プロカメラマン山田久美夫のIPPF2002 フォトレポート

キヤノンD60/ニコンD100の実機が操作可能

3月7~9日開催



 国内で春一番の写真系イベントとなる「国際プロ・フォト・フェア(IPPF)2002」が昨日7日から9日まで、池袋・サンシャインシティー文化会館で開催されている。

 このイベントは、その名の通りプロの写真機材を中心としたイベントだが、いまやこの世界はデジタル一色となっており、この春発表になった各社のデジタル一眼レフを真っ先に見ることができる、絶好のチャンスとなっている。

 そこで今回は、そのIPPFでの各社の展示内容を紹介しよう。


●キヤノン、600万画素デジタル一眼レフ「EOS D60」での撮影会を実施

 今回のIPPFの一番の目玉となったのが、早くも今月下旬発売になる、パーソナル向け機初の600万画素デジタル一眼レフ「EOS D60」だ。

 もちろん、ブースには十数台もの「D60」が並んでおり、自由に手にすることができる。さらに、ブース内の仮設スタジオを使って、同機や「EOS-1D」でモデル撮影をすることもできる。

 そして、撮影したデータは、すぐ横に数台設置された、Macintoshで確認できるうえ、その場でA3プリンタ「BJ F9000」からプリントアウトすることまでできる。また、プロ向けのイベントだけに、用意されているMacintosh用の液晶モニタも、カラーキャリブレーターを使って、きちんとキャリブレーションされているという念の入りよう。実際にディスプレイ表示とプリンタから出力されたものでは、さほど変わらない再現性が得られている点には感心してしまった。

 話題のD60だが、ボディー自体は「D30」と同じものだが、細部がかなり改良されており、使い勝手も向上している。購入を検討している人は、ぜひ同ブースで実機に触れておきたい。


●ニコン、D100やCOOLPIX2500の実機を出展

 キヤノンブースの真正面にあるニコンブースでは、同じく話題の600万画素デジタル一眼レフ「D100」を出展。

 「D100」の実機は2台あり、ブースで自由に操作できる。発売はまだ先だが、出展機では一通りの操作が可能で、撮影したものを背面の液晶モニタで見ることもできる。

 「D100」は写真で見るとやや大きめに見えるが、実機は結構コンパクト。操作性もなかなかよく考えられており、使いやすそうな印象をうけた。また、すぐ横がキヤノンブースなので「D60」と比較するのも容易だ。

 発売時期は現時点でも未定。価格については「D1・D1Xの半額を目安にしている」とアナウンスしていた。

 また、同ブースではレンズ回転式の「COOLPIX2500」も出展されており、手に触れることができる。

 このほか、手ブレ補正機能内蔵の望遠ズーム「AF-S VR ED70~200mm F2.8G(IF)」も参考出品されていた。こちらはウインドウ内での展示だが、VR搭載レンズながらも意外なほどコンパクトに仕上がっているのが印象的だった。


●京セラ、CONTAX N DIGITALを出展

 京セラは、来週発売予定の35mmサイズ600万画素CCDを搭載した「CONTAX N DIGITAL」を出品。もちろん、ブースでは手にとって操作することもできる。

 また、Nシリーズ用の17~35mmF2.8や85mmF1.4もあり、N DIGITALに装着して、その感触を知ることもできる。

 同機は一度発売が延期されており、再度告知された発売日は3月12日と来週に迫っている。にもかかわらず、ブースには実写したプリントが参考程度に一枚ある程度と、やや心許ない状況。

 ブースでは、発売日を再度確認する人も多かったが、現時点では従来通り「3月12日発売」というアナウンスをしていた。同機はCONTAXシリーズ初のデジタル機であり、80万円と高価なこともあって、再度、発売を遅らせても、より完成度の高い状態で発売する方がいいと思うのだが……。


●コダック、中判カメラ用1,600万画素デジタルバックをアピール

 コダックは先だってのPMAで初公開された、中判カメラ用の1,600万画素デジタルバック「DCSプロバック645M」(マミヤ645AF用)と同645C(CONTAX645用)を出展。わかりやすいデモも行なわれていた。

 同機は、中判カメラのフィルムバックの代わりに装着し、1,600万画素もの超高精細な撮影ができるプロ用バック。しかも、同じ1,600万画素のデジタルバックと違い、本体下に小型の充電式バッテリーを装着でき、単体で撮影できるのが最大の特徴だ。

 もちろん、価格は169万円と桁違いに高価だが、その画質には目を見張るばかり。同ブースにはA1くらいの実写プリントが多数飾られていたが、説明を受けなければ、中判フィルム以上で撮影したものだと思ってしまうほどのクォリティー。ワンショットタイプのデジタルカメラもここまできたか……と感心してしまうほどだった。

 同機は業務用機のため、通常のカメラ店などでは見ることはできず、IPPFのような展示会でしかお目にかかれないものだけに、現行デジタルカメラの限界点を確かめたい人は必見だ。


●富士フイルムやエプソンも出展

 富士フイルムは大きなブースを構えているものの、「FinePix S2Pro」「S602」ともに、試作機がアクリル越しに出展されているだけ。もちろん、実機に触れたり、実写プリントを見ることはできない状態。

 セイコーエプソンは、一昨日発表されたばかりのA3サイズの顔料系プリンター「PM-4000PX」を出展。プリントのデモも行なわれており、来場者の注目を集めていた。



□国際プロ・フォト・フェアのホームページ
http://www.jij.co.jp/event/ippf/
□関連記事
【2月25日】キヤノン、EOS D30後継のデジタル一眼レフ「EOS D60」
~有効約630万画素のCMOSを搭載
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0225/canon.htm
【2月21日】ニコン、610万画素一眼レフデジタルカメラ「D100」の開発を表明
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0221/nikon1.htm

(2002年3月8日)

[Reported by 山田久美夫]


【PC Watchホームページ】


PC Watch編集部 pc-watch-info@impress.co.jp

Copyright (c) 2002 impress corporation All rights reserved.