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Microsoft、Windows CEのソースコード公開プログラムを拡張
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4月9日(現地時間) 発表
連絡先:シェアード ソース イニシアティブ事務局
source-j@microsoft.com
米Microsoftは9日(現地時間)、Windows CEのソースコード公開プログラムに「Windows CE Shared Source Premium Licensing Program(以下CEP)」を追加した。CEPはMicrosoft製品としては初めてソースコードの改変と、改変したバイナリの再配布を許諾しており、従来のソースコード公開プログラムから一歩踏み出した内容となっている。
CEPの対象となるのは、メーカー、シリコンベンダー、システムインテグレータなどの企業。すでに、NECアクセステクニカ、NECインフロンティア、東芝、日立製作所、松下電器産業、三菱電機をはじめ、Intel、ARMなど多数の企業がCEPに参加している。
公開される範囲も従来のプログラムから拡張されており、Microsoftが配布権利を持つすべてのソースコードとされている。従来公開されていた範囲がWindows CE全体の80%程度だったのに対し、CEPでは約95%にあたる150万行が公開される。
なお、ソースコードは単なるファイルやプリントアウトではなく、ツールの形で公開される。一例として、アプリケーションからOSをコールする際にトレースを掛け、その部分のOSのソースコードを表示するなどが可能であるという。
CEPでは従来のライセンスでは不可能だったソースコードの改変が可能となっている。これにより、OSのどこにバグがあり直し方も分かっているのに、Microsoftがそれを修正するまで、待っているしかないという従来の状況から、OSの修正を行ない、そのバイナリを製品に組み込んで販売することが可能となった。
さらに、単なる修正にとどまらず、自らの技術を生かした最適化や、新技術に対応するための改変も可能となっている。先行してCEPライセンスを締結し、製品として出荷されている日立製作所の企業向けPDAのように、CEPによって独自機能が盛り込みやすくなり、製品の多様化が進むこと期待される。
CEPライセンス企業が改変を行なったコードについては、小さなものであればMicrosoftへのフィードバックとして次回の修正に取り入れられる。独自性の高いソースコードについては、技術的優位性を保つための最低6カ月の猶予期間のあとで、Microsoftにサブライセンスされる。どちらに属するかや、サブライセンスの対価については、Microsoftとライセンス企業との契約により決定される。
CEPがターゲットとしているのは、組み込み機器などカスタマイズの需要が高い分野であり、AV機器などでの導入が進む組み込み向けLinuxやTRONへの対抗策と見られる。MicrosoftではWindows CEの利点として、充実した開発環境の提供による開発期間の短縮を挙げており、CEPの導入によりそのメリットがさらに生かせるとしている。しかし、Windows CEの短所であるロイヤリティ金額の高さについては、今後も柔軟に対応していくという説明にとどまった。
また、マイクロソフト株式会社では、ソースコード開示に関する共通の問い合わせ窓口として「シェアード ソース イニシアティブ(SSI)」事務局を設置し、専用のサイトも開設した。
ソースコード公開プログラム一覧 | SSI事務局連絡先 |
なお、Windows XPなどのPC向けOSや、Windows CE以外のエンベデッドOSについて、CEPと同様のプログラムを用意するかどうかは未定。しかし、Windows XPなどのPC向けOSでは、OSが共通のプラットフォームとして機能していることが、Microsoftの力の源泉であり、アプリケーション側から見て互換性のないバイナリが流通することは、プラットフォームの崩壊につながりかねない。Microsoftでも従来からコンパチビリティプログラムの実施などで、プラットフォームとしての共通性を維持すべく努めており、今後もCEPのようなライセンスが導入される可能性は低いと思われる。
□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
□ニュースリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/releases03/041003_CEpremiuml.asp
□シェアード ソース イニシアティブ事務局のページ
http://www.microsoft.com/japan/sharedsource/
□関連記事
【2002年11月19日】日立、Windows CE .NET 4.01搭載PDA
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/1119/hitachi.htm
【2002年11月27日】マイクロソフト、電子政府へのオープンソースソフト採用について見解を発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/1127/ms.htm
(2003年4月10日)
[Reported by date@impress.co.jp]
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