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NEW PRODUCTS TESTREPORT

エプソンダイレクト
Endeavor AT-900C
100,000円を切る構成も可能なブック型Pentium 4マシン
TEXT:橋本新義 Shingi Hashimoto


シンプルなインターフェイスまわり。だが、ケース前面のUSB端子やDVI-Dの装備など、ポイントは押さえられている
 この冬PC市場において、1つのスタンダードとなった感のあるPentium 4搭載コンパクトデスクトップ機。このジャンルは、まだ登場から日が浅いにもかかわらず、相次いで参入メーカーが増加する激戦区となっている。

 今回紹介するエプソンダイレクトの「Endeavor AT-900C」も、同社のビジネス向けデスクトップ機の新たな主力として位置付けられる、Pentium 4搭載コンパクト機だ。

 本機の外観は、2002年12月5日付けの本コーナーで紹介したAthlon XP搭載機「EDiCube BB100」に近く、そのサイズも幅88mm、奥行き375mm、高さ304mmと、BB100と同一であるものの、Pentium 4搭載PC機の中ではかなりコンパクトな部類に入る。基本構成をBB100と比較した場合は、CPUとチップセットといったプラットフォームに関係する箇所のほかに、個人ユーザーから需要の多いPCカードスロットとIEEE 1394ポートが搭載されていないという違いがある。

内部の構成には意外と余裕がある。PCIスロットも2本用意されているため、ある程度の内部拡張も可能だ
 そのAT-900Cの各構成は同社独自のBTO(Build To Order=注文受注生産)での選択が可能だ。まずCPUはSocket 478版Pentium 4 で、試用機に搭載されていた2GHz版をはじめとして、1.8/1.7/1.6/1.5GHz版も選択できる。

 マザーボードは、ASUSTeK P4B-EDのエプソンダイレクト向けカスタムバージョンが搭載される。採用されるチップセットはIntel 845で、メモリはPC133 SDRAMに対応する。メモリスロットは2本用意されており、容量は128MBから1GBの間で選択可能となっている。この辺りは標準的な仕様だが、ビデオまわりはビジネス機としては比較的高性能で、ビデオチップにGeForce2 MX 200、ビデオメモリとして16MBのSDRAMをオンボードで搭載する。

 Windows XPでは、一般的なウィンドウ操作でもファイル選択領域の半透明表示などを実現するため、ビデオチップも従来より高機能なものが求められるようになっただけに、こうしたビデオ機能の強化は喜ばしい。ただ、ビデオチップがGeForce2 MX 200で、かつアナログRGB出力端子とDVI-D端子の双方を備えるため、TwinViewを使ったデュアルディスプレイ出力が可能のように思えるかもしれないが、これには対応していない。

 オンボードインターフェイスは充実しており、オーディオ用のAC'97コーデックチップはAvance LogicのALC201が、EthernetコントローラとしてRealtekのRTL8100が搭載される。

今回の試用機に搭載されていたCPUクーラー。独特の形状だが、冷却性能は悪くないようである
 ストレージまわりを見ると、HDDはUltra ATA/100対応ドライブが20/40/80GBから、光学ドライブはCD-ROMのほか、CD-R/RWドライブ、DVD-ROM・CD-R/RWコンボドライブ、さらにはDVD+RWドライブから選択できる。

 小型Pentium 4マシンにおいて問題となる冷却まわりも抜かりのない仕様となっている。CPクーラーは、小型Pentium 4マシンで採用例の多い、松下寿電子工業製のものを搭載。ファンには耐久性に優れる流体軸受けが採用されている。回転数もCPU温度によって細かく変化させているため、稼働音は比較的小さい。ただし、今回試用した試作機には存在しなかったケースファンが追加されるとのことなので、製品版ではもう少し稼働音が増えると思われる。

 本機は、現在主流の機能と要素を取り込みつつも、その構成はあくまでシンプルという、エプソンダイレクトが得意とするバランスでまとめられている。ビジネスモデルという位置付けのため、選択できるOSがWindows XP Professional/2000 Professional/98 SEの3種類となる点はやや残念だが、価格もPentium 4 1.5GHz、メインメモリ128MB、HDD容量20GB、CD-ROMドライブといったWindows XP Professional搭載時の最小構成で95,000円と非常に手頃である。クセのないスタンダードなPentium 4機を求める層には非常に魅力的な製品となるだろう。

・製品名:Endeavor AT-900C
・標準価格:134,000円(1月7日現在、今回試用した下記の構成において。BTOにより変動)
・問い合わせ先:エプソンダイレクト株式会社
・TEL:0120-545-101
・URL:http://www.epsondirect.co.jp/
・CPU:Pentium 4 2GHz
・チップセット:Intel 845
・メモリ(最大):128MB PC133対応SDRAM(1GB)
・HDD:40GB(Ultra ATA/100)
・FDD:3.5型3モード
・CD-ROMドライブ:最大48倍速
・ビデオチップ:nVIDIA GeForce2 MX 200
・ビデオメモリ:16MB
・最大解像度:1,280×1,024ドット/1,677万色
・サウンドチップ:ICH2+AC'97 CODEC
・モデム:なし(BTOにより選択可能)
・キーボード:106キー(PS/2接続)
・内部拡張スロット(空き):PCI×2(2)
●外部インターフェイス
 ・本体前面:USB×2、ヘッドホン×1、マイク×1
 ・本体背面:USB×2、キーボード(PS/2)×1、マウス(PS/2)×1、シリアル(Dsub 9ピン)×1、パラレル(Dsub 25ピン)×1、ディスプレイ(Dsub 15ピン)×1、ディスプレイ(DVI-D)×1、LINEIN×1、LINE OUT×1、GAME/MIDI×1、10BASE-T/100BASE-TX(RJ-45)×1
・本体サイズ(W×D×H):88×375×304mm
・重量:約7.1kg
・OS:Windows XP Professional
・付属ソフト:McAfee Virus Scanなど


■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)

□エプソンダイレクトのホームページ
http://www.epsondirect.co.jp/
□製品情報
http://www.epsondirect.co.jp/at-900c/
□関連記事
【2001年12月17日】エプソンダイレクト、95,000円の省スペース型Pentium 4搭載PCなど
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20011217/epsond.htm
【2001年12月5日】【Newpro】EDiCube BB100
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20011205/newpro.htm


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