イベントレポート

ソニーモバイル、Snapdragon 855搭載で6.1型へと小型化した「Xperia 5」

ソニーモバイルのXperia 5

 ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社(以下ソニーモバイル)は、IFA 2019が開催されているドイツ共和国ベルリン市にあるベルリンメッセにおいて、同社の最新スマートフォンとなる「Xperia 5」を発表した。

 Xperia 5は、2月末にスペイン・バルセロナで開催されたMWC 19において発表されたソニーモバイルのフラッグシップ製品となるXperia 1と並ぶ製品となるが、ディスプレイがXperia 1が6.5型4K(3,840×1,644ドット、21:9)/HDR対応のOLED(有機EL)パネルを採用しているのに対して、Xperia 5は6.1型フルHD+(2,520×1,080ドット、21:9)/HDR対応のOLEDパネルに変更されており、それにより筐体がより小さく、軽量になっている。ソニーモバイルではフラッグシップラインナップのなかでの小型版と位置づけている。

21:9のアスペクト比という特徴を受け継ぎ小型化したXperia 5

 2月に発表されたXperia 1と、今回発表されたXperia 5は、内蔵されているSoCやカメラなどの世代では、同じ世代に属す製品となる。いずれの製品もSnapdragon 855を採用し、メモリは6GB、ストレージが64GBないしは128GBとなっており、背面カメラが3眼(ズーム、標準、広角)となっている点も同様で、そのあたりは大きな違いはない。

 無線関連もXperia 1と同様で、LTE-AのCat.19に対応しているほか、IEEE 802.11ac、Bluetooth 5.0を搭載。サウンド機能としてLDACやDolby Atmosにも対応している。

 それぞれのスペックは以下のようになっている。

【表1】Xperia 5とXperia 1のスペック
Xperia 5Xperia 1
グローバルな発表タイミング19年IFA(9月)19年MWC(2月)
SoCSnapdragon 855Snapdragon 855
メモリ6GB6GB
内蔵ストレージ64/128GB(UFS)64/128GB(UFS)
ストレージ拡張microSDXC(最大512GB)microSDXC(最大512GB)
ディスプレイ6.1型フルHD+(2,520×1,080ドット、21:9)/HDR対応/OLED6.5型4K(3,840×1,644ドット、21:9)/HDR対応/OLED
モデムLTE-A Cat.19(4x4、MIMO)LTE-A Cat.19(4x4、MIMO)
Wi-FiIEEE 802.11acIEEE 802.11ac
BluetoothBluetooth 5.0Bluetooth 5.0
NFC搭載搭載
I/OUSB Type-C(USB PD対応)USB Type-C(USB PD対応)
指紋認証右側面中央右側面中央
背面カメラ1/CMOSセンサー1,200万画素(26mm/F1.6) 光学手ぶれ補正/120fps(スロー時)1,200万画素(26mm/F1.6) 光学手ぶれ補正/960fps(スロー時)
背面カメラ2/CMOSセンサー1,200万画素(52mm/F2.4)光学手ぶれ補正1,200万画素(52mm/F2.4)光学手ぶれ補正
背面カメラ3/CMOSセンサー1,200万画素(16mm/F2.4)1,200万画素(16mm/F2.4)
前面カメラ/CMOSセンサー800万画素(23mm/F2.0)800万画素(23mm/F2.0)
DolbyAtmos
バッテリ容量3,140mAh3,330mAh
サイズ(幅×奥行き×高さ)68×158×8.2mm72×167×8.2mm
重量164g180g
OSAndorid 9.0Andorid 9.0

 両製品の最大の違いはディスプレイだ。両製品ともにOLED(有機EL)のパネルを採用している点は同じだが、Xperia 1が6.5型で4K(3,840×1,644ドット)/HDR対応となっているのに対して、Xperia 5は6.1型でフルHD+(2,520×1,080ドット)となっており、やや小型のディスプレイになり、解像度が低下している。

 このため、Xperia 5はXperia 1に対し約12%ほど底面積が小さくなっている。とくに縦に持った時の横幅は約6%ほど小さくなっており、片手持ちが難しい手が小さめの女性などでも持つのが容易になる。重量も164gとなっており、Xperia 1の180gと比較して約9%軽くなっている。

 しかしながら、Xperia 1と同じように21:9のアスペクト比という縦長のディスプレイという特徴は同様で、Xperia 1でサポートされていた2つのアプリケーションを同時に表示できる2画面分割表示などの特徴はそのまま引き継いでいる。また、Xperia 5も解像度はFHD+ながらHDR表示に対応しており、Xperia 1にもあった「X1 for mobile」という画質強化機能が搭載される。

960fpsのSSに未対応以外はXperia 1と同じ3眼カメラを採用

Xperia 5のトリプルレンズ、上から望遠、標準、広角のレンズ

 カメラはXperia 1と同じように3眼となっている。ただし、Xperia 1ではレンズが本体の中央にあるデザインになっていたが、Xperia 5では左側面に寄っていることがデザイン上の大きな違いとなる。3眼のレンズは上から52mmの望遠レンズ、26mmの標準レンズ、16mmの超広角レンズとなっている。

 細かな違いを言うと、Xperia 1では標準、望遠、広角の順になっていたが、Xperia 5では望遠、標準、広角の順になっており、標準と望遠の順序が入れ替わっている。なお、画角や画素数などはいずれも同様となっている。ただし、ソフトウェア的には新機能として画像解析技術を応用した撮影アドバイス機能が用意されており、レンズに指がかかっていたり、フォーカスがズレていたりしたら撮影前に通知したりすることができるようになっている。

 機能面での大きな違いは標準レンズのスーパースローモーションが、Xperia 1では960fpsまでの対応となっているが、Xperia 5では120fpsまでの対応となっている。これは、CMOSセンサーがXperia 1ではDRAM積層のソニーの最新CMOSセンサーであるのに対して、Xperia 5ではDRAM積層ではないCMOSセンサーであるためだ。画素数などは同じであるため、写りなどには大きな影響は与えないが、スーパースローモーション重視のユーザーは注意が必要だ。

 OSはAndroid 9.0(Pie)で、SIMカードスロットはトレイ式で、Nano SIMカードがシングルないしはデュアルで利用できる。なお、シングルかデュアルかは市場によって異なるが、ソニーモバイルによれば、現時点では未定とのことだ。

 充電端子はUSB Type-Cになっており、USB PD 3.0に対応している。ヘッドフォン端子はなく、USB Type-Cポート経由での出力となる。カラーバリエーションはブラック、グレイ、ブルー、レッドの4色。

 また、今回のXperia 5発表に合わせて、純正ケースが3種類発表された。透明なカバーで蓋をしたままでも画面を見ることができる「スタイル・カバー・ビュー」、手になじむデザインの「スタイル・カバー」、カードポケット付きの本革カバーの「スタイル・カバー・レザー」の3製品が用意される。

 Xperia 5は、「今秋に日本を含む国と地域で導入する」予定だとしており、現時点ではどの通信キャリアから販売されるかどうかなどは明らかになっていない。しかしXperia 1では3大キャリアから販売されただけに、Xperia 5でも同様に販売されることが期待できるだろう。

ブルー
グレイ
レッド
ブラック
本体の左側面はSIMトレイ、モデルによってシングルとデュアルのSIMスロット
電源ボタンと指紋センサー
底面のUSB Type-C