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NEW PRODUCTS TESTREPORT

カノープス
MTV2200 SX
外部チューナーの採用で高画質化を果たしたキャプチャカード
TEXT:天野 司 Tsukasa Amano


カード部は2枚のカードが組み合わされている。搭載されている主要なチップはMTV2000と同様だ
 カノープスのMTV2200 SXは、人気を博している同社のテレビキャプチャカード、MTVシリーズのラインナップに新たに加わった製品だ。最大の特徴は、テレビチューナー部を外付けとした点で、これによりカードのサイズは縮小され、Low Profile PCIにも対応している。

 チューナー部が外付けであることを除けば、その仕様はMTV2000と非常に近い。ブラケットもテレビアンテナ用のF型端子がなくなっているものの、それ以外の構成はMTV2000と同じで、S-VIDEOおよびコンポジット複合のビデオ入力端子や音声入出力端子が並ぶ。ビデオ信号処理部は、三次元Y/C分離、三次元DNR(Digital Noise Reduction)、デジタルTBC(Time Base Corrector)やAGC(Auto Gain Control)などを備えた、おなじみの高画質仕様だ。

 また、テレビチューナー部はすでに発売されている外付けテレビチューナーユニット「TBOX」がそのまま採用されており、MTV2000と同様のゴーストリデュース機能が利用できる。なお、このTBOXはUSB経由でPCから制御されるが、カード部との映像信号のやり取りにはアナログコンポジットビデオが使われる。

 チューナー部との接続がアナログということで、画質劣化を気にする人がいるかもしれないが、もともとMTV2000でもチューナー部とデジタイザ部とはアナログコンポジットで接続されている。この部分がケーブルにより延長されているだけなので、画質の差異はほとんど生じない。むしろ、PC内部のノイズの影響を受けやすいテレビ受信用のRF回路がPC外部に置かれることで、画質が向上する可能性がある。

 カード部のビデオ入力のうち、コンポジット端子がTBOXとの接続で占有される関係上、テレビチューナーとコンポジット入力との切り換えは、カード部ではなくTBOX側で行なわれるが、コンポジットとS入力との切り換えは従来どおりカード上で行なう。複雑な仕様に思えるかもしれないが、これらの切り換えはすべてソフトウェア上で自動的に行なわれるため、使い勝手はMTV2000と変わらない。

TBOXの前面。S-VIDEOおよびコンポジットビデオの2系統の入力が用意されている 背面にはコンポジット出力のほか、前面のS-VIDEO入力をスルー出力するためのS-VIDEO出力を備える

 テレビ視聴ソフトとしては、「MEDIACRUISE」が用いられる。これはUSB経由のTBOX制御に対応した最新バージョンだが、設定タブにTBOXの内容が追加されている以外は従来とほぼ同じだ。録画予約には「TV Recording Manager」を用いるが、今回からiモードによるリモート予約をサポートする「CiRAgent」機能も加わった。これはiモードサイト「テレビ王国」のリモート録画予約サービス「iCommand」を利用するもので、外出先のPCやiモード端末から録画の予約・取り消しを行なうことができる。なお、この機能はディスク送付サービスによりMTV1000/2000でも利用可能となる。

 このほか、ソフトウェア面では、MTV1000/2000には付属しないDVDオーサリングソフト「DigiONAuthor for DVD L.E.」がバンドルされるのも見逃せないところだ。

 画質は非常に良好で、ノイズが少ないクリアな映像を得られる。また操作に対するレスポンスのよさも、この種の製品ではトップクラスだ。チューナーが外付けになった関係上、どうしても高価になってしまうが、従来のMTVシリーズを装着できない省スペース型のPCのユーザーのみならず、高画質なテレビ録画を求める多くの人にオススメできる製品と言えるだろう。

テレビ視聴にはMEDIACRUISEを用いる。画面構成はは従来と同じだ(画面ははめ込み合成) 見た目は従来とあまり変わらないMEDIACRUISEだが、TBOX関係の設定が追加されている

・製品名:MTV2200 SX
・標準価格:69,800円
・標準価格:カノープス株式会社
・TEL:078-992-5846(カスタマーサポート)
・URL:http://www.canopus.co.jp/
・対応OS:Windows XP/Me/2000
▼カード部
・インターフェイス:S-VIDEO/VIDEO IN(ミニDIN 7ピン)×1、LINE IN×1、LINE OUT×1

▼テレビチューナーユニット
・インターフェイス
 ・前面部:S-VIDEO IN(ミニDIN 4ピン)×1、LINE IN×2、VIDEO IN×1
 ・背面部:USB×1、S-VIDEO OUT(ミニDIN 7ピン)×1、VIDEO OUT×1、LINE OUT×1、アンテナ入力(F型コネクタ)
 ・受信チャンネル:VHF1~12ch、UHF13~62ch、CATV C13~C63ch
 ・本体サイズ(W×D×H):146×121×41mm
 ・重量:720g

■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)

□カノープスのホームページ
http://www.canopus.co.jp/
□製品情報
http://www.canopus.co.jp/catalog/mtv2200/mtv2200sx_index.htm
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【1月11日】カノープス、3D Y/C分離回路搭載のTVキャプチャカード「MTV2000」
~DVD-RAMへの直接記録が可能に
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0111/canopus.htm

(2002年8月6日)


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