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NEW PRODUCTS TESTREPORT

アイ・オー・データ機器
Rec-On VR-HDA80
単体動作が可能なHDD内蔵ビデオレコーダ
TEXT:天野 司 Tsukasa Amano


 アイ・オー・データ機器のRec-Onは、単体動作が可能なテレビキャプチャユニットだ。ラインナップにはHDD容量が40GBのVR-HDA40と80GBのVR-HDA80という2タイプが用意されているが、今回試用したのは後者だ。

 本体とHDDとの間はi・CONNECTと呼ばれる同社独自のインターフェイスで接続されており、HDDは同じインターフェイスのものと交換することが可能な点が特徴となる。現在、交換用のHDDとしては容量80GBのHDA-i80(OP)と40GBのHDA-i40(OP)の2タイプが用意されている。これらを用いることで、DVD-Rなどをはるかに上回る大容量の動画データを手軽に保存できるわけだ。

 入出力系を見てみると、背面にはOSDメニューなども表示されるモニタ用のビデオ出力端子、前面にはテレビやビデオデッキなどと接続するビデオ入出力端子が用意されている。本体に電源スイッチ以外のスイッチはないので、操作はモニタ出力に表示されるOSDメニューを見ながら付属のリモコンで行なうことになる。

本体前面部にはそれぞれ1系統のビデオ入出力が用意されており、ここにテレビやビデオデッキなどを接続する 背面部にはOSDメニュー用のビデオ出力のほか、アンテナ端子やHDDとの接続端子が配置されている。また、冷却用のファンも搭載されている

パッケージには赤外線リモコンも付属しているので、本体から離れた状態でコントロールすることもできる
 OSDメニューはシンプルで、その分操作も容易だ。ただ、利用できる機能も必要最小限のものとなっており、たとえば録画予約は、本体のみでは手動予約しかできない。基本的にはPCと接続しての利用がメインと考えたほうがよいだろう。また、スリップ再生にも対応するが、これを利用するためには、あらかじめOSDメニューから設定しておく必要がある。ただ、設定できるのは常時スリップ再生、もしくは常時リアルタイム再生という2パターンのみで、両者をワンタッチで切り換えことができない点は、少し不便に感じるかもしれない。

 PC用のユーティリティとしては、Rec-Onのファイルを閲覧する「Rec-Onエクスプローラ」とEPGによる録画設定を行なう「Rec-On予約ウィザード」それに「Rec-Onチャンネル設定」などが用意される。EPG機能はiEPG方式に対応しており、Webサイト「ONTV Japan」などで提供される番組表からの録画予約が行なえる。また、同社のテレビキャプチャ製品ではおなじみになった「reserMail」を利用して携帯電話からの録画予約を行なうことも可能だ。

 録画時の画質はHQ/SP/LPという3つのモードが利用できる。それぞれのbitレートは12/6/3Mbpsで解像度はHQ/SPモードが720×480ドット、LPモードは352×480ドットとなる。

 PC上で予約された内容は、予約した時点でUSBを経由してRec-Onに転送される。そのため録画が行なわれる際にPCが起動している必要はない。ただ、このとき転送される情報は、録画日時とチャンネルだけで、番組名などの情報は転送されない。そのため録画結果をRec-Onで確認する際に番組名などの情報を見ることはできない。また、予約情報はHDD内に保存されるため、録画予約を行なった後で別のHDDに取り換えてしまうと、予約は実行されなくなってしまう。予約を行なう際には必ず録画したいHDDを接続した状態で行なう必要がある。

外付けHDDユニットの中には一般的なIDE接続のドライブが内蔵されている。これを専用基板でi・CONNECT端子に変換する
 Rec-Onの録画フォーマットはMPEG-2だが、HDD上には独自のファイルシステムで記録される。そのためHDDだけをPCに接続してもアクセスすることはできない。また、録画内容をPCに転送するには、Rec-On本体のUSB端子を経由して行なうことになる。転送できるのは容量にして4GBまでに限られ、4GBを超える部分は転送が行なわれない。とはいえ4GBといえばHQモードでも45分相当になるため、それほど大きな不満とはならないだろう。

 それより気になるのはインターフェイスが低速なUSB 1.1である点だ。実際に転送してみたところ、約1GBの転送に15分ほど必要だった。4GBの制限はともかくとして、この転送速度は改善してほしいところだ。

 Rec-Onは、3次元ノイズリダクションや3次元Y/C分離のような、目立った高画質志向の機能は搭載しない。そのため画質はごく一般的なハードウェアエンコーダ搭載カードとほぼ同程度となる。ただ、この製品の場合はそれ単体で動作することの意味のほうがはるかに大きい。PCを動かし続けることなく、予約録画が行なえるというのは、確かに便利であるからだ。あまり難しいことは考えず、気軽にテレビ視聴を楽しみたいという層に向く製品だろう。

・製品名:Rec-On VR-HDA80
・標準価格:オープン(実売80,000円前後)
・問い合わせ先:株式会社アイ・オー・データ機器
・TEL:076-260-1024(ご購入前案内窓口)
・URL:http://www.iodata.jp/
・映像記録方式:MPEG-2
▼インターフェイス
 ・本体前面部:S-VIDEO IN×1、VIDEO IN×1、LINE IN×1、S-VIDEO OUT×1、VIDEO OUT×1、LINE OUT×1
 ・本体背面部:S-VIDEO OUT×1、VIDEO OUT×1、LINE OUT×1、アンテナ入力(F型コネクタ)
・受信チャンネル:VHF1~12ch、UHF13~62ch、CATV C13ch~C38ch
・本体サイズ(W×D×H):127×187×127mm
・重量:2.7kg

■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)

□アイ・オー・データ機器のホームページ
http://www.iodata.jp/
□製品情報
http://www.iodata.jp/products/video_rec/2002/recon/
□関連記事
【4月18日】アイ・オー、外付けHDD採用のビデオレコーダ「Rec-ON」発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0418/iodata.htm
【5月7日】【元麻布】PC機器ベンダーが作ったハードディスクビデオレコーダー
~アイ・オーの「Rec-On」を試す
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0507/hot200.htm

(2002年6月6日)


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