ついにエンブレムまで付属した
神田明神「IT情報安全守護2003」速攻レビュー


IT情報安全守護
(2003)

 2002年1月に発売が確認された神田明神の「IT情報安全守護」だが、2003年に授与開始(お守りやお札は、商品ではなくあくまでも授与されるものである)されたバージョンでは、さらに内容が強化されている。便宜上、2002年に発売されたものを「IT情報安全守護2002」、2003年のものを「同2003」と呼んで区別することにしておく。また、同製品について初めて聞くユーザーも多いと思われるため、今回は昨年バージョンのものを含めて総合的に解説する。

●IT情報安全守護とは?

 「IT情報安全守護」とは、神田明神で授与されている「お守り」もしくは「護符」の一種である。従来の交通安全や安産のそれと大きく違うのは、ICカード型であること。シールなどの付属品があるといった点である。

 製品パッケージは、金色のボール紙をベースにしており、その上にカード型の護符やシールなどが配置されいてる。また、この金色の台紙には「IT情報安全祈願」と書かれ、神田明神という名称と紋が印刷されている。全体は透明な袋の中に入っていて、なんだか、PCパーツショップの棚に吊るされた小物パーツのようである。なお、神田明神では、授与時に「神田明神」と朱書きした袋に入れてくれる。

 ちなみに神田明神とは通称であり、正式名称は神田神社という。同神社は、天平2年(西暦730年)に、現在の千代田区大手町(武蔵の国豊島郡芝崎)周辺に創建された。同神社には、平将門の首塚があり、延慶2年(西暦1309年)には将門を相殿に祀り、これを神田明神と名付けられた。その後、元和2年(1616年)に現在の地に移り、江戸城の表鬼門(東北側の門)の守護神とされた。また、移転に際して将門の首塚はそのまま残り、旧大蔵省庁舎を経て、現在に至っている。この神田神社は、江戸の地を鎮め守る総鎮守とされており、いわば、東京の要所の1つだ(IT情報安全守護にも、「江戸総鎮守」の文字が印刷されている)。

 本体であるIT情報安全守護カードは、マザーボードを想像させるグリーンをベースに、DIP型のデバイスのようなイラストおよび、端子のように見える上下の短い縦線が配置されている。

 デバイスのイラストの上には、「IT情報安全守護」、「江戸総鎮守」、「神田明神」といった文字、および神田明神の紋である右回りの「四つ巴」が描かれている。

 このカードは、PCカードとほぼ同じ大きさである。だからといって、PCカードスロットに挿入して取り出せなくなっても筆者にはどうしようもない。このような利用法はご自身のリスクでやっていただきたい。筆者が実験したところ、PCカードスロット、ZVポート、Cardbusのどれでも特に問題はないようである。

神田明神ではこのような袋に入れて授与してくれる 基板のようなグリーンが印象的な守護カード PCカードとのサイズ比較

●エンブレム? が追加

 IT情報安全守護2003には、護符本体であるカードに長方形のシール、そして小さな正方形のシールの3つのパーツから構成されている。IT情報安全守護2002では、この小さな正方形のパーツが含まれておらず、カードと長方形のシールの2つだけであった。

 背面に剥離紙が付けられており、シールとなっていることから、この正方形のパーツもなにかに貼り付けて利用するものと思われる。PCケース用のエンブレムよりも一回りほど小さいが、逆にこのためにほとんどのPCケースのエンブレム位置に貼り付けが可能だ。

 なお、長方形のシールとこのエンブレムらしきシールだが、粘着力はあまり強くない、貼り付ける先がザラザラしていたり、ゴミなどが付着しているとすぐに落ちてしまう。もっとも、パソコンなどに貼り付けることを考えるとあまり強力な接着力というのも問題である。

2003からはエンブレムのようなシールが追加された 背面には剥離紙が付いている 通常のエンブレムよりひとまわり小さい

 長方形のシールは、単なるシールとも考えられるが、サイズ的にDIMMのメモリ部分とほぼ同じ大きさであり、メモリに貼り付けることも可能。そのほか、HDDなどにも適切と思われるサイズである。なお、これらのデバイスに貼り付けを行なう際には、放熱などには注意が必要と思われる。いくら安全祈願されているとはいえ、定格外で動作するようなデバイスが保護されるとは思われない。これは、交通安全のお守りなどでも同じである。いくらお守りがあるからといって、車の性能や交通法規を無視すれば、やはり事故にあってしまう。

長方形のお守りもシールになっている DIMMにぴったりの大きさ

 特に説明などもないのだが、神田明神のサイト( http://www.kandamyoujin.or.jp/items.html )によれば、このIT情報安全守護は、「神田神社独自のコンピューター、携帯電話のお守りです」とあり、小さな正方形のものは、携帯電話などの小さなものに貼りつけて利用することも可能なようだ。

 なお、同サイトによれば、「当社はソフトウェアー会社やIT関連会社からも厚い崇敬を受けております」とある。もしかしたら、そうした会社のうちの1社からのアイディアで作られたものかもしれない。

 なお、「2002」は700円で授与されていたが、「2003」は800円となっている。

●効果測定できず

 さて、ベンチマーク結果を見てみよう。お守りの効果を測定する方法として、人工的にエラーを起こすプログラムを書くことにした。このプログラムは擬似乱数により、不定期にWindowsをフリーズさせるもので、IT情報安全守護を貼る前と後で、エラーが起きる回数を比較しようというものである。

 が、プログラムをデバッグするたびに問題が増えつづけ、プログラムを完成させることができなかった。

 測定を諦めたとたん、プログラムは完成した。プログラムを作成していた時点では、まだIT情報安全守護が手元になかったのだが、どうも、神田明神の御神徳を疑うようなマネをしたのが原因のようである。というわけで、今回はベンチマークを行なうことができなかった。

 神田神社の「IT情報安全守護2003」は、安価に入手が可能で、少なくとも、利用者になんらかの心理的な安心感が提供される。マシンの不調でお悩みの方は、この際ためしてみるといいだろう。

□神田明神のホームページ
http://www.kandamyoujin.or.jp/index.html
□関連記事
神田明神にチップ型IT情報お守りが登場
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/yajiuma/2002_01.htm#kanda

(2003年4月1日)

[Reported by 塩田紳二@エルドリッチ・コンピューティング]

 

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