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メルコ、IEEE 802.11g製品に関するプレスセミナーを開催
〜11gに至る紆余曲折。11aを製品化しなかった理由は?

IEEE 802.11g対応アクセスポイント「WLA-G54」と同無線LAN PCカード「WLI-CB-G54」

2月27日開催



 株式会社メルコは27日、6月に策定予定の無線LAN規格「IEEE 802.11g」に関するプレスセミナーを開催した。その中で同社は、過去に2.4GHz帯の22Mbps規格やIEEE 802.11a製品の発売をアナウンスしながら、それらを中止した経緯や、最終的にIEEE 802.11gを選択した理由などについて説明した。

 同社は2月より、最大54Mbpsの転送速度に対応する2.4GHz帯を利用した高速無線LAN規格「IEEE 802.11g」のドラフト規格を採用したアクセスポイント「WLA-G54」、無線LAN PCカード「WLI-CB-G54」などを発売した。

 同社はまずはじめに、無線LAN市場を取り巻く状況について説明した。それによると、メルコの国内での無線LAN機器のシェアは現在48.5%に達するが、無線LANそのものは、有線LANと比較すると、それほど大きなシェアは獲得していないという。実際、昨年のEthernetカード類の出荷台数は15〜20万台となり、まったく減少する気配は見られないという。

 有線LANの出荷台数と比較すると、無線LANはその3分の1程度だが、有線LANはオンボードで搭載されるケースがほとんどという状況をふまえれば、遙かに差が開くという。

 普及を妨げる原因として同社は、IEEE 802.11b製品の実効速度の遅さを上げた。家庭内での利用を考える場合、ストリーミングの再生など、大容量ファイルのやりとりが増えてきた現在、力不足というのが、その主な理由になっている。

 また、有線LAN機器と比べた場合の価格の高さも理由のひとつとし、無線LAN機器のさらなる低価格化による、シェア拡大が重要とした。そのため、IEEE 802.11g製品発売と同時に、IEEE 802.11b製品の大幅な値下げを実施しており、これにより無線LAN機器の普及を図るという。

無線LANのシェア状況 IEEE 802.11aのデメリット

各無線LAN規格との比較。IEEE 802.11gはIEEE 802.11bに対して4倍近いパフォーマンスを発揮 無線LAN市場の推移。グラフにはIEEE 802.11a製品(緑色)も含まれるが、規模が非常に小さい

 今回、6月に正式に策定される予定のIEEE 802.11gを、あえてドラフト段階で製品化した背景には、現段階で製品化しても十分なパフォーマンスが得られること、無線LAN機器の高速化についての、市場からの要望が強いことをあげた。

 同社は2001年11月に、2.4GHz帯を利用しながら22Mbpsの高速通信が可能な製品「AirStation 2x」を発表したが、製品化はされず、2002年8月には新たにIEEE 802.11a製品を発表した段階で22Mbps版製品の発売中止を決定した。しかし、同年12月にはIEEE 802.11aの新規製品開発の中止を表明するとともに、IEEE 802.11g対応製品を発表、2003年2月に出荷を開始した。

 これについて同社は、製品化の条件として、使い勝手の良さや、従来製品との互換性などの観点から、結局IEEE 802.11gを採用するに至ったという。

 22Mbps製品では、将来的にはIEEE 802.11gに含まれる可能性が高く、互換性も維持できるため、当初は有望視されていた。しかし、実効速度ではIEEE 802.11b製品が5Mbps程度なのに対し、22Mbps製品では6〜7Mbps程度のパフォーマンスしか発揮されなかったという。また、独自規格を避けたいという理由もあり、製品化を断念。中継ぎとしてIEEE 802.11a製品の開発に踏み切った。

 だが、こちらも当初はパフォーマンスが15Mbps程度と、それほど振るわなかったうえ、5GHzという周波数帯の問題もあり、遮蔽物に弱く、伝送距離も短かった。そのため、従来のIEEE 802.11b製品を利用しているユーザーが同一の環境で利用することは難しく、利用者に対するメリットをアピールしにくい、と判断された。

 そこで、IEEE 802.11gのドラフト仕様であれば、予想よりも速い段階での導入が可能であり、高速化に対するユーザーからの要望も高かったため、あえて製品化に踏み切ったという。

 なお、現時点で同社から発売されているIEEE 802.11g対応製品はPCカードタイプのみだが、3月にはデスクトップPC用のPCIバス対応製品を発表する見込みであることや、5月にはUSB 2.0対応の無線LANアダプタ、6月にはEthernetメディアコンバータも製品化し、従来のIEEE 802.11b製品同様、ラインナップを強化していくことを明らかにした。

 質疑応答では、「今後IEEE 802.11a製品については開発しないのか?」という質問に対しては「IEEE 802.11a単体での製品化は無い。しかしIEEE 802.11a/bのデュアルバンド製品など、製品化の可能性はある」とした。

 また、IEEE 802.11gでは、11bとの混在時にパフォーマンスが低下する問題が見られるが、これについて同社は、「最新のドラフトのVer.6.1では、かなりのレベルで改善された」としており、3月7日から最新ドラフトに対応したドライバを公開予定という。

 そのほか、現在のIEEE 802.11g対応アクセスポイントである「WLA-G54」では、極初期のIEEE 802.11bカードとの互換性を維持するため、メルコ独自の伝送モードも搭載しているが、これについては「スタンダードが策定された段階で見直す予定で、あくまでスタンダードに準拠させる」という方針を述べた。

 また、IEEE 802.11b製品については、無線LAN機器のローエンド製品として、当分の間は併売が可能であるという見通しも明らかにした。

“2”と“3”がメルコ独自の伝送モード。従来製品との互換性を維持するために追加されたが、スタンダードの策定と同時に見直される可能性がある IEEE 802.11gの下位互換性。Rate-setフィールドを制限することで、極初期のIEEE 802.11b無線LANカードとの互換性を維持する IEEE 802.11gとIEEE 802.11b混在時の転送レート比較。ドラフトVer.6.1を導入することにより、かなり軽減されるという

□メルコのホームページ
http://www.melcoinc.co.jp/
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【2001年11月1日】メルコ、TI製チップを使った22Mbps高速無線LAN
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(2003年2月27日)

[Reported by kiyomiya@impress.co.jp]


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