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NEW PRODUCTS TESTREPORT

ソニー
バイオJX PCV-JX10GL5
省スペースデザインで生まれ変わった エントリー向けデスクトップバイオ
TEXT:清水理史 Masashi Shimizu


筐体前面部のパネルは開閉式。この内部をはじめとして本機は省スペース機ながら数多くのインターフェイスを備える
 ソニーから、エントリー向けデスクトップPC「バイオJX」シリーズが登場した。従来のラインナップにおけるJシリーズの後継として位置付けられるものだが、旧シリーズの面影が感じられないほどの大きな変更がなされている。そのJXシリーズの中から今回紹介する「バイオJX PCV-JX10GL5」は、15型液晶ディスプレイをバンドルした最上位モデルとなる。

 本機でもっとも印象的なのはその外観だ。筐体は従来のマイクロタワーケースから、省スペース型のスリムケースに変更されており、前面にアクリル製フロントパネルをあしらうなど、デザインも一新された。同社が「欧州の建築物や家具の雰囲気をイメージした」と言うだけのことはあって、かなりスタイリッシュなイメージだ。ただし、サイドパネルなどはいかにも樹脂っぽい質感で、前面以外の作りは価格相応という感もある。

 ちなみに、フロントパネルは、前面に配置されているボタンを押すことで一旦横にスライドさせてから開くという凝った構造で、ここにPCカードスロット、メモリースティックスロット、さらにIEEE 1394、USB、光デジタルオーディオ出力の各端子を1つずつ装備している。このほか、キーボードのパームレスト部分がコンパクトに折り畳めるようになっているなど、さまざまな部分に工夫が凝らされている。

 基本スペックも大幅に変更された。従来のJシリーズはCPUにAthlon 1GHz、チップセットにSiS730Sと、AMDベースのシステムを採用していたが、今回のJXはCPUにCeleron 1.2GHz、チップセットにIntel 810E2とIntelベースのシステムを採用している。ビデオがIntel 810E2内蔵のものとなるため、3D処理は苦手と言えるが、それ以外の面での性能は悪くない。実際、インターネットや、プリインストールされているバイオ独自のソフトウェアを一通り利用してみたが、ストレスを感じることはなかった。そのため、多くのユーザーが日常の利用で困ることはないだろう。

PCIスロットは2本用意されているが、MPEG-2リアルタイムエンコーダカードを搭載する本機での空きスロットは1本となっている 限られたスペースを活かすため、ストレージ類の取り付け方法には工夫が見られる。とくにHDDは筐体上部から取り付けられるというめずらしい構造だ。ただ、当然保証外の行為となるが、換装は比較的容易だろう

 また、JXシリーズ中で本機のみGiga Pocket Ver.4.5を利用したテレビ表示、録画が楽しめる。エントリークラスながら、同社のバイオWシリーズで採用されているソフトウェアエンコードではなく、PCIスロットに装着されたMPEG-2リアルタイムエンコーダカードによるハードウェアエンコードとなっており、機能面ではより高価なLXやRXシリーズにも引けを取らない。さらにGiga Pocketでは、ほかのバイオにネットワーク経由でリアルタイムにテレビ画像を送信したり、外部に接続したデジタルCSチューナーの番組を録画したりすることが可能となっている。高機能なテレビ再生や録画をこの価格帯のPCで楽しむことができるのだから、これだけでも本機を購入する価値はある。

本機のマザーボード。メモリスロットは2本用意されており、そのうち1本が空きとなる
 ちなみに、JXシリーズの店頭販売モデルには15型のTFT液晶、または17型のFDトリニトロン管ディスプレイが付属するが、同社の直販サイト「Sony Style( http://www.jp.sonystyle.com/ )」では、ディスプレイなしのモデルも購入できるようになっている。既存のPCからの買い換えを考えている場合には、こちらを検討してみてはいかがだろうか。

 バイオJXは、そのデザイン、価格、機能ともに、実にバランスのよいPCと言える。非常にお買い得感の高い製品だ。

・製品名:バイオJX PCV-JX10GL5
・標準価格:オープン(Sony Style価格:179,800円)
・問い合わせ先:ソニーマーケティング株式会社
・TEL:03-5454-0700(VAIOカタログセンター)
・URL:http://www.vaio.sony.co.jp/
・CPU:Celeron 1.2GHz
・チップセット:Intel 810E2
・メモリ(最大):256MB SDRAM(512MB)
・HDD:80GB(Ultra ATA/100)
・FDD:なし(オプション)
・DVD-ROM・CD-R/RWコンボドライブ:CD-R書き込み最大8倍速、CD-RW書き換え最大8倍速、DVD-ROM読み出し最大4倍速、CD-ROM読み出し最大32倍速
・ビデオチップ:Intel 810E2内蔵
・ビデオメモリ:SMA方式によりメインメモリの一部を利用(最大11MB)
・ディスプレイ:15型TFTカラー液晶
・最大解像度:1,024×768ドット/1,677万色
・サウンドチップ:AC'97 CODEC
・モデム:56kbps(V.90/K56flex対応)
・キーボード:109キー(PS/2接続)
・内部拡張スロット(空き):PCI×2(1)
▼外部インターフェイス
 ・前面部:USB×1、IEEE 1394(S400、4ピン)×1、S/P DIF(光角型)×1、PCMCIA Type2×1(CardBus対応)、メモリースティックスロット×1
 ・背面部:USB×2、IEEE 1394(S400、4ピン)×1、キーボード(PS/2)×1、マウス(PS/2)×1、ディスプレイ(D-Sub 15ピン)×1、ディスプレイ(DVI-D)×1、LINE IN×1、ヘッドホン×1、マイク×1、スピーカー×1、モデム(RJ-11)×1、10BASE-T/100BASE-TX(RJ-45)×1
・MPEG2リアルタイムエンコーダカード部:S-VIDEO IN/VIDEO IN(専用端子)、S-VIDEO OUT/VIDEO OUT(専用端子)
・本体サイズ(W×D×H):104×365×343mm
・重量:約8.1kg
・OS:Windows XP Home Edition
・付属ソフト:Giga Pocket Ver.4.5、DVgate Ver.2.5、SonicStage Ver.1.1 for VAIOなど

■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)

□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□製品情報
http://www.sony.co.jp/sd/products/Consumer/PCOM/PCV-JX10G/
□関連記事
【1月17日】ソニー、新筐体を採用したデスクトップPC「バイオJX」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0117/sony1.htm


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