現代を生きるビジネスマンにとって、PCは避けようのない必須アイテムだ。特に春から新社会人になる人は、仕事にもプライベートにも便利に使える1台を求めていることだろう。

 ビジネスマンがPCで仕事もプライベートもこなすためには、高性能かつ持ち運びが楽な1台が欲しい。今回は、パナソニック製モバイルノートPC「レッツノートSZ5」で、仕事とプライベートをどこまで快適にこなせるのか、筆者が実際に使い込んでレポートする。

 筆者はフリーランスのジャーナリストだが、原稿を書くのはオフィスワーク、取材に出るのは外回りみたいなもの。PCに求めるものは現代ビジネスマンとそう変わりはない……はずだ。

地味な違いの積み重ねがオフィスワークの快適さを生む

 まずはオフィスワークでの使い勝手から。本機は12.1型液晶を採用しており、本体はノートPCとしては小さめの部類になる。「画面は大きいほうがいい」という声が聞こえてきそうだが、その点はむしろ本機のアピールポイントになる。

 液晶サイズは12.1型であっても、画面解像度は1,920×1,200ドットと広い。一般的にPCで使われるフルHDモニターは1,920×1,080ドットなので、本機は120ドット分だけ縦に広い。物理的には小さくとも、デジタル的には広いのだ。

 またビジネスユースでは、画面が縦に長い方が使い勝手がいい。PDFなどの資料は大抵縦長だし、Webブラウザーのスクロールもほとんどは縦方向。画面内に見える情報量には意外と差が出る。調べ物をしながら資料を作る時には、作業効率に地味に効いてくる。

 入力の要であるキーボードもよくできている。筐体は小さくともキーのサイズは十分確保されており、入力に支障がない。この原稿は本機を使用して執筆しているが、最初から違和感なくブラインドタッチで入力できている。キータッチは軽めで、小型の本体ながらストロークもそれなりにあるため、打鍵感がいい。タイピング音も静かで快適だ。筆者は割とタイピングが強めで音も大きいが、これなら周囲に迷惑と感じられるほどのことはなさそう。

 タッチパッド部は独特な丸い形状をしているが、これにも理由がある。タッチパッドの円の外側をなぞるように指を滑らせると、画面のスクロール操作ができる。ちょっとした機能だと思うかもしれないが、使い勝手は抜群によくなる。

 コンパクトな筐体はオフィスワークでも便利に働く。最近は「コストカットのためにオフィスの机が狭くなった」という悲しい声も聞かれるが、PCが小さければ机の占有スペースは減り、他の用途に使える。紙資料を参照しながらの作業では、この差が快適性を高めることになる。

 加えて2016年春モデルでは、メモリーが8GBに増量され、マルチタスクでの使用感も向上している。またOSを標準のWindows 10 ProからWindows 7 Professionalにダウングレードしたモデルも用意されるので、仕事上どうしても古いOSが必要だという人にも対応できるようになった。

 1つ1つの違いは地味なのだが、それぞれが作業効率を高める方向にじわじわと効いてくる。最初は「小さいから作業しづらいかな?」と思っていたのだが、実際には「小さいから便利だと感じることもあるんだな」と考えを改めるに至った。

モバイルユースはレッツノートの本領発揮!

メタル感のある筐体からは想像できないほどの軽さに誰もが驚く

 次は外回りでのモバイルユース。最軽量モデルでは約929gという超軽量モバイルノートの本領が発揮される用途だ。筆者が初めて本機を手にした時は、軽いとわかっていたにも関わらず、持った時の軽さに驚かされた。

 友人らに本体を持たせてみると、例外なくその軽さに驚くのが面白い。「中身が入っていないんじゃないか」と言う人さえいて、そこでおもむろに電源を入れて見せれば、「安心してください、入ってますよ!」というネタも披露できる。それがウケるかどうかはさておき、誰もがそれくらいの驚きを覚えるほど、見た目と軽さのギャップがある。

 軽さに加えてサイズもコンパクトなので、出した時に邪魔にならない。例えば電車の中で急な連絡を受けたら、駅のベンチに座って本機をひざ上に置き、駅のWi-Fiに接続すれば、すぐさま返事できる。飲み会中に連絡を受けても、テーブルにちょっとスペースを作れば置いて使えるので重宝する。

 さらに本体をLTE対応モデルにすれば、WonderlinkなどMVNOの格安SIMを装着することで、Wi-Fi環境がない場所でも通信が可能になる。Wi-Fiが使えない場所はもちろん、電車の中など移動中でも通信が可能になり、モバイルユースがより快適になる。「僅かな空き時間も無駄にしたくない!」という人には嬉しい機能だ。

天板の凹凸により、高い強度を誇る。デザイン的にも独特でスタイリッシュだ

 また本機は頑丈さも売りの1つ。レッツノートのユーザーに、レッツノートの良さは何かと聞くと、真っ先に挙げられるのは軽さや性能ではなく、頑丈さであることがとても多い。都市部の通勤では、満員電車でカバンに入れたノートPCが圧迫され、液晶などが壊れることがよくある。それが嫌ならレッツノートを選ぶべき、という声が多いのだ。

 レッツノートシリーズは伝統的に、天面が平らではなく凹凸のある形状を採用している。これは単なるデザインではなく、薄く軽い筐体でも高い剛性を得るためのものだ。頑丈さと軽さが求められるスーツケースには表面が凸凹したものが多い、と言えばイメージがわくだろう。また圧迫だけでなく、落下に対する衝撃もテストされているので安心だ。

 もう1つ気になるのがバッテリー。本機は、Sサイズのバッテリーでも約14時間(最軽量モデルの場合)という長時間駆動を可能としており、外出時にACアダプタを持ち歩かなくても安心して使える。またレジューム状態で1日放置したところ、5%程度しかバッテリーが減っていなかった。これなら使い終わったら画面を畳むだけでよく、次に使う時も一瞬で再開できる。高性能なPCが、スマートフォンやタブレットと同じ感覚で使えるのは嬉しい。

 コンパクトで軽いモバイルPCなので、持ち運びに便利なのは当然だ。加えて頑丈で、バッテリーも心配いらず。モバイルPCとして文句なしの1台だ。

プライベートでも万能に働ける1台

 最後は仕事以外、オフでの使用だ。最新の第6世代インテル Core iプロセッサーを搭載した本機は、ブラウジングやメールチェックはもちろん快適。無線LANは最新のIEEE 802.11acに対応しており、大容量ファイルのダウンロードやYouTubeなどでの動画再生も問題なく対応できる。

 さらに本機は標準でDVDドライブを搭載しているので、DVDも再生できる。当たり前のように言っているが、DVDドライブを搭載しながら、この軽さと小ささを実現しているのは驚異的なことだ。もちろん仕事の資料をDVDで受け取ったときにも使えるし、SDカードスロットもあるので、デジカメのデータもそのままPCに持ってこられる。プライベートだけでなく、ビジネスユースにも力を発揮する。

 画面は小さいものの、上下左右どこから見ても映像が破たんしない、高視野角の液晶を採用しているのも魅力。外光を反射しにくいアンチグレアタイプで、蛍光灯の映り込みなどにも強い。

 このように様々な用途に対応できるPCを、家の中で気軽に持ち運べるのもありがたい。冬場の寒い時にはコタツに座って使えるし(まさに今、筆者がそうしているように)、キッチンでレシピを調べながら料理するのも楽にできる。使ってみれば、家の中でのモバイルPCがいかに便利なものかはすぐに気づく。

 ちなみに本稿を執筆するため、小一時間ほど3Dゲームをプレイし、DVDを再生してみて、その後3~4時間ほど原稿を書くという作業を、ACアダプタを接続せずにやってみた。特に3Dゲームはバッテリー消費が激しいはずだが、使用後のバッテリー残量はおよそ50%だった。これなら職場にACアダプタを置き忘れても問題なく、通勤の荷物がちょっと減らせるのも嬉しい。

 あらゆることを1台でこなせるPCが、ここまで軽快に使えることは、想像していた以上に幸せだ。レッツノートシリーズの根強いファンがいることにも、使ってみれば否が応にも納得がいった。使用後の満足感がとても高い1台だと思う。

 おまけでもう1つ。筆者のお気に入りポイントは、丸みを感じるデザインだ。円形のタッチパッドだけでなく、本体の端部はどこも丸められ、キートップも左上と右下が丸く削られた形状になっている。最高級モバイルノートなのに、どこか可愛げがあるのだ。長く使うPCは、性能だけでなく、見た目のよさも満足感に繋がる。店頭で本機を見かけたら、ぜひ見た目もチェックしていただきたい。

 ちなみにレッツノートシリーズには、10.1型液晶を搭載した2in1の超コンパクトモデル「レッツノートRZ5」もラインナップされている。画面解像度は1,920×1,200ドットでレッツノートSZ5と同等でありながら、重量は約745gとさらに軽量化されている。堅牢性もシリーズならでは。とにかく軽量なモデルをお探しの方はこちらもお見逃しなく。

2016年春モデルラインナップ

(Reported by 石田賀津男)

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