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NEW PRODUCTS TESTREPORT


カノープス
EZDV

DVRaptorの機能を継承した
低価格DVキャプチャカードの決定版

TEXT:天野 司 Tukasa Amano



編集ソフト、EzEdit。DVRaptorでは別売だったRaptorEditに相当する機能を持つ。
 カノープスが発売したEZDVは、DV方式のビデオカメラやビデオデッキと接続してビデオキャプチャを行なう、DVビデオキャプチャカードだ。その位置付けは同社が発売している「DVRaptor」の下位製品にあたり、価格は前者の86,000円に対して39,800円と半額以下に抑えられている。

 DVRaptorとEZDVの差はハードウェア構成にある。DVRaptorの場合、DVコーデックのデコードを外部のDV機器に行なわせ、そのアナログビデオ信号をハードウェアによってPC画面上にオーバーレイ表示するというユニークな構成を取る。これにより、スムーズなプレビュー表示ができる半面、オーバーレイを行なうハードウェアのコストが発生していた。これに対してEZDVでは独自開発のソフトウェアでDVデコードを行ない、Windows上で画像をプレビューする。結果として高いCPUパワーが必要になるが、前述のアナログ回路分のコストが低下するというわけだ。


EZNavi。グラフィカルな操作は直感的で分かりやすい
 DVをソフトウェアでデコードする際に高いCPUパワーを使用するため、要求するCPUスペックはPentium II 400MHz相当となっている。DVRaptorが必要とするCPUがMMX Pentium 200MHzであることに比較するとずいぶん敷居が高いように思われるが、エントリーレベルのPCでもCeleron 466MHzクラスのCPUを搭載していることがめずらしくない近年では、ユーザーにとってさほどきびしい条件でもないだろう。筆者は、CPUにPentium II 450MHz、メインメモリ128MB、ビデオカードにはSPECTRA 5400 Premium Edition、HDDはUltra ATA/33に対応したDTTA-350840といったマシン構成にWindows 2000をインストールした環境で試用したが、動作は快適でDVRaptorと比較してもプレビューのスムーズさなどは変わらないと感じた。


EZDVのキャプチャ機能を実現するソフト、EzVideo。DVRaptorにおけるRaptorVideoに相当する機能を備えており、キャプチャ、再生、簡易編集を可能にする。 SoftXplode。一部とは言え、DVXPLODEの機能をソフトウェアだけで実現できることのメリットは大きい
 バンドルされるソフトウェアの構成やその操作法はDVRaptorに酷似しており、ビデオキャプチャ、再生、簡易的なカット編集が可能な「EzVideo」(DVRaptorのRaptorVideoに相当)、テープ上のインデックスを作成する「EzNavi」(同RaptorNavi)、オーディオキャプチャを行なう「EzAudio」(同RaptorAudio)、それに本格的なビデオ編集まで可能な「EzEdit」(同RaptorEdit)などが用意されている。とくに本製品の機能の中核をなすEzVideoでは、画面デザインがRaptorVideoと似ていることもあって、どちらを使っているのか見分けが付かないほどだ。また、DVRaptorに対してRaptorEditはオプションだったが、EzEditは標準でのバンドルとなる。さらにそのEzEditでは、同社の3Dエフェクトアクセラレータ「DVXPLODE」の一部機能をソフトウェア化したエフェクト集「SoftXplode」が付属する。

 アナログオーバーレイ以外でのDVRaptorとの違いは、DVRaptorに添付されているPremiere用のプラグインとMediaStudio Proが用意されない点、16:9のワイド表示モードでの編集がサポートされない点、それに業務用DV規格であるDVCAMがサポートされていない点などが挙げられる。だが、これらの点は、パーソナルユースにおいてそれほど大きな問題となることはないだろう。つまり、機能面ではEZDVのほうが充実している部分もありながら価格は半分以下となっており、コストパフォーマンスは非常に高いと言える。

 これまでDVRaptorは、他社製品に比較すると性能的に優れているものの、その分高価になっていた。対してEZDVは、これとほぼ同等の機能を備えながら大幅な低価格を実現している。価格的な問題からDVRaptorの購入に二の足を踏んでいた方や、DV編集を始めてみたいと考えている方にとって魅力的な製品であることは間違いない。


  • 製品名:EZDV
  • 標準価格:39,800円
  • メーカー:カノープス株式会社
  • 問い合わせ先:078-992-6830
  • URL:http://www.canopus.co.jp/
  • インターフェース:iLINK(S400)×1
  • 対応OS:Windows 98/98 SE/2000/NT 4.0+SP4以降
  • 付属ソフト:EzVideo(DVキャプチャ、再生簡易カット)EzEdit(編集)、EzNavi(DVテープのインデックス作成)、EzAudio(音声編集)、EZDV Test(動作環境テスト)、SoftXplode(ソフトウェアエフェクタ)
  • IEEE1394リンク層IC:富士通 MB86611A
  • IEEE1394物理層IC:富士通 MB86611A
  • 動作環境(推奨):
  • CPU:Pentium II 400MHzまたはCeleron 466MHz以上(Pentium III 500MHz以上)
  • メモリ:64MB以上(128MB以上)
  • グラフィックスカード:1,024×768ドット/65,536色以上で表示でき、DirectDrawのオフスクリーンによるオーバーレイに対応したもの
  • 映像データ用HDD:Ultra ATA/33またはUltra Wide SCSI以上

    ■写真撮影
    若林直樹(STUDIO海童)

    □カノープスのホームページ
    http://www.canopus.co.jp/index_j.htm
    □製品情報
    http://www.canopus.co.jp/catalog/ezdv/ezdv_index.htm
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    【2月29日】カノープス、DVRaptorと同等の機能を持つDVキャプチャカード
    http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000229/canopus.htm


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    ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp