会場:Las Vegas Convention Center、Las Vegas Hilton、Alexis Park 一般消費者向け家電の展示会であるInternational CESは、現地時間の9日から展示会が開催され、正式にスタートした。各出展社とも、展示をスタートし、多くの注目製品が展示されている。PC関連も注目製品が多数展示されているが、その中でもソニーは同社のPCであるバイオの最新製品を参考展示している。現行製品の後継製品と思われる、日本では未発表の製品も含まれており、その中でも注目の製品を紹介していきたい。 ●B5ファイルサイズでモバイルPentium 4-Mを搭載したバイオノートV505 もっとも注目の製品は、B5ファイルサイズ程度ながらモバイルPentium 4-Mを搭載したバイオノートV505だ。製品名からも想像されるように、現在発売されているバイオノートR505の後継となる製品だ。 大きな違いは2点ある。1つは、CPUがR505のモバイルPentium III-MからモバイルPentium 4-Mへと変更されていたことだ。現行のR505にはモバイルPentium III-M 1.20GHzが搭載されているが、展示されていたV505にはモバイルPentium 4-M 1.80GHzが搭載されていた。モバイルPentium III-M 1.20GHzのTDP(熱設計消費電力:熱設計時に利用する消費電力の値)が22Wであるのに対して、モバイルPentium 4-M 1.80GHzは30Wと上がっており、熱設計なども変更されているものと思われるが、今回は特に説明されていなかった。 もう1つの大きな違いは、光学ドライブ(DVD/CD-RWコンボドライブ)が内蔵されたことだ。R505では、光学ドライブはドッキングステーションの形で接続されており、会社や家ではフルノートPCとして、外出先にははずして持っていくことで、TPOに合わせた使い方が可能になっていた。今回のV505では最初からドライブが内蔵されており、基本的には光学ドライブを内蔵したフルノートPCとして利用するように設計されている。
気になる大きさだが、液晶ディスプレイはR505と同じく12.1型/1,024×768ドットとなっているため、ほとんど変わらないように見える。筆者の手持ちの定規で測った限りでは、幅280mm、奥行き240mm程度だった。本体を閉じることができなかったため、厚さは測れなかったが、液晶部と本体部をそれぞれ測ったところ、もっとも厚いところで32mm程度だった。現行のR505が幅279.5mm、奥行き239mm、高さ29.4mm(最薄部、後部は33.8mm)なので、大きさ的にはほとんど変わらない可能性が高い。 重さについては、今回は明らかにされていなかった。展示員に聞いてみても具体的な数字は出てこなかったが、2kgは超えていないのでは? という筆者の問いに「いい線だ」という答えが返ってきたので、そのあたりの可能性が高い。近くに展示してあったR505(約1.98kg)と比較してみたが、ほとんど変わらないどころか、若干軽いと感じた。
内蔵のデバイスだが、デバイスマネージャで確認した限りでは、チップセットはIntel 845MP、メモリはDDR SDRAM/512MB(空きメモリソケットは不明)、40GBのHDD、ビデオチップはATI TechnologiesのMOBILITY RADEON(16MB、AGP 4X)という仕様になっていた。拡張スロット/ポートはPCカードスロット、メモリースティックスロット、USB 1.1、IEEE 1394などが用意されている。なお、メモリスーティックスロットは本日発表されたメモリースティックPROに、現時点では対応していない。後日、ソフトウェアアップデートにより対応するとしている。 【お詫び訂正】記事初出時、バイオノートV505がメモリースティックPROに対応している、と記述しましたが、現時点では対応しておりませんでした。お詫びして訂正させていただきます。 なお、展示員によれば日本での発売などは未定で、仮に発売されたとしてもこの仕様でリリースされるかどうかも未定であるとのことだ。筆者の予想通り2kgを切る程度の重さであるならば、光学ドライブを内蔵しモバイルPentium 4-Mを搭載した製品は初めてとなる可能性が高く、期待したいところだ。
●DVD±RWドライブを搭載したバイオノートGRV バイオノートGRVは、現在バイオノートGRXとして販売されている16型液晶搭載モデルの後継となるマシンだ。GRXシリーズと同じように、16型液晶が採用されており、大型のノートPCとなっている。システムのプロパティで確認したところ、CPUのクロックは2.60GHzとなっており、モバイルPentium 4-Mではなく、デスクトップ用のPentium 4プロセッサが採用されているようだ。 GRVの特徴は、ノートPCとしてはおそらく世界で初めてDVD±RWドライブを内蔵したことだ。内蔵されていたのはソニーのDW-U50Aで、12.5mm厚のドライブだ。HDDは日立のDK-23EA-60(60GB)で、ビデオチップはMOBILITY RADEON 9000(RADEON 9000のモバイル版)が搭載されており、バーテックスシェーダ/ピクセルシェーダに対応しているため、DirectX 8.1に標準で対応していることも特筆に値する。なお、メインメモリは標準で512MBだが、最大で1GBまで増設可能だ。 なお、GRVに関しても日本市場への投入や価格、仕様などは未定ということだ。
●HTテクノロジ対応Pentium 4 3.06GHzとDVD±RWドライブを搭載したバイオRZ また、現在バイオRZとして販売されているケースに、HTテクノロジに対応したPentium 4 3.06GHzを搭載した試作機が展示されていた。実際にHTテクノロジが有効にされており、展示員によればソニー製のアプリケーションもHTテクノロジ対応バージョンにバージョンアップされているらしく、特に問題もなく動作していた。また、内蔵されていたドライブもDVD+RW、DVD-RWの両方のロゴが表示されているソニーのDW-U12となっていた。 このほか、ローエンドA4ノートPCのバイオノートFXの後継と思われるバイオノートFRも展示されていた。CPUにはモバイルAthlon XPが採用されており、液晶ディスプレイは14型となっていた。 いずれの製品も日本市場への投入や価格、仕様などは未定であるということだ。
□2003 International CESのホームページ(英文) (2003年1月10日) [Reported by 笠原一輝@ユービック・コンピューティング]
【PC Watchホームページ】
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