塩田紳二のPDAレポート
Windowsでもペン「InkLink」



PocketPCと接続した状態。黄色いメモパッドの上にあるのが本体。PDAとはIrDAで接続し、接続が切れてしまわないようにクリップでPDAに受発光部を留めるようになっている。ちなみにメモパッドのサイズは5×8インチ(12.7×20.32cm)である

 紙の書き心地を味わいつつ、コンピュータでペンを使う製品が今回紹介するSeiko Instruments USA inc.のInkLinkである。この製品は、セイコー電子の米国法人が米国で発売しているのもので、残念ながら国内では販売されていない。今回、米国取材の折りにサニーベールのFry's Electronicsで購入した。価格は、99.99ドル。

 これはどういう製品かというと、超音波でペンの位置を検出し、付属ソフトウェアでその筆跡を記録するもの。簡単にいえば、電子メモ帳である。

 文字認識などの高度な機能はないが、Windows、Palm、PocketPCの3つのプラットフォームで利用できる。Windowsの場合には、USBで、PalmとPocketPCではIrDAで接続する。なお、オプションのシリアルケーブルを入手すれば、シリアルでの接続も可能なようだ。

 製品は、ペンの位置を検出するためのクリップのような部分と、専用のペン(ペン先はボールペン)からなっており、クリップを市販のメモパッドやレポート用紙の上に挟み、あとはペンで書くだけである。また、クリップ部分の手前にある5つの穴はファンクションキーで、ここを付属のペンで押すと、ページ送りやモード変更といった割り当てた機能(ユーザー指定可能)が実行される。

 つまり、書き心地は、紙とボールペンでありながら、デジタルな記録が残るというものだ。筆者は、以前、CrossPadを使っていたのだが、あちらは、書いているときは記録のみで、あとからシリアルケーブルを使ってコンピュータ側に筆跡データを吸い上げるようになっていた。50ページぐらいは記録できるのだが、やはりいちいち転送するのがちょっとめんどくさい。それでIBMのTransNoteにくらくらっと来たのだが、あまりに高価だったのとその大きさ、スペック(いまどき800×600の液晶はないよなぁ)で諦めることにした。

 PalmとPocketPCの場合には、IrDA受発光部にプラスチック製のクリップがついているので、これを使ってPDAに固定する。PCの場合には、USBケーブルで接続。あとは付属のソフトウェアを起動するだけでよい。メモパッドに普通にメモを取れば、それが記録されていく。メモに対応するファイルにはデフォルトで日付時間などが入れられ、ソフトウェアでは、別途付けたキーワード、カテゴリなどで管理も行なえる。複数ページをひとまとまりのメモとして扱うこともできる。また、用紙のサイズはA、B系列や米国式のレター、リーガル、5×8インチなどを指定できるほか、ユーザーがサイズを指定(メモパッド上の左上と右下をペンでタッチして読み取りまたはインチで数値入力)できる。

 ソフトウェアは、どのプラットフォームでも同じ。というのは、このソフトウェアInk Managerは、同社が米国で販売するSmartPadで使われているソフトとほとんど同じものなのである。ちなみにSmartPadはかつて国内ではDeCrioとして販売されていたものとほとんど同じ。

 このInk Managerは、上の部分が、カテゴリやキーワードによるツリー表示、下の部分がメモファイルの表示で、縮小表示のほか、詳細表示にするとメモの作成日時や更新日時を見ることもできる。

 PalmやPocketPCで使った場合には、HotSyncや同期を行なうとWindows側にファイルが転送され、Windows側のソフトウェアで管理することができる。

Windows上のInk Manager。基本機能は、PCとPDAで同じ。ただし、Windows版では、メモの編集画面が別ウィンドウとして表示される。メインウィンドウの上の部分は、カテゴリやキーワードによるツリー表示で、下の部分がサムネイル表示

本体、専用ペン、IrDAアダプタ部分は、付属のケースに格納して持ち歩けるようになっている

 パッケージには、クリップ部分とペン、IrDAアダプタを入れることができるケースが付属し携帯にも便利(ただし、PC接続用のUSBケーブルははいらない)。

 紙にボールペンで書くので、書き心地は問題なし。PDAと組み合わせて手軽にメモを取るほか、デスクトップPCで絵を描くときにも使えるし、PDA側で書いたメモを修正することもできる。

 単純な筆跡記録のメモだが、デジタル化されており、ハードディスク格納されるため、紙のメモのように無くして困ることもない(よくなくすんだメモ)。まあ、CrossPadとかDeCrioにぐっと来た人にはいいかもしれない。ちなみにPCにつないでもポインティングデバイスにはならないので注意されたい。Ink Managerでのみ利用可能である。

 国内で販売されていないのが残念。米国のCompUSABest BuyOfficeMaxといったチェーン店やサンノゼ近辺のFry's Electronicsで入手可能ということなので、米国にいく機会があるなら比較的入手しやすいと思われる。

【編集部注】 読者の方から国内でも「PDA工房」など一部のショップで販売されているとお知らせいただきました。ご教示に感謝いたします。

□Seiko Instruments USAのホームページ(英文)
http://www.seikosmart.com/
□製品情報(英文)
http://www.seikosmart.com/products/link-ir-p.html
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(2002年9月24日)

[Reported by 塩田紳二]


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