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NEW PRODUCTS TESTREPORT

カシオ計算機
EXILIM EX-M1
MP3再生機能も備えた超スリムデジタルカメラ
TEXT:一ヶ谷兼乃 Kenno Ichigaya


コンパクトデジタルカメラの定番機種、IXY Digital(初代機、写真右)と比較してもその薄さは際立つ
 カシオ計算機からカード型デジタルカメラ「EXILIM(エクシリム)シリーズ」が発売された。このEXILIMシリーズには、静止画と動画を撮影できるEX-S1と、静止画・動画の撮影に加えて音声の録音・再生機能を備えたEX-M1がラインナップされている。EX-S1は幅88mm、厚さ11.3mm、高さ55mmと、液晶モニタ付きデジタルカメラとしては世界最薄を実現。重量も85gと非常に軽い。一方、EX-M1に関しては幅88mm、厚さ12.4mm、高さ55mm、重量87gと、多機能ながらきわめて軽量、コンパクトに仕上げられている。このうち、今回はEX-M1のほうを紹介しよう。

 EX-M1のホディは直線を基調としたシンプルなデザインで、質感のよい金属素材を採用している。これまでのカード型デジタルカメラは、トイカメラと呼ばれるようなものが多かったが、本機にはそれらとは一線を画す高級感がある。なお、EX-S1にはシルバーのほか、パールホワイトのカラーバリエーションモデルが存在するが、EX-M1はシルバーモデルのみとなる。

 撮影素子には1/2.7型134万画素のCCDを搭載し、最大1,600×1,200ドットの静止画を撮影できる。レンズは単焦点の非球面レンズで、光学ズーム機能は持たないが、デジタルズームは4倍まで可能。動画の記録は320×240ドット、15フレーム/秒のAVI形式で、録画時間は最長30秒となる。

 本体には12MBのフラッシュメモリを内蔵しており、JPEG形式、1,280×960ドットの標準モードで約24枚、640×480ドットのエコノミーモードで約120枚の撮影ができる。また、本体にはSDメモリーカード/MMC対応のメモリスロットが装備され、別途メモリカードを装着して記録枚数を増やすことが可能だ。

 背面部に搭載された1.6型TFT液晶モニタは、視認性に優れたもので、日中の野外でも十分使用に堪える。レンズ部の隣には光学ファインダーも用意されているので、必要ないときには液晶モニタの表示を切って節電すればよい。

 バッテリは付属の専用リチウムイオン充電池を使用する。フル充電時には連続で最大480枚もの撮影が可能なので、予備のバッテリを持ち歩く必要はあまりないだろう。充電は付属のクレイドルに置くだけでよいのも便利だ。

本体左サイドに専用バッテリを装着する。また、SDメモリー/MMCスロットは底面部に用意されている 各種設定はコントロールボタンで上下左右にカーソルを移動させ、必要な項目を選んでいけばよい。メニュー構成もシンプルで、必要な項目はすぐに見付かる

 使用感は非常に良好だ。電源を入れてから1秒程度で撮影可能な状態になり、撮影間隔もわずか0.6秒という機敏さは、「気軽に撮影できる」というデジタルカメラならではの魅力を後押ししている。今回は晴天下や夜間、室内などで撮影を行なってみたが、色合いのバランスが狂うこともなく、良好な画像を得ることができた。また、本体に内蔵されたストロボは小型ながら光量が多く、数m先の被写体でも効果がある。あえて難点を挙げれば、パンフォーカスであるため、撮影条件によってはまれに焦点の甘い画像になることだが、スナップ写真やメモ用途などの撮影であれば、十分過ぎるほどの性能を持っていると言えよう。

 音声関連の機能に関しても充実している。本機で再生可能なMP3ファイルは、ビットレート32~320kbpsのもので、VBRに対応する。操作には付属のヘッドホン端子付きリモコンを利用するが、これは前述のクレイドル用のコネクタに接続する仕組だ。再生音はノイズも少なく、MP3プレイヤーとして見ても高音質な部類に入るだろう。録音に関してはWAV形式となり、内蔵メモリだけで最長50分の記録ができる。

 インパクトのあるサイズに加えて、多機能さもあわせ持つ本機だが、その実売価格は4万円前後とお買い得感も高い。どこにでも持ち歩ける便利なツールとしてさまざまな環境で使ってほしい製品だ。

発色、解像度は思った以上に良好だった。スナップ写真を撮影する際には心強いアイテムとなりそうだ 液晶ディスプレイ付きのリモコンが付属し、これにヘッドホンを接続してMP3プレイヤーとして利用することも可能

・製品名:EXILIM EX-M1
・標準価格:オープン(実売40,000円前後)
・メーカー:カシオ計算機株式会社
・問い合わせ先:03-5334-4611(お客様相談室)
・URL:http://www.casio.co.jp/
・CCD:1/2.7型CCD、有効画素数124万画素
・レンズ:F2.5、f=5.6mm(35mmフィルム換算:約37mm相当)
・最大解像度:1,600×1,200ドット(ソフトウェア補間)
・記録メディア:内蔵フラッシュメモリ(12MB)、SDメモリーカード、MMC
・液晶モニタ:1.6型TFTカラー液晶
・インターフェイス:USBクレイドル接続端子
・電源:専用リチウムイオン充電池
・本体サイズ(W×D×H):88×12.4×55mm
・重量:約87g

■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)

□カシオ計算機のホームページ
http://www.casio.co.jp/
□製品情報
http://www.exilim.jp/
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(2002年7月10日)


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