【イベント】 |
(写真左:IntelのXEONプロセッサを使用した実演デモ)
IBMの「Netfinity 5500」 |
Intelのブースでは、Xeonを搭載したサーバーとワークステーションの実演デモに大勢の観客が集まった。また、IBM、Dell、Gateway、Hewlett-Packard(HP)、東芝、日立なども各社一斉に、Xeonを搭載したサーバーとワークステーションを出展していた。
Lotusブースを含めて一番広いブース面積を持つIBMでは、「e-business」ロゴ入りのノートPC収納ボックスを来場者に配り、SOHO市場をターゲットにした電子商取引ソリューション戦略をアピールしていた。その戦略の一環であるXeon搭載サーバー「Netfinity 5500」は最大2基までのXeonと、1GBのSDRAM ECCメモリを搭載。
また、昨年ALRを買収してサーバー事業に乗り出したGatewayは、Xeonを最大2基搭載できる「ALR7200」、「ALR8200」シリーズサーバーを展示していた。今後はサーバーとワークステーション事業に一層注力するという同社では、Xeonを4基搭載したサーバーも展示していた。
北米市場で初めてサーバー事業に進出する東芝は、Xeonを最大2基、100MHzシステムバスを搭載した「Magnia 3000」、「Maginia 5000」を公開して注目を集めた。Magnia 3000は7月14日から3,000ドルで、Magnia 5000は8月14日から4,000ドルで発売される予定。同社は、今年後半にもXeonを4基搭載したサーバーを発表すると語る。東芝ではノートPC売上の落ち込み、またデスクトップPCの不振から、サーバー事業に本格的に乗り出している。
Gatewayの「ALR7200」 | 東芝の「Magnia 5000」 | HPの「NetServer LC 3」 |
パソコンの価格が下落し続けている現在、収益性を高めるため、パソコンメーカーの多くは利益率の高いサーバーやワークステーション事業に乗り出す必要性に迫られている。こうしたなかで、Xeonはパソコンメーカーにとって、UNIXベースのサーバーやワークステーションに対抗するための重要な戦略となるだろう。
また、Intelにとっても、Xeonは利益率を高める期待のチップだ。Intelは今年の4月、決算の落ち込みから従業員を3千人ほどレイオフすると発表している。同社では、2四半期連続でOEM需要が減少しており、前四半期からは純利益27%減、売上7%減、対昨年同期比では純利益36%減、売上7%減となっている。また、低価格チップ戦略から、2次キャッシュを省いた低価格パソコン用プロセッサ「Celeron」なども発表したが、こうした低価格チップが利益率を圧迫している。
デスクトップ市場での競争激化により、チップメーカーやパソコンメーカーは生き残りをかけた新パラダイムを模索しているが、今回のPC EXPOで大きな目玉となった「Xeon」サーバーが、各社の新たな収益モデルを切り開き、ユーザー側にとっては従来よりも低コストでのビジネスソリューションを実現するものになるだろう。
□PC EXPO 1998ホームページ
http://www.pcexpo.com/
□米Intel「Intel at PC EXPO '98」ページ
http://www.intel.com/pressroom/kits/events/9806expo.htm
□「Intel Pentium II Xeon」製品情報(和文)
http://www.intel.co.jp/jp/intel/inside/svwbrand.htm
□米IBM「IBM at PC EXPO '98」ページ
http://www.ibm.com/News/events/pcexpo/cnews.htm
□Toshiba AmericaのPC EXPO関連プレスリリースのページ
http://www.toshiba.com/pcexpo/press.htm
□東芝「PCサーバMAGNIAシリーズを日米で発売」ニュースリリース(和文)
http://www.toshiba.co.jp/about/press/1998_06/pr_j1601.htm
('98/6/19)
[Reported by HIROKO NAGANO, iMMERS, Inc.]