2月24~27日(現地時間)開催
●続々登場した、海外製400万画素モデル
これまで海外メーカーのデジタルカメラというと、VGAクラスの簡易モデルや130万画素クラスの低価格モデルが主流であり、高画素機は日本メーカーの独壇場という感じだった。
しかし、今回のPMAでは、海外メーカー各社から続々、400万画素クラスのモデルが登場してきた。
まず、既報のように、Kodakは399ドルの400万画素2倍ズーム機「DX4900」を発表。Leica(ライカ)は松下電器のLUMIX DMC-LC5のユニットをベースにした、Leicaブランドレンズ搭載400万画素3倍ズーム機「DIGILUX 1」を発表。Hewlett-Packardも超小型の400万画素3倍ズーム機「C-812」を近日発売するなど、なかなか活発な動きを見せている。
Kodak DX4900 | Leica DIGILUX 1 | Hewlett-Packard hp C-812 |
さらに、ドイツの名門Rollei(ローライ)は、410万画素3倍ズーム機「d41 com」を発表。機能的にはオーソドックスなモデルだが、デザインはどことなくドイツ製らしい無骨さを感じさせるものに仕上がっている。また、同社は2/3インチ524万画素CCD搭載機もPMA直後に正式発表するなど、高画素機に熱心に取り組んでいる。
Rollei d41 com |
また、韓国の大手SAMSUNGも同じく400万画素光学3倍ズーム機「DIGIMIX 410」を発表。こちらもあまり大きな特徴はないが、ごく普通のコンパクトカメラ的なデザインを採用しており、やや大きめではあったが、なかなか親しみやすいモデルに仕上がっていた。価格は 450ドルと3倍ズームとしては手ごろなレベルといえる。細部の作り込みという点では、代表的な日本製モデルには及ばない感じもあるが、スペックと価格重視の米国市場ではそれほど大きな問題にはならないようだ。
このほか、PMAでは、OEMメーカーもブースを出展しており、台湾の大手メーカーであるPremierは、400万画素光学4倍ズーム機「DC-4460」などを出品。このモデルはレンズにミノルタ製の「APO GTレンズ」を搭載した、高画質な4倍ズームモデルであることを強くアピールしていたのが印象的だった。
こうして、400万画素系モデルがOEM系メーカーのラインナップに加わったことで、自社生産できないメーカーでも、自社ブランドの400万画素機を発売できる環境になったわけで、今後、より多くのメーカーから400万画素の3倍や4倍ズーム機が続々登場することが予想される。
SAMSUNG DIGIMIX 410 | Premier DC-4460(写真中央のブラックボディ) |
●薄型130万画素簡易モデルも登場
いまや1万円前後の簡易デジタルカメラも130万画素CMOSを搭載した機種が登場。この分野もメガピクセル時代に突入した感がある。
その中で今回、台湾の大手レンズ製造メーカーLARGANは、昨年から発売中の薄型35万画素モデルと同じボディに、130万画素CMOSセンサーを搭載した新機種「Chameleon MEGA」を出品した。このモデルは、液晶モニタこそないが、名刺サイズのボディで、胸ポケットに楽々収納できる薄さを実現したもの。画質も気軽なメモやスナップ用であれば、実用レベルだった。
価格は129ドル前後を予定しており、OEM先ブランドで、日本国内でも近々発売されるようだ。
LARGAN Chameleon MEGA |
●直接USB接続可能なVGAモデルも
BENQ 300mini |
米国で人気の高かった、メール添付を主目的としたVGAモデルは、以前より減っている。そのなかで、ユニークな存在だったのがBENQの「300mini」というモデル( http://www.benq.com.tw/global/products/dsc/300mini.htm )。
このモデルは写真でもわかるように、カメラ側面にUSBインターフェイスが備わっており、側面のカバーをはずしてPCのUSBスロットに挿すだけで、内蔵メモリ(8MB)からのデータ転送ができるというもの。
サイズは85×19.8×40mm(幅×奥行き×高さ)とコンパクトで、重さも49gと軽量。最近流行のUSB接続式フラッシュメモリーとほぼ同等のサイズに収まっている。もちろん、VGAのCMOS搭載機であり、ストロボも内蔵していないので、画質的にもメモやメール用という感じだが、PCカメラとしても使える点は意外に便利。実用的でちょっとオシャレな、なかなか魅力的な存在に思えた。
●大容量データ保存にも新風
この春はデジタル一眼レフが一気に600万画素時代に突入。もはやギガクラスのデータを一日で撮影してしまう時代になったわけだ。
それにあわせて、メモリカード大手のSanDiskやLexar Mediaから、1GBのCF Type2カードが発表された。
なかでもLexar Mediaの1GBカードは、16倍速(2.4MB/秒)の記録を保障した、高速なもの。さらに「Pro Station Lexar Utilities」と呼ばれる、プロ向けに特化した画像修復サービスのデモも行なわれていた。これは、CFカードでのトラブルからデータを救済するためのWindows用ツールだ。これほどの大容量カードだけに、万が一、カードがトラブルを起こしたときにも安心できる環境を整えた点は高く評価できる。
また、一昨年あたりから登場し始めた、2.5インチHDDを使って、メモリーカードのデータを保管できるストレージもさまざまなメーカーから登場し始めた。
とくにNixvue Systemsが今回発表したモデルは、本体にカラー液晶モニターを装備しており、保存したデータを確認できるのが最大の特徴。なにしろ、従来機はモノクロの液晶で、コピーしたデータのファイル名しか確認できなかったため、やや不安があったが、画像を確認できれば、かなり安心感がある。
しかも、本機単体で、テレビ画面に記録した画像を映し出すこともできるため、旅先での確認や簡単なプレゼンテーションにも使えそうだ。発売は今夏を予定。当初は5GB HDDを搭載したモデルから発売が開始されるが、価格は499ドルとそれなりに高価なものになるという。
□2002 PMAのホームページ
http://pma2002.pmai.org/
(2002年3月11日)
[Reported by 山田久美夫]