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NEW PRODUCTS TESTREPORT

東芝
DynaBook SS S5/280PNLN
大容量バッテリが付属する超薄型モバイルノートPC
TEXT:一ヶ谷兼乃 Kenno Ichigaya


 ノートPC市場で定評を得ている東芝から、B5ファイルサイズサブノート「DynaBook SS」シリーズの新モデル、「DynaBook SS S5/280PNLN」が登場した。

 DynaBook S5は従来機DynaBook S4のデザインを踏襲しており、幅289×奥行き229×厚さ14.9~19.1mmという極薄ボディを実現している。ディスプレイ背面部はシルバーのマグネシウム合金で、底部はブラックの樹脂製という構成だが、この効果で仕様以上に薄く感じる。

 本体の左側にはSDメモリーカードスロット、右側にはステレオヘッドホン端子、マイク端子、USB 2.0ポート、 Type2対応のPCカードスロット、そして新たに採用されたType2対応のCFカードスロットが装備されている。背面のカバー内部には、V.90対応56kbpsモデムポートと10BASE-T/100BASE-TX対応LANポート、2つのUSB 2.0対応ポート、D-Sub15ピンの外部ディスプレイ端子を搭載する。

左側面部にはSDメモリーカードスロットを搭載する。デジタルカメラなどとの連係に役立つだろう 本体右側面には新たにCFスロットを搭載。メモリカードのほかデータ通信用のPHSカードの装着も簡単だ

 CPUには超低電圧版モバイルPentium III-M 800MHz、チップセットはビデオ表示機能を内蔵したTrident Cyber Aladdin-Tを採用。メモリは標準で256MBを搭載し、最大512MBまで増設可能だ。HDDは1.8インチで容量は20GBとなっている。ディスプレイには1,024×768ドット表示に対応した12.1型の低温ポリシリコンTFTカラー液晶パネルを採用しており、非常に明るく見やすい。

 本機最大の特徴は、2種類のバッテリが標準で添付される点だ。1つは従来と同様の標準バッテリで、本体底面前方に内蔵する。もう1つは大容量バッテリで、標準バッテリは搭載したまま、本体底面後方の専用端子に取り付ける。電池駆動時間は標準バッテリだけで約2.4時間の駆動が可能だが、大容量バッテリも装着すると約7.7時間まで延ばすことができる。気になる重量は標準バッテリ搭載時の1.19kgに対して、大容量バッテリ搭載時でも1.52kgという軽さで、カバンに入れて持ち運ぶ際にも大きな問題にはならないレベルと言える。しかも、大容量バッテリを取り付けてもスリムノートPCという印象がそれほど変わらない点もうれしい。

大容量バッテリ装着時には背面部の厚みが増してしまうが、それでもスリムな印象を受ける 背面部のカバーを開くとモデムやLAN、外部ディスプレイなどの端子が姿を現わす

キーボードはクセのない素直な配列。タッチパッドはスクロールボタンなどを持たない2ボタンタイプだ
 キーボードはデスクトップ並みとなる19mmのキーピッチで、不自然に小さいキーがなく、配列も標準的だ。極薄なデザインのためにキーストロークは1.7mmと短いが、実際に使用してみると違和感はなく、快適にタイピングできる。ポインティングデバイスはタッチパッドで、パッド、ボタンともに操作性はよい。このほか、キーボード上部には電源ボタンのほか、ブラウザやメーラーをワンタッチで起動できるショートカットボタンが配置されている。これらのボタンは画面をたたむと完全に隠されてしまうので、カバンなどに収めている際に間違って電源が入ってしまうこともない。

 DynaBook SSシリーズは、従来から基本性能や携帯性、操作感といった点が高く評価されていたが、伝統的に標準添付のバッテリでは駆動時間が短い点が唯一の問題とされてきた。しかしながら、DynaBook S5では2種類のバッテリを添付することで、従来機の長所を損なわずにうまく短所をカバーしている。会社と自宅の間で持ち運ぶ際には標準バッテリ、飛行機での移動や外回りの営業時には大容量バッテリというように使い分けることで、本機は環境を問わない強力なツールとなるだろう。

・製品名:DynaBook SS S5/280PNLN
・標準価格:オープン(実売220,000円前後)
・問い合わせ先:株式会社東芝
・TEL:0570-00-3100(東芝PCダイヤル)
・URL:http://www.toshiba.co.jp/
・CPU:超低電圧版モバイルPentium III-M 800MHz
・チップセット:Trident Cyber Aladdin-T
・メモリ(最大):PC133 SDRAM 256MB(512MB)
・HDD:20GB(Ultra ATA/66)
・FDD:なし
・CD-ROMドライブ:なし
・ビデオ機能:Trident Cyber Aladdin-T内蔵
・ビデオメモリ:SMA方式によりメインメモリの一部を利用(16MB)
・ディスプレイ:12.1型低温ポリシリコンTFTカラー液晶
・最大解像度:1,024×768ドット/1,677万色
・サウンドチップ:AC97 CODEC
・モデム:56kbps(V.90対応)
・キーボード:85キー
・外部インターフェース:USB 2.0×3、外部ディスプレイ(D-Sub15ピン)×1、ヘッドホン×1、マイク×1、モデム(RJ-11)×1、10BASE-T/100BASE-TX(RJ-45)×1、PCMCIA Type2×1(CardBus対応)、CF Type2×1、SDメモリーカードスロット×1
・電源:リチウムイオンポリマーバッテリおよびAC電源
・バッテリ駆動時間:約2.4時間(大容量バッテリ装着時約7.7時間)
・本体サイズ(W×D×H):289×229×14.9(最薄部)~19.1(最厚部)mm
・重量:標準バッテリ搭載時1.19kg、大容量バッテリ搭載時約1.52kg
・OS:Windows XP Home Edition
・付属ソフト:駅すぱあと、Norton AntiVirus 2002、The翻訳インターネット Ver6.0 LEなど


■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)

□東芝のホームページ
http://www.toshiba.co.jp/
□製品情報
http://dynabook.com/pc/catalog/ss_c/020618s5/index_j.htm
□関連記事
【6月18日】東芝、薄型ノート「DynaBook SS」にCFスロット搭載モデル追加
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0618/toshiba.htm

(2002年8月5日)


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