べた。

□アイ・オー・データ機器のホームページ
http://www.iodata.co.jp/
□ニュースリリース
・WN-G54/BBR-S
http://www.iodata.co.jp/news/200304/wn-g54bbr-s.htm
・WN-G54/BBR
http://www.iodata.co.jp/news/200304/wn-g54bbr.htm
・WN-AG/CB
http://www.iodata.co.jp/news/200304/wn-agcb.htm
・WN-G54/AXP、WN-G54/AXP-S
http://www.iodata.co.jp/news/200304/wn-g54axp.htm
・WN-G54/CB
http://www.iodata.co.jp/news/200304/wn-g54cb.htm
□関連記事
【2月27日】メルコ、IEEE 802.11g製品に関するプレスセミナーを開催
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0227/melco.htm
【2月27日】リンクシス、IEEE 802.11g製品「Wireless-G」正式発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0227/linksys.htm
【1月21日】コレガ、802.11g対応製品を3月発売
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0121/corega.htm

(2003年4月16日)

[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]


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